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第四十九章 虫
桃娘(トウニャン)は理解出来ない
しおりを挟む「フェルナンダさん、貴女に惑星893の統治を任せます」
「他のアンドロイドとともに、ホモサピエンスを管理しなさい」
「ただし貴女たちアンドロイドは、現地の人類に似せた有機体に改造します、ホモサピエンスとともに過ごしなさい」
「ゼノビアさんには、この地の防衛も責任の範囲として下さい」
「またマレーネさんは惑星893への宇宙鉄道の支線をステーションDへつないで下さい」
「ステーションDはゼノビアさんの管理のはず、惑星893から人員を交代で、宇宙鉄道のゼノビアさんの管理下のB,C,Dに配属させ、単純労働をさせなさい」
「フェルナンダさんは労働の対価を受け取り、必要なものをゼノビアさんから調達すること」
「また惑星893産の余剰果物類、余剰保存食料などもをステーションDからヴィーナス・ネットワーク社会に輸出すること」
「この報酬もあわせて、フェルナンダさんたちが受け取り、惑星893の必要と思われる物を購入する代価に当てること」
「それから惑星893の現地ホモサピエンスは、宇宙鉄道内のステーションB,C,D以外には出さないこと」
「最後に8種族は順繰りに、管理者とともにステーションDまで出頭すること、できるだけ私か姉が接見します」
フェルナンダさんは、有機体アンドロイドに進化しました。
しかし他の管理アンドロイドたちが、フェルナンダさんに瓜二つなのは驚きました、まるで八ツ子……なのでほんの少しは個性を持たせました。
惑星893の宇宙鉄道の支線が完成し、八体のアンドロイドがひとりずつ、果物娘を連れてやってきたのです。
フェルナンダさんの管理牧場って、桃族の牧場だったのですね、目の前に桃娘を連れています……
その桃娘が、
「この度、貴女様が私たちのご主人様になられたとか、私たちを味見されるのでしょうか?」
「味見って?」
「お肉を食べるのでは?私たちはおいしいと思いますが?」
「食べません!」
そう云うと、この娘はポロポロと涙をこぼしました。
「私たちはおいしいはずです!ご主人様は私たちをまずいと思われているのですか!」
予想できない反応でした……なんで……食べられたいの?
自身の存在が停止するのですよ?
「私たちは必要が無いのですか?」
「必要です、私は貴女たちが必要なのです」
「本当ですか?」
「食べないですが、それは別の事で身体を私に捧げてもらいます」
あまりに慌てていましたので、何を言っているのか……でも、これはまずい失言です。
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