惑星エラムより愛をこめて 第四部 野良アンドロイド編 【ノーマル版】

ミスター愛妻

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第五十二章 ユーラシアの戦い

ユーラシアアジア侵攻

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「長谷川司令官、ユーラシアアジアに侵攻するのですが、どのようなお考えですか?」
「長崎の端島は今も維持されています、ここから九州に侵攻し、そのまま朝鮮半島を北上、満州から大陸へ侵攻するのがベストかと考えております」

「たしかにベストでしょう、でも……実はその昔の、私が作ったナーキッドの連絡シャトルは、全て封印されているだけで、内部からは開くことができるのです」

「第一海保、第六台場、大阪湾の友ケ島などです、勿論、ミハイロフスキー城・ケーニッヒベルク城・ファルケンシュタイン城・シュノンソー城・ウォリック城、ホットスプリング・コロニー、の地下の連絡シャトルは短期間で再開できるようになっています」

「ケンブリッジ・オフィス、ニューヨークハウス、アイスランドのものは本当に廃棄されています、現在、運行されている、母島、デヴォン島、マン島、カムチャッカの4つの主要周回連絡シャトルは、封印されたステーションを通過しているのです」

「それなら……ミハイロフスキー城から……いや待てよ……やはり最短距離の端島がいいかもしれぬな……でも一応華南は友好勢力の範囲……なら別にステーションが無くても……」

「なら、こうすればどうですか?食料、武器、弾薬の補給は、その都度、野営地に空間転移させましょう」
「私も同行しますので可能です、どこか大陸の空港あたり、華南あたりを出撃拠点とし、最終的にミハイロフスキー城へ抜ける」

「つまり大陸打通作戦の焼き直し、もっとも今回は南下ではなく北上ですが、そのコースなら、華南、華北、ロプノール共和国、シベリアあたりの残存勢力あたりを屈服させることが出来ます」

「たしかに補給が万全ならば可能ですな……」
「ヴァンパイア軍団もしばらく休暇をとって後、ミハイロフスキー城から、シベリアあたりの残存勢力を片付けながら、ロプノール共和国に向かってもらえばなおベスト……」
「近衛師団だけで十分かと思いますが……」

「ロプノール共和国は大したことはないでしょうが、その後ろに、チョットばかり危ない連中がいそうですのでね」
「そうですか……」
 長谷川司令官はそれ以上聞きませんでした。

 お茶会での協議の結果、香港を出撃拠点としました。
 海南島にある中国政府が、国連に対して香港を一応、信託統治委任としたのです。
 援助を条件にではありますが……

 その国連から、ナーキッドが一部を借り受ける形としました。
 香港はかなり核攻撃を受け壊滅状態、無人なのです。

 中国政府が、ここを封鎖していたのも好条件です、やはりこのあたりでは、日本は嫌われているはずですから、敵対は無いでしょうが好意も期待薄……

 チベットからの出撃も考えられたのですが、これではロプノール共和国へは迂回になります。
 ここだけは叩く、これが今回の最大の目的、アジアの最深部で何事かが起こっているのです。

 野良の活動拠点があるのではと、考えられます。
 マレーネさんの探知によれば、他の近隣地域と何らかわりはないのに、ここだけが国家として機能しています。
 これだけでも異常です。

 中国大陸の目を覆う状態の中、酷いながらも生存が可能な場所、例えれば絶対の無の中に、地獄という生が浮かんでいるのです……

 アメリカでの戦闘用アンドロイドは、明らかにイザナギ配下のものではない。
 あのような戦闘用アンドロイドを動員できるのは、シウテクトリやゼノビアを除けば、結果はただ一つ、イザナミ……

 野良を束ねているのは、イザナミと推測できます。

 香港の啓徳空港に転移しました。
 当然のようにアテネが従い、スピンクス以下の魔犬が従います。

 六個連隊、三個旅団編成で、『通称』近衛師団が従います。
 三個旅団ですから、師団というより軍に近いのですが、兵士たちは誇りを持って、近衛師団と呼んでいるのです。

 サクラハウスの面々も同行します。
 なぜか高倉雪乃さんがピッタリと側にいます。
「こう見えても、私も元帝国陸軍士官、ご一緒させていただきます!」
 断固たる口調です、なにかあるの?

「サリー様から、中国娘を拾わぬようにと、厳重にいいつかってきました」
「ひどい言い草ですね!」

「南米でも拾ってきたではありませんか!」
「ヨーロッパではブレンダがぴったりついていたので、イタリア娘の色香には、惑わされなかったようですね」
「サリー様が、出来るだけミコ様にぴったりと貼り付けと云われています」

「……」
「綺麗なチャイナドレス娘は、私で我慢していただきます!この私もそれなりに、美味しいのですから!」

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