惑星エラムより愛をこめて 第四部 野良アンドロイド編 【ノーマル版】

ミスター愛妻

文字の大きさ
上 下
100 / 125
第五十七章 ささやかな夏休みの旅行

お疲れポン対策

しおりを挟む

 イザナミさんが、「私たちのせいです……」
 シウテクトリさんが、
「過ぎたことは過ぎたこと、アナーヒター様に忠誠を捧げ、仕事をすればいいだけ、昔をとやかくいわれる方ではない」

 マレーネさんが、
「今回はまだマシかも知れない……マスターは常に進化なされる」
「幾多の試練を乗り越えて来た方である、今やその力は人でない」
「私のたちの能力さえも凌駕されている」

「今回の事も、ご自分で自身を仮想制御なされた事で、達成されたように見受けられる」
「危機に会えば必ず対処され、そしてそれを糧に能力が飛躍する……どこまでいかれるのか……計算ができない」

 ゼノビアさんが、
「それでもだ、ミコ様のお顔はかなりの疲労が見える、大事が起こらぬ前に、なんとかしたほうが良いと思うが」

 シウテクトリさんが、
「しかし、どうするのか、正直、私では対処方法がわからぬ」
「私も同様だ」、とゼノビアさん。

「私に一つ考えがあるのだが」
「聞こうか?」
「マスターはサリー様が近くにいると、顔が和らぐのを知っているか?」

「それは気づいていた、数いる愛人の中でも誰もが認める正妻がサリー様、イシス様も一目置く存在、なるほど……」シウテクトリさんが納得しますが、
「サリー様をお側につけているだけでは、ストレスは解決しないのではないだろうか、環境も大事と思うが」
 とゼノビアさんがいいました。

「まぁ、我等には快楽官能は理解できるが、それ以外は手に余るということだ、分かる方に頼むしかないだろう……」
「それしかないだろう」

「別の話で恐縮なのだが、ひとつ決めないか、我等の主の呼称について、統一しようと考えるが」
「たしかに各自がバラバラでは、何かと困るだろう、ではルシファー様で良いのでは」
「正式な称号だからそれがいいと思う」

 以来、人工知能の間では、公式には私はルシファーと呼ばれることになりました。
 ただマンツーマンでは、相変わらずバラバラですが、概ねオルメカはアナーヒター、ゼノビアたちはミコ、イザナミたちはルシファーと呼んでくれていますが……

 人工知能たちの話が続いている間、私はとにかくよく寝ていました。
 短い間ですが熟睡したので、すこし元気が出ました。
 小雪さんと深雪さんが側にいてくれました。

「さて、戻りますか?」
「どこへ?」
「とりあえずマルスのスペースラグーンへ」
「温泉、好きですね」

「マレーネさん、戻りますので、マルスのスペースラグーンの私の居室まで送って下さい」
「そうですか、夏休みの残りはどうされるのですか?」
「雲隠れしたいところですが、そうも行かないでしょうね」
「そうですね……」

 私たちが転移した後、人工知能たちが、
「サリー様にお知らせするか、後は良きようにされるであろうし……」

 久しぶりのスペースラグーン……すぐにお風呂へ行きます。
 相変わらずでっかい湯船、人々が混浴で入っています。

 お風呂でのんびりしていると、本当に疲れが浮いてくるというのか、強烈にしんどくなって来ました。
 しかも睡魔の襲来です、お風呂で溺れるのも不名誉ですから、今日はとにかく寝ましょう。

 ご飯?後々、今は寝るのが最大のご馳走なのですから。
 小雪さんが気をきかせて、
「マスター、私たちはこれで引き上げます、とにかく今日はお休み下さい、久しぶりにお一人で寝られますよ、おやすみなさいませ」
 と云って、深雪さんをつれて、引き上げて行きました。
「おやすみ……」

 どれだけ寝たのかわかりませんでしたが、お腹が減って目覚めました、まだ眠たくて、身体が重くて……
 なんとかルームサービスを呼び、軽食を持ってきてもらい、また寝て……

 ここだけの話ですが、あまりトイレを我慢しながら寝ていたので、催して必死にトイレに駆け込みましたが、すこし間に合わなかったの……

 パンツをはきかえて……再び寝ましょう、きっと大きなイビキをかくでしょうね……
 色気の無いこと……

 ところでこの部屋、防音でしたよね?

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」 そう、第二王子に言われました。 そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…! でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!? ☆★☆★ 全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。 読んでいただけると嬉しいです。

強奪系触手おじさん

兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

噂の醜女とは私の事です〜蔑まれた令嬢は、その身に秘められた規格外の魔力で呪われた運命を打ち砕く〜

秘密 (秘翠ミツキ)
ファンタジー
*『ねぇ、姉さん。姉さんの心臓を僕に頂戴』 ◆◆◆ *『お姉様って、本当に醜いわ』 幼い頃、妹を庇い代わりに呪いを受けたフィオナだがその妹にすら蔑まれて……。 ◆◆◆ 侯爵令嬢であるフィオナは、幼い頃妹を庇い魔女の呪いなるものをその身に受けた。美しかった顔は、その半分以上を覆う程のアザが出来て醜い顔に変わった。家族や周囲から醜女と呼ばれ、庇った妹にすら「お姉様って、本当に醜いわね」と嘲笑われ、母からはみっともないからと仮面をつける様に言われる。 こんな顔じゃ結婚は望めないと、フィオナは一人で生きれる様にひたすらに勉学に励む。白塗りで赤く塗られた唇が一際目立つ仮面を被り、白い目を向けられながらも学院に通う日々。 そんな中、ある青年と知り合い恋に落ちて婚約まで結ぶが……フィオナの素顔を見た彼は「ごめん、やっぱり無理だ……」そう言って婚約破棄をし去って行った。 それから社交界ではフィオナの素顔で話題は持ちきりになり、仮面の下を見たいが為だけに次から次へと婚約を申し込む者達が後を経たない。そして仮面の下を見た男達は直ぐに婚約破棄をし去って行く。それが今社交界での流行りであり、暇な貴族達の遊びだった……。

元Sランククランの【荷物運び】最弱と言われた影魔法は実は世界最強の魔法でした。

EAT
ファンタジー
生物が魔法という摩訶不思議な力を使えるようになってからもうかなりの時間が経った。人類は魔法の力によってより良い生活、文明を手に入れ、魔導具の著しい進化によって誰もが才能など関係なくある一定以上の魔法を使えるようになった。 空飛ぶ船や、高速に移動する乗り物のなど魔導具の発明で人々の暮らしはさらに豊かになっていた。今や、努力などしなくても生活レベル、それ以上の魔法を誰もが使える。 そんな魔法なんて珍しくも何ともなくなってきた世の中に一人。魔法を全くと言っていいほど使えない少年がいた。 少年の名はファイク・スフォルツォ。彼は何百年かに一度現れるかどうかの影魔法に適性をもった少年であった。 とても珍しい属性の魔法に適正のあったファイクだったがその希少性から影魔法の詳しい歴史、文献、使用方法は何一つ残っておらず、その属性に適応した魔導具もまったく存在しなかった。故に人々はその魔法をハズレと呼んだ。 魔法を使えることが当たり前となった世の中でただ一人、魔法が満足に使えないファイクは無能な『荷物運び』として周りから虐げられていた。 そんなファイクはある時、とある人(?)との出会いで無能だの劣等人だのと呼ばれていた日々から一遍、最強への道を歩み始める。 己の野望と影を胸に抱き、少年は前人未踏の『大迷宮』へと挑む。 ※こちらの作品は小説家になろうでも連載しています。 文字制限により題名が短くなっておりますが同一作品です。 スローペースです。

双子の姉は『勇者』ですが、弟の僕は『聖女』です。

ミアキス
ファンタジー
僕の名前はエレオノール。双子の姉はレオノーラ。 7歳の〖職業鑑定〗の日。 姉は『勇者』に、男の僕は何故か『聖女』になっていた。 何で男の僕が『聖女』っ!! 教会の神官様も驚いて倒れちゃったのに!! 姉さんは「よっし!勇者だー!!」って、大はしゃぎ。 聖剣エメルディアを手に、今日も叫びながら魔物退治に出かけてく。 「商売繁盛、ササもってこーい!!」って、叫びながら……。 姉は異世界転生したらしい。 僕は姉いわく、神様の配慮で、姉の記憶を必要な時に共有できるようにされてるらしい。 そんなことより、僕の職業変えてくださいっ!! 残念創造神の被害を被った少年の物語が始まる……。

当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!! 2025年1月6日  お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております! ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!

処理中です...