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第三章 稲田真白の物語 開校騒動

素晴らしきかな、女神のお力!

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「教室はこのままでいいようですね……センスもいいし……トイレもなかなか、女子用としては合格点ですね、化粧ルームがついているのがいい」
「でも男性用は不要ですね、この学園は、猫の子一匹といえど、オスは侵入できません」

 そういって、ただ一つの男性用トイレを、美子さんは撤去してしまいました。

 ここらで、茜さんがやってきました。
「美子ったら、もう仕事していたの、貧乏性ね、あら、教職員の方は決まったようね、早いわねえ、もう味見したの?」
「なんでそんな思考になるのですか!」
「だって皆さん、お道具がね」

 ここで稲田さんが、茜さんへ耳打ちしました。
「やっぱり変態なことをしたのじゃない」
 稲田さん、美子さんに、「口が軽いのだから!」
 などと言われました。

 そこへ施工業者がやってきて、予定通り終了したと、報告にきました。
「御苦労さま、明日調べます、一応写真は撮っているのでしょう?」
「不都合があればお電話を差し上げます、なければ残金を振り込みます」

「なにかあれば云って下さい、これからもご指名をお願いいたします」
 そんなことを云いながら、校内にいた業者さんは引き上げて行きました。

「さて、本腰を入れましょうか?」

「ここをムスタンとつないでほしいのです、出来ましたら蓬莱ステーションとも」
 さすがに美子と茜が相談しています。

 宇賀さんが、
「クリームヒルト様には、私のほうで申し上げます」
「この者たちもリングを頂いた身、セキュリティでの問題はないはず」
 
 しばらく考えていた美子さん。
 綺麗な二階建の、多目的文化センターなどという建物へ歩いていきます。
 どうやらこれを、大改修するつもりのようです。

「入口は隠さなければならないでしょう?」
「校内には一般の方も入ってくる可能性がありますから」

「それでは、午後六時以降、一般の方々は校内から退去していただく規則をつくりましょう」
「夕刻からはシャットアウト、なんせここは女の園、それも極め付きの美女の館ですから」

「そうですか、では念のため、この校地全域を監視出来るようにしておき、部外者が誰もいなくなったら、入口が開くようにいたしましょう」
「この建物は2階建て、階段がありますね、見に行きましょう」

 この建物の階段は、屋上に上がれるようになっており、美子さんは屋上階段室を少し大きくしました。

 ベントハウスのようになっており、窓もありません。
 屋上にでるドアが一つあるだけです。
 お洒落な照明が一つついています。

 午後六時以降、関係者がこのベントハウスに来ると、そのドアの反対側の壁が透明になり、小部屋が見えます。

 その壁を押せば、八角形の小部屋に入れ、さらに行先が書かれた、透明のドアが今のところ三つ有りますので、それを押せば目的の所へ行けるわけです。

「女の園ですからね、屋上庭園でも作っておきましょう」
 人工軽量土壌の上に、芝を敷き詰めています。
 ところどころに、テーブルとイスが固定されています、お洒落な雰囲気です。

「普通は転移すればいいだけなので、こんな面倒な事はしないのよ、でも学生さんですからね」
「三つ目は何処へ?」
「宇賀ビルよ、宇賀さんや稲田さんも便利でしょう」

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