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第五十七章 ささやかな夏休みの旅行
お疲れポン対策
しおりを挟むイザナミさんが、「私たちのせいです……」
シウテクトリさんが、
「過ぎたことは過ぎたこと、アナーヒター様に忠誠を捧げ、仕事をすればいいだけ、昔をとやかくいわれる方ではない」
マレーネさんが、
「今回はまだマシかも知れない……マスターは常に進化なされる」
「幾多の試練を乗り越えて来た方である、今やその力は人でない」
「私のたちの能力さえも凌駕されている」
「今回の事も、ご自分で自身を仮想制御なされた事で、達成されたように見受けられる」
「危機に会えば必ず対処され、そしてそれを糧に能力が飛躍する……どこまでいかれるのか……計算ができない」
ゼノビアさんが、
「それでもだ、ミコ様のお顔はかなりの疲労が見える、大事が起こらぬ前に、なんとかしたほうが良いと思うが」
シウテクトリさんが、
「しかし、どうするのか、正直、私では対処方法がわからぬ」
「私も同様だ」、とゼノビアさん。
「私に一つ考えがあるのだが」
「聞こうか?」
「マスターはサリー様が近くにいると、顔が和らぐのを知っているか?」
「それは気づいていた、数いる愛人の中でも誰もが認める正妻がサリー様、イシス様も一目置く存在、なるほど……」シウテクトリさんが納得しますが、
「サリー様をお側につけているだけでは、ストレスは解決しないのではないだろうか、環境も大事と思うが」
とゼノビアさんがいいました。
「まぁ、我等には快楽官能は理解できるが、それ以外は手に余るということだ、分かる方に頼むしかないだろう……」
「それしかないだろう」
「別の話で恐縮なのだが、ひとつ決めないか、我等の主の呼称について、統一しようと考えるが」
「たしかに各自がバラバラでは、何かと困るだろう、ではルシファー様で良いのでは」
「正式な称号だからそれがいいと思う」
以来、人工知能の間では、公式には私はルシファーと呼ばれることになりました。
ただマンツーマンでは、相変わらずバラバラですが、概ねオルメカはアナーヒター、ゼノビアたちはミコ、イザナミたちはルシファーと呼んでくれていますが……
人工知能たちの話が続いている間、私はとにかくよく寝ていました。
短い間ですが熟睡したので、すこし元気が出ました。
小雪さんと深雪さんが側にいてくれました。
「さて、戻りますか?」
「どこへ?」
「とりあえずマルスのスペースラグーンへ」
「温泉、好きですね」
「マレーネさん、戻りますので、マルスのスペースラグーンの私の居室まで送って下さい」
「そうですか、夏休みの残りはどうされるのですか?」
「雲隠れしたいところですが、そうも行かないでしょうね」
「そうですね……」
私たちが転移した後、人工知能たちが、
「サリー様にお知らせするか、後は良きようにされるであろうし……」
久しぶりのスペースラグーン……すぐにお風呂へ行きます。
相変わらずでっかい湯船、人々が混浴で入っています。
お風呂でのんびりしていると、本当に疲れが浮いてくるというのか、強烈にしんどくなって来ました。
しかも睡魔の襲来です、お風呂で溺れるのも不名誉ですから、今日はとにかく寝ましょう。
ご飯?後々、今は寝るのが最大のご馳走なのですから。
小雪さんが気をきかせて、
「マスター、私たちはこれで引き上げます、とにかく今日はお休み下さい、久しぶりにお一人で寝られますよ、おやすみなさいませ」
と云って、深雪さんをつれて、引き上げて行きました。
「おやすみ……」
どれだけ寝たのかわかりませんでしたが、お腹が減って目覚めました、まだ眠たくて、身体が重くて……
なんとかルームサービスを呼び、軽食を持ってきてもらい、また寝て……
ここだけの話ですが、あまりトイレを我慢しながら寝ていたので、催して必死にトイレに駆け込みましたが、すこし間に合わなかったの……
パンツをはきかえて……再び寝ましょう、きっと大きなイビキをかくでしょうね……
色気の無いこと……
ところでこの部屋、防音でしたよね?
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