17 / 125
第四十七章 山荘予言
超人(ユーベルメッシュ)
しおりを挟む「『あいつ』が、シナリオを書いたというわけですか?」
「でも何故?」
「このテラの現状を望んだのですよ、そして目的は現実のものとなった……」
姉さんが、
「そうね、このままなら嫌でも予言の通りになるわ」
マレーネさんが、
「今の問題はこの予言に対してどうするかですが、『あいつ』が望む通り、それはそれでいいのでは……」
「ここまで来れば、選択の余地はないように思えますが」
「そして神人(ゴッドメンシュ)を導いてくる……」
「私をエラムに呼び、テラに飛ばして何をさせようとしているのか……」
「人類はこのままでは滅亡するわけです、ヒトラーがいみじくも云っています」
「結婚もせず子供も産まず、男以上の働きをする女が増え、女性の位置が向上し、そして人類は滅びる」
「たしかベルリン・オリンピックの記録映画、美の祭典の監督であるレニ・リーフェンシュタールに向かっていった言葉でしたね」
「……」
「つまりシナリオが実ったわけです、しかし警告があるのです、このままでは滅亡すると……」
「利己特性を切り捨てて、出生性差を歪め、やっと生き残っても、種の滅亡は免れない……」
「しかしなにもしなければ、人類は全滅していたはずでは……」
「そう……『あいつ』は私にそれを回避して、人類を進化させろと云っているのではありませんか?」
「ヒトラーの予言の中には、こうもあります」
「人類が進化すると、テラにも宇宙にも大変動が起こると……」
「このテラの人類を選り分けて、片方は退化し、片方は進化する、バランスを取る上では致し方ない……」
「しかし進化するものは何処へ行くのか?」
そして神人(ゴッドメンシュ)を導いてくる……
導かれたものは、神の代理人というべき存在、超人(ユーベルメッシュ)に出会い、目的を知る……
この先、Y染色体が衰退していくのは確実、その前に擬似的な男が居ない世界ができる……
人類が真に生き残るための時間ができる……
それを利用して、女だけで生殖し種として繁栄を続ける……
そんな世界がありましたね。
「……」
「この世界を支配していた、アスラ族の後継民族を創造する……」
姉さんが呟きました……
マレーネさんが、
「マスター……これ以上はイシス様とお二人でお話ください、私が首を突っ込む問題ではありません」
「そうですね……方針は二人で決めなくてはならないでしょうね、それだけの責任はありますから」
「方針をお決めになれば、方法論はご相談ください」
「そうしましょう」
「ところで、私からの提案ですが、クリームヒルト・ニーチェは側女にしては如何でしょう
「幼いといえども危険な存在、マスターに支配していただいたほうが安心です」
「それは私も思う、クリームヒルト、超人(ユーベルメッシュ)は愛も官能もナチュラルより集まるという」
「幼いといえど理解はできるであろう、幾つになるのか?」
「十一歳です……」
「ドイツの娘ですから、初潮があってもおかしくない年齢、下り物(おりもの)はある?」
全身真っ赤に染まったクリームヒルトでしたが、消え入るような声で、
「二月ほど前から……あそこから……透明なものが……」
「もうすぐですね、これで決まりです」
「なにが決まりですか!クリームヒルトの気持ちも聞かないで!」
「私は望んでいます」
クリームヒルトが突然いいました。
姉さんが勝ち誇ったように、
「アナーヒター、フライングですが、クリームヒルトに側女のチョーカーをつけてくれますか?」
初潮が始まったら、抱かねばならなくなりました。
それまで、姉さんがクリームヒルトを預かるそうです。
「しっかりと教育しておくわ♪」
「では私はここでお暇を……」
「お茶でもしますか……」
マレーネさんが幻のように消え、私はクリームヒルトに側女のチョーカーをつけ、フェルナンダさんを呼びました。
姉がいるのに驚いてはいましたが、
「はじめてお目にかかります、吉川茜様ですね、フェルナンダ・モタと申します」
首には当然のように側女のチョーカーがついています。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
奪われたものは、もう返さなくていいです
gacchi
恋愛
幼い頃、母親が公爵の後妻となったことで公爵令嬢となったクラリス。正式な養女とはいえ、先妻の娘である義姉のジュディットとは立場が違うことは理解していた。そのため、言われるがままにジュディットのわがままを叶えていたが、学園に入学するようになって本当にこれが正しいのか悩み始めていた。そして、その頃、双子である第一王子アレクシスと第二王子ラファエルの妃選びが始まる。どちらが王太子になるかは、その妃次第と言われていたが……
自作ゲームに転生!?勇者でも聖女でもなく、魔王の娘になりました
ヒイラギ迅
ファンタジー
恋愛要素を含んだRPGゲームを制作していたら寝落ち。
起きたらそのゲームの中の魔王の娘になってました!
自分の知識を活かして奮闘しようとするも、イレギュラーが多いんですけど!?
父親になった魔王を守るため、勇者もその仲間も引き入れて大団円目指します!
当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる