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第六十二章 夜明けの明星
01 イシスとアナーヒター
しおりを挟む近頃姉さんは、御座所がお気に入りです。
入れ替わり立ち替わり、女官長さんが挨拶にきますが、黒の女神ということを知っているのは、愛人さんまでです。
女官長さんたちは、このあたりの守秘義務については、多少ザルの恐れがあります。
妻は十五人以内という、姉の言葉が漏れていたことが理由の一つです。
そんなことより、姉さんは筋金入りの困ったチャンと判明しました。
それが女官長さんたちの口から、漏れるのが怖いのです。
「姉さん、そのはしたない姿はやめなさい!」
サリーさんも驚くような格好です。
真っ赤なTバックショーツに、同色のガーターストッキング、これまた同色の刺繍に、すけすけのビスチェときています。
ショルダーストラップ、ガーターストラップも真っ赤で、くらくらしそうなほどの必殺の下着姿です。
その姿に、真っ赤のつま先立ちが絶対条件の、15センチピンヒールを履いています。
足首には黒いアンクルカフス、ブレスレット、首輪をしています。
「どうして?洋人さん、似合わない?」
「だから、鼻血が出そうなのでやめてください!」
イシスさん、馬耳東風です。
やれやれ、下着姿は風邪をひきますよ。
ほんとうは姉さんに聞きたいことがあるのですが、答えてはもらえないでしょうね……
「何が聞きたいの?」
「金星神の象徴は八芒星(オクタグラム)といわれています、カタカムナ文字は八鏡文字、妙に八が気になるのです。」
「姉さんはこのあたりのことを知っているかと思って……」
「たしかに詳しくは答えられないわ、私にもいってはいけないことがあるの、でもカタカムナって神道でしょう、アスラ族の直系子孫は、日本にいるのですよ。」
これが姉にとって、精一杯の答えでしょう。
「カタカムナ文字はなんとか読めますが、本当の意味が私に分かっているのか、どうしてあの時、読めたのかさえ分からないのです。」
「あの文字は私にもよくわかりません、本当ですよ、ただ神のご配慮でしょう。」
神様ですか……イシス神が神と呼ぶ方はだれでしょう……
「アナーヒター、カマをかけるのは悪い癖ですよ。」
「貴女は大体のところは分かっているのはず、いつもいっているでしょう。」
「貴女は叡智の塊、慈悲の乙女でもあり英断の乙女です。」
「私の同意を得る必要など、どこにあるのですか?」
「このイシスが貴女に跪くのですよ。」
「見えている物を信じれば、良いのではありませんか。」
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