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第五十一章 征服戦争
アメリカ第四帝国政府はそのままに
しおりを挟むでも激痛が走りました、すぐに脳内麻薬を分泌させて痛みを麻痺させます。
さらに最後の一体も、なんとか蹴りで片付けます。
隣ではアテネさんも止めを刺しています。
かなり切り傷を負っていましたが、なんとか無事のようです。
その時、核が戦場で爆発したのです。
アテネのチョーカーが瞬時に反応しました、そして私たちの周りに防護バリアがはられました。
アメリカ軍は、味方の損害も承知の上での暴挙でした。
キノコ雲が収まり、ヴァンパイア軍団に戻りますと、軍団はなんとかチョーカーに守られていました。
アメリカ陸軍はと見ると退却していきます、どうやら退却ついでに、核攻撃に出たようです。
ちょうどヴラド・ドン司令官がいましたので、
「アテネを何処かに寝かしたいのですが、テントはない?」と聞きますと、すぐに用意をしてくれました。
私たちはスピンクスの力で核の放射能範囲の外、マイアミに転移してもらいました、そして少し休憩を取ることにしました。
アメリカの陸海軍は壊滅でしょう。
海兵隊と空軍は健在ですが、後のことを考えると海兵隊ぐらいは残しておきましょう。
ただ空軍は、ナーキッドがテラの軌道上に展開している、対地上攻撃ビーム移動衛星が一つありますので、これで次々と撃ち落としました。
英気を養ったヴァンパイア軍団は、その後、ボストンを陥落させて、北米の戦いは終わりました。
この後始末をどうするのか……直接統治をするか、いやそれではナーキッドの負担が大きすぎる。
ご褒美にヴァンパイア軍団に投げやるか?いや、それでは、ヴァンパイアたちに誘惑を投げ与えるようなもの。
第四帝国政府は有能なのは確かです。
この状態のアメリカを、曲がりなりにも国家として機能させたのです、不本意ですがそれは認めます。
しかもマドレーヌの言葉を借りるなら、まだマシな政府……
結局、責任者の処罰と軍の解体、唯一健在の海兵隊を治安維持の部隊として、警察へ所轄を変えて、私は第四帝国政府を認めました。
最早人種戦争はありえないのです、白いアメリカしか、この地に残っていません。
黒人はアフリカに、その他の人々はイエローストーン噴火後、荒れ果てた西部に移動したのです。
債務回収法は廃案となりましたが、個人債務売買法といわれる法案がとおり、債務奴隷制度はそのままになりました。
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