上 下
56 / 59
第七章 宇賀真琴の物語 年を越し新たに年を迎える

お餅つきは大変です。

しおりを挟む

 三十日の朝に神戸を出港し、明石海峡大橋など見ながら小豆島の坂手港へ。
 小豆島観光ののち、船上で餅つき、三十一日の朝に坂手港を出港し、瀬戸内をクルージングしながら愛媛の今治港へ入港して、港に係留したまま、ここでニューイヤーのパーティーを開きます。

 翌朝、観光バスでしまなみ海道を通り、大三島の大山祗神社に、初もうでをすることになっています。
 そのまま、しまなみ海道を通り、元日の夕刻、尾道糸崎港で船と合流、翌日朝に瀬戸大橋を眺めながら、午後遅くに神戸に着く予定だそうです。

 この船、喫水が4メートルなので可能なのです。
 
 そして翌日、宇賀ビルには、ゼブル騎士団のコシャル・ハシス、アナト、ラシャプの三人が待っていました。
 予定どおり、バスが到着しています。

 山野家、浮田家、宇賀さんにクリームヒルトたちと茜さんが乗り込んで神戸に出発、年末ですがまぁ逆ですから、なんとか夕刻には神戸港へ、そして純白の『エオス号』が待っていました。

 稲田さんも先に乗っているようです。
 人数に余裕があるので、年末に帰省出来ない東京聖女女学校の生徒たちも、呼ばれているようです。
 それでもヴァランちゃんと明子ちゃんが一番年下のようですね。

 ヴァランちゃんとフランソワーズさんは二人部屋、明子ちゃんも母親と二人で二人部屋、かなりいい部屋ですよ。
 クリームヒルト達は隣合わせの三人部屋二室でクリームヒルト、お京ちゃん、乙女ちゃん、マチちゃん、シズちゃん、ミチちゃんとなっています。

「ねぇクリちゃん、この浴室、人工温泉になっている♪」
 いうが早いか、ミチちゃんが入っています。

「早く出ないと……ウェルカムパーティーまで時間がないわよ!」
「忘れていた!大変!」
「もぅミチちゃんったら!」
 
 ウェルカムパーティーは、それなりになったのは、いうまでもありません。

 翌日、船は出港し小豆島の坂手港、そして坂手港で夕刻から餅つき大会が行われます。
 茜さんが杵を持っています。

「茜姉様、がんばって!」
 ズドン!ズドン!すごい迫力です。

 次に宇賀真琴さんが杵を持ちますが、へっびり腰ですね。
 ヴァランちゃんと明子ちゃんは、杵を持つのも危ない感じでした。

 次々と一人ずつお餅つき、クリームヒルトの番になると、
 ズドン!ズドン!臼が壊れそうです。

 山野五十鈴さんたち、それなりのご婦人がたは、お餅を丸めています。
 
 わいわいがやがや、かなりのお餅がつきあがります。
 つきたてのお餅を皆で食べますが、やはり女性が多いのか、餡子で食べている方が多いですね。
 当然クリームヒルトも、餡子まみれのお餅を食べています。

 茜さんやコシャル・ハシスさんたちも、美味しそうに食べていましたね。
 大量に作られたお餅は、お正月の雑煮に使われ、さらに皆に、均等にくばられる事になっています。

しおりを挟む

処理中です...