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第五十八章 征服した人々
望めよ、全ては差し出される
しおりを挟む私は転移しました、ここはバリアの外……
「ウルヴァシー、貴女の為にのこのこ出てきましたよ、ここはバリアの外、私は気まぐれなので、ここで話を聞きましょう」
私は群衆に向かっていいました。
「私に何か云いたいと聞いた、私の可愛い女奴隷である、王女の為にここまで出向いてきた、云いたいことがあれば聞こう、云うが良い」
「人殺し、私の主人を返せ!」
「返してその後どうする、出ていけと云うのか?」
「そうだ!」
「死んだものを生き返らすのは不可能だが、出ていくことはできる、この世界の総意ならそうしてもよいが?」
「なりません!代価はどうなるのですか!」
ウルヴァシーさんが叫びました。
「貴女たちに、この世界を返還し虫に通知する、私はこの世界に感知しないと」
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「代価はこれで公平に戻る」
ざわざわと群集がざわめきます。
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「私は貴方たちが自ら選択した以上、介入はしない」
「……」
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「明日なら館で詳しく聞けるでしょう、私は願いを叶えてあげたいのですが、それには代価がいるのです」
「今日一日妥当な代価を考えて、明日の朝、夜明けと共に執政官の館にやってきなさい」
「館はわかりますね、ウルヴァシーさん、この方の宿を探してあげなさい、多分野宿をするつもりでしょうから、姉は近くにいるはずです、その姉も込みです」
「スピンクス、ご苦労ですが、ウルヴァシーさんの護衛を命じます、ではウルヴァシーさん、貴女の国民ですから良きようにしなさい」
私は館に戻りました。
スピンクスが、
「あぁ……いっちゃった……ウルヴァシーさん、私は皆さんを、何処へ運べばいいのですか?」
ウルヴァシーさんが、
「フロッグに王家のゲストハウスがあります、そこへ運んで下さい、それとこの方の姉さんもお願いします」
「マスターのご命令ですから運びますよ」
館ではサリーさんと女学生が待っていました。
「おまたせ、さて寝ましょうか?」
そして朝がやって来て、お客様が姉と共にやってきました。
居間で二人を接見します。
ウルヴァシーさんが、
「昨日よく代価について説明いたしました」
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「そしてこのままでは……落ちるところまで落ちると判断しました……」
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「ウルヴァシー……立派ですね……」
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当然妹はこれまた綺麗な少女……
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