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第三章 稲田真白の物語 開校騒動

おねだり三昧 其の二

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 調べてみますと、縦は31メートル、横は28メートルありましたので、テニスコート二面つくった茜さんです、勿論照明も付いています。

 茜さん、ここの地下に女学校として、あってはならない設備を勝手に作っています、実弾射撃場です。
 さすがに教師さんたちも、焦っています。

「皆さんも肌身離さず持っていたのでしょう、先ほど美子から聞きました」
「私たちの世界の女官は、全員拳銃が支給されます、最上級生になれば、M36レディ・スミスぐらいは、取り扱えるようにしなければね」
「もっとも一般の女官さんには、南部小型拳銃が多いですが」

 茜さん、ここで南部小型拳銃を取り出しましたね。
「別段構わないでしょう、地下射撃場ですから」
「できましたらエアピストルという事で、お願いできませんか、それならなんとか関係各所から、許可を取ってきますので……」
「それでは意味がありませんよ」

「……では女専課程の生徒だけを、自衛隊に体験入隊させ、射撃演習を体験させる為に、自衛隊の施設をこの学園が提供する」
「管理は出向してきている、自衛隊の体育教師がする、このあたりで納得していただけませんか」
「姉さん、そのあたりで納得しましょうよ」
 と、美子さんが言います。
 
 さらにチェックは続けられ、
「弓道場は無理ですか?」
 と、稲田さんが提案しました。

 茜さん、詳細に敷地を検討した結果、陸上競技場と道路の隙間に、細い空き地を見つけ、そこに小さい弓道場を作り上げました。

「バスなどの車庫も、何とかしたいのですが……」
 どこまでも稲田さんは要求します。
 
 茜さん、校内入口付近の駐車場を地下化、そこにマイクロバスなどを置くようにしました、自走式ですよ。
「ついでですから、校舎棟を地下化して、この地下駐車場をつなげましょう」
 校舎棟地下に、特別教室などがつくられました。

「出来ましたら中央広場に透明ドームを……」
 ここにも地下室をつくった茜さん、なんとマイクロブラックホールの発電装置を設置しています。
 しかも敷地全域を防御する、バリア発生装置などというものも設置しています。

 図書館の地下六階のコンピューターが、これを管理するようにしています。
「暴徒やテロなど、何が有るか分かりませんからね、ここの女は守らねばなりません!」

 これで主要建物は、全て地下がありますので、一気に地下をつなげています。
「これなら雨でもなんてことはないわ」

「陸上競技場に照明を……」
「校内の美観の整備を……」
 そのあとも山のように、稲田さんが『お願い』を出し、二人は片っ端から要求にこたえていました。

「耐震耐火などは完璧です、多少違法でも各種の法令は全て通してね、事後承諾よ!」
 内調さんの出向者さんに言い渡しています。

「万全の処理をお約束いたします」
 自信満々の内調さんでした。

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