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第四十六章 南米
新ゲルマニアの娘
しおりを挟む「ミコ様、その子……」
露骨に値踏みしていますが、
「クリームヒルト・ニーチェ、新ゲルマニアの娘さんです」
後は聞くなと、目で物を言わせていただきました。
「そうですか、とにかく衣服を調達しなければ……」
マレーネさんに頼んでもいいのですが、せっかくフェルナンダさんが気を利かせてくれたのですから。
「お願いします、女の子の好きそうな服を一式、クリームヒルト、とにかく服の好みはありますか?」
「ピンク色で可愛いのが……」
フェルナンダさん、それを聞いて微笑みました。
「わかりました、クリームヒルトさん、出来るだけ可愛くてピンク色を探してきますから、でも急だから、今日は気に入らなくても我慢してね」
「理解しています」
フェルナンダさん、声を出して笑いました。
「さて、お風呂に入りましょうね、ねぇ、クリームヒルト、私と一緒に入りましょうか?」
「いえ、お見せ出来るような身体ではありませんから……」
どうしても嫌がります、仕方ないので、
「私に従うのでしょう、これは命令です、裸になりなさい」
真っ赤な顔をして、おずおずと脱ぎましたが、やはり……
全身みみず腫れの上に、あちこちに切り傷があります、そのうちのいくつかは膿んでいます。
「このままではお風呂は無理ですね、治療を先にしましょうね」
「時間だけが薬と思いますが?」
「私は貴女と一緒で、普通の人ではありませんよ、まぁ任せなさい」
私はクリームヒルトの身体に対して、治療のイメージを発動します。
見る見るうちに皮膚が再生を始めます、が……
「貴女、目はどうしたの?」
「村で……つかまって……太陽を望遠鏡で無理やり見せられて……」
右目は失明、左は弱視で止まったが、つぶれた振りをしたとのことでした。
その後、村から必死で逃げだして、物乞いをしながらここまできて、私の事を知ったようです。
各地でささやかに助けてもらったそうです。
「目も治しましょうね」
私にとっては簡単な事ですから。
三十分ほどで健康になったクリームヒルト、目が見える事に感激していますが、元気なものでお腹がなっています。
取りあえず持っていた食糧、私のおやつを渡しました。
「とにかくこれを口に入れて、食べたらお風呂へ行きますよ、その後服が来たら、ご飯にいきましょう」
でもよく考えたら、クリームヒルト、素っ裸でおやつの袋を持って真剣に食べています。
「さて嫌でもお風呂ですよ、背中洗ってあげますよ、来なさい」
なんせ洋風ですからね、日本のお風呂のようにはいきません、クリームヒルトをバスタブに浸け、頭から全身泡だらけにすると、バスタブの湯の色が……
これはいけません、二度三度とお湯を張り替え、何度も洗い、嫌がりますが、問答無用、隅々まで洗いましたよ。
「ふぅ……これで綺麗になった」
クリームヒルトはぐったりとしています。
この後、フェルナンダさんが可愛らしい服を調達してきましたので、それを着せて、食事時間ではありませんがホテルのレストランへ。
健康な子供は、こんなにも食べるのですね……
私とフェルナンダさんは、お付き合いでお茶でしたが。
クリームヒルトは頭脳や判断力においては多分、フェルナンダさんよりも大人でしょうが、しかし……
やはり小さい女の子、親を亡くして彷徨って、優しさに飢えて……超人の前に子供でなければ……
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