63 / 125
第五十二章 ユーラシアの戦い
ユーラシアアジア侵攻
しおりを挟む「長谷川司令官、ユーラシアアジアに侵攻するのですが、どのようなお考えですか?」
「長崎の端島は今も維持されています、ここから九州に侵攻し、そのまま朝鮮半島を北上、満州から大陸へ侵攻するのがベストかと考えております」
「たしかにベストでしょう、でも……実はその昔の、私が作ったナーキッドの連絡シャトルは、全て封印されているだけで、内部からは開くことができるのです」
「第一海保、第六台場、大阪湾の友ケ島などです、勿論、ミハイロフスキー城・ケーニッヒベルク城・ファルケンシュタイン城・シュノンソー城・ウォリック城、ホットスプリング・コロニー、の地下の連絡シャトルは短期間で再開できるようになっています」
「ケンブリッジ・オフィス、ニューヨークハウス、アイスランドのものは本当に廃棄されています、現在、運行されている、母島、デヴォン島、マン島、カムチャッカの4つの主要周回連絡シャトルは、封印されたステーションを通過しているのです」
「それなら……ミハイロフスキー城から……いや待てよ……やはり最短距離の端島がいいかもしれぬな……でも一応華南は友好勢力の範囲……なら別にステーションが無くても……」
「なら、こうすればどうですか?食料、武器、弾薬の補給は、その都度、野営地に空間転移させましょう」
「私も同行しますので可能です、どこか大陸の空港あたり、華南あたりを出撃拠点とし、最終的にミハイロフスキー城へ抜ける」
「つまり大陸打通作戦の焼き直し、もっとも今回は南下ではなく北上ですが、そのコースなら、華南、華北、ロプノール共和国、シベリアあたりの残存勢力あたりを屈服させることが出来ます」
「たしかに補給が万全ならば可能ですな……」
「ヴァンパイア軍団もしばらく休暇をとって後、ミハイロフスキー城から、シベリアあたりの残存勢力を片付けながら、ロプノール共和国に向かってもらえばなおベスト……」
「近衛師団だけで十分かと思いますが……」
「ロプノール共和国は大したことはないでしょうが、その後ろに、チョットばかり危ない連中がいそうですのでね」
「そうですか……」
長谷川司令官はそれ以上聞きませんでした。
お茶会での協議の結果、香港を出撃拠点としました。
海南島にある中国政府が、国連に対して香港を一応、信託統治委任としたのです。
援助を条件にではありますが……
その国連から、ナーキッドが一部を借り受ける形としました。
香港はかなり核攻撃を受け壊滅状態、無人なのです。
中国政府が、ここを封鎖していたのも好条件です、やはりこのあたりでは、日本は嫌われているはずですから、敵対は無いでしょうが好意も期待薄……
チベットからの出撃も考えられたのですが、これではロプノール共和国へは迂回になります。
ここだけは叩く、これが今回の最大の目的、アジアの最深部で何事かが起こっているのです。
野良の活動拠点があるのではと、考えられます。
マレーネさんの探知によれば、他の近隣地域と何らかわりはないのに、ここだけが国家として機能しています。
これだけでも異常です。
中国大陸の目を覆う状態の中、酷いながらも生存が可能な場所、例えれば絶対の無の中に、地獄という生が浮かんでいるのです……
アメリカでの戦闘用アンドロイドは、明らかにイザナギ配下のものではない。
あのような戦闘用アンドロイドを動員できるのは、シウテクトリやゼノビアを除けば、結果はただ一つ、イザナミ……
野良を束ねているのは、イザナミと推測できます。
香港の啓徳空港に転移しました。
当然のようにアテネが従い、スピンクス以下の魔犬が従います。
六個連隊、三個旅団編成で、『通称』近衛師団が従います。
三個旅団ですから、師団というより軍に近いのですが、兵士たちは誇りを持って、近衛師団と呼んでいるのです。
サクラハウスの面々も同行します。
なぜか高倉雪乃さんがピッタリと側にいます。
「こう見えても、私も元帝国陸軍士官、ご一緒させていただきます!」
断固たる口調です、なにかあるの?
「サリー様から、中国娘を拾わぬようにと、厳重にいいつかってきました」
「ひどい言い草ですね!」
「南米でも拾ってきたではありませんか!」
「ヨーロッパではブレンダがぴったりついていたので、イタリア娘の色香には、惑わされなかったようですね」
「サリー様が、出来るだけミコ様にぴったりと貼り付けと云われています」
「……」
「綺麗なチャイナドレス娘は、私で我慢していただきます!この私もそれなりに、美味しいのですから!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。

婚約破棄上等!私を愛さないあなたなんて要りません
音無砂月
ファンタジー
*幸せは婚約破棄の後にやってくるからタイトル変更
*ジャンルを変更しました。
公爵家長女エマ。15歳の時に母を亡くした。貴族は一年喪に服さないといけない。喪が明けた日、父が愛人と娘を連れてやって来た。新しい母親は平民。一緒に連れて来た子供は一歳違いの妹。名前はマリアナ。
マリアナは可愛く、素直でいい子。すぐに邸に溶け込み、誰もに愛されていた。エマの婚約者であるカールすらも。
誰からも愛され、素直ないい子であるマリアナがエマは気に入らなかった。
家族さえもマリアナを優先する。
マリアナの悪意のない言動がエマの心を深く抉る

【完結】不協和音を奏で続ける二人の関係
つくも茄子
ファンタジー
留学から戻られた王太子からの突然の婚約破棄宣言をされた公爵令嬢。王太子は婚約者の悪事を告発する始末。賄賂?不正?一体何のことなのか周囲も理解できずに途方にくれる。冤罪だと静かに諭す公爵令嬢と激昂する王太子。相反する二人の仲は実は出会った当初からのものだった。王弟を父に帝国皇女を母に持つ血統書付きの公爵令嬢と成り上がりの側妃を母に持つ王太子。貴族然とした計算高く浪費家の婚約者と嫌悪する王太子は公爵令嬢の価値を理解できなかった。それは八年前も今も同じ。二人は互いに理解できない。何故そうなってしまったのか。婚約が白紙となった時、どのような結末がまっているのかは誰にも分からない。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

元Sランククランの【荷物運び】最弱と言われた影魔法は実は世界最強の魔法でした。
EAT
ファンタジー
生物が魔法という摩訶不思議な力を使えるようになってからもうかなりの時間が経った。人類は魔法の力によってより良い生活、文明を手に入れ、魔導具の著しい進化によって誰もが才能など関係なくある一定以上の魔法を使えるようになった。
空飛ぶ船や、高速に移動する乗り物のなど魔導具の発明で人々の暮らしはさらに豊かになっていた。今や、努力などしなくても生活レベル、それ以上の魔法を誰もが使える。
そんな魔法なんて珍しくも何ともなくなってきた世の中に一人。魔法を全くと言っていいほど使えない少年がいた。
少年の名はファイク・スフォルツォ。彼は何百年かに一度現れるかどうかの影魔法に適性をもった少年であった。
とても珍しい属性の魔法に適正のあったファイクだったがその希少性から影魔法の詳しい歴史、文献、使用方法は何一つ残っておらず、その属性に適応した魔導具もまったく存在しなかった。故に人々はその魔法をハズレと呼んだ。
魔法を使えることが当たり前となった世の中でただ一人、魔法が満足に使えないファイクは無能な『荷物運び』として周りから虐げられていた。
そんなファイクはある時、とある人(?)との出会いで無能だの劣等人だのと呼ばれていた日々から一遍、最強への道を歩み始める。
己の野望と影を胸に抱き、少年は前人未踏の『大迷宮』へと挑む。
※こちらの作品は小説家になろうでも連載しています。
文字制限により題名が短くなっておりますが同一作品です。
スローペースです。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる