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第一章 ガリレオ衛星ステーションにて

オーナーの監視役

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「はい、私はあの後、総長様の御勧めで修道女になりました」
「このたび正義と平和評議会が、エウロパ開発に乗り出すこととなり、事務員を募集していたので、御恩返しにと志願しました」

「すると、総長が私をナイトガールに推薦して下さいました」
「最初はそんなことは不本意だったのですが、あの時の命の恩人が、ミコ様と教えていただき、承諾したのです」
「正義と平和評議会のナイトガールは私一人、覚悟しています」

 アニーさんが困った顔をしています。
 アニーさんも女子修道院で育てられた身の上ですから、邪険に出来ない気持ちがわいたのでしょう。
「私……お気持ちよく分かります……」

 この時にはアデラインさんも側に来ていて、こちらも複雑な顔をしています。

「ナイトガールさん、あれから十年ですね、お幾つになりましたか?」
「二十七です」
「お名前は聞いていませんでしたが?」
「真野静香です」

 目が大きくて、細面できりっとした美人さんです。
 とにかく黒髪が印象的ですね。
 身長は160センチぐらい、胸は寂しい大和撫子さんです。

「ミコ様、よからぬ事をお考えではないでしょうね、サリー様から、かなりきつく、いい付かってますよ」
 と、アニーがいなされたと判断した、アデラインさんが警告します。

「大丈夫です、理解しています、静香さん、とりあえずナイトガールはやめなさい、御希望なら執政官府の職員に推薦いたします」

「正義と平和評議会では、修道女のナイトガールは無理があります、バチカン財閥としてなら、ナイトガールは他の財閥と同じようと、申し入れておきます」
「フランシスコ・ロドリゲス総長には、私から良く説明しておきます」

 こうして真野静香さんとアニー・スチュアートさんは、アリシアさんの補佐官補助として、採用されたようです。
 
「二人とも大事な役目をお願いしますね、ミコ様の監視です」
「私たちの間では、伝説となっていますが、ミコ様がふらふらと出歩かれると女が増える、拾ってくるとまで、いわれています」

「真野静香さんには悪いですが、今回もそうなりました」
「私とアデラインさんの見るところ、真野静香さん、貴女は望んでいるでしょう、その希望はハウスキーパーに善処していただくように伝えておきます」

「経緯をお聞きする以上、これは止められないと思います、そこでこれ以上は何としても避けたいので、二人して監視してください、いいですね、二十四時間ですよ」

 アニーさんが、
「お任せください、必ず役目を全ういたします、この話なら、全ての寵妃さんたちの協力が受けられますので」
「私も尽力いたします……でも……」
 
「貴女の不安は分かります、後日、リングなりチョーカーなりの話が有るでしょう」
 真野静香さんはアニーさんを助けて、ミコ様の監視役を仰せつかったのですね。

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