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第十七章 あちらは神罰、こちらは女難?

警護兵さんがやってきた

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「それからエマ様、近頃匂いますよ」
「えっ、臭いの!私、毎日お風呂に入って、しっかり洗っていますが!」

「いえ、そういう意味ではなくて、体臭が……」

「体臭……ショックだわ……消臭剤でも振りかけようかしら……」

「申し訳ありません、言葉足らずでした」
「女らしくなられたという意味です、私ぐらいの30過ぎの『おばさん』になると、女の臭いがなんとなくわかるのです」
「若い娘の中には、甘い桃のような香りがする者がおり、殿方はその匂い誘惑されるのです」

「なんですか!そんな女、サキュバスではないですか!」
「良い女という意味ですよ」

「30を過ぎると、なんとなくですが、『女の臭い』がしなくなります、私もしなくなりました」
「ただエマ様はこの『女の臭い』が極上というか……多分殿方はイチコロで堕ちますよ……」

「だから、出来るだけ殿方とは合わない方が……懸想する馬鹿が出てくると思われます」

「面談すれば、押し倒そうとする馬鹿がでると?」
「全員がそうとは思いませんが、その恐れがあります」

 何かに書かれていたけど、『女の臭い』って、ラクトンC10とかラクトンC11とかよばれるものよね……
 たしかC10は20歳代、C11は30歳代、で大幅に減少する、男性の脳はこの匂いに影響されてというか『惑わされて』視覚が勘違いをする、実態以上に良いと感じてしまう――ウィキペディア 女性 の項目に書かれている――とあったわ……

「まったく!」

 フレイヤさんが、
「なら、警備の人間が増えるのは良い事でないか?仲間らしいが楽しみだ♪」
「もうすぐと思います、2時と聞いております」

「まあ、私の匂いはショックですが、迎える準備をしましょう、フレイヤさん、お仲間の奴隷表示は私が解除してあげますよ」
「ありがとうございます!」

 2時になり、私がその昔乗せられたような囚人護送車が2台、車寄せに乗り入れてきました。
「くそ!離せ!ぶっ殺すぞ!」

 足枷、手枷、その上首枷までつけられた4人の女が、馬車から放り出されています。

「いてえぞ、この野郎!」

「管理人はどちらか!デーン王からの贈答品だ、この受け取りに署名していただこう」
「それから、この女ども、とんでもなく狂暴だぞ、貴族の愛玩にするため、拘束魔法がかけられていたが、譲渡するために解除されている、そちらで拘束魔法を掛け直すまで、枷は外さん方がいいぞ」

 ジュリアさんが、受け取りに署名して、デーンの役人に渡しながら、
「確かに女奴隷4名、受け取りました、デーン国王陛下に、よろしくお伝えください、こちらは些少ですが、ご苦労賃です」

 引き連れてきた4人の役人に、なにがしかの包み紙を渡しています。

「おっ、悪いな♪これで妻になにか土産を買って帰れる♪」
 嬉しそうな顔で帰って行かれましたね。

「お前たち、久しぶりだな、生きていてくれてうれしいぞ」
「フレイディース隊長……ご無事で……」

「なんとかな、今ではフレイヤと名乗っているから、そう呼んでくれ、あのアブサロンに手籠めにされ、筆頭魔導士の腐れ野郎の呪術により、色狂いにされたが、ご主人様に解呪していただいた」
「こちらが私のご主人様であらせられるエマ様だ、お前たちのご主人様でもある」

「隊長……その……」
「ああ、私はご主人様の閨の相手もしている、いまからエマ様の御言葉がある、聞くように」

「もう、フレイヤさん、私に振るのね!皆さん、私がエマ、この館の主人という事になっています」
「皆さんの事について、今より奴隷から解放してあげます、その上で、私に仕えるなら、このフレイヤさんの部下として、この館の警備を任せます、もし仕えたくないなら、拘束などしませんから、自由に生きてください」
「お金が必要でしょうから、お一人あたり、20ランド差し上げましょう、皆様なら商人の護衛などにつけるでしょう」
「自由を希望するなら、今言ってくださいね」

 ……

「いま直ぐにですか?」

「悪いですが、私にも秘密ぐらいあるわけです、残った方には、『年季奉公』人になっていただきます、その上で2,000ランドの支度金をお支払いします」

 フレイヤさんが、
「そういう事だ、2,000ランドの意味は分かるな、軽い『拘束』魔法もかけさしてもらう、だから嫌なものはここで申し出よ」
「もし残って、なおかつ嫌という事になれば、奴隷商に引き取ってもらうことになる、そんなことは私としては避けたい」

 ……

 結局、去る方はおられませんでした。
 四人は、『年季奉公』人として、『愛人契約』を受け入れ、私は4人を、奴隷から解放したのです。

 デーンの貴族が愛玩奴隷としていたわけですから、それなりにお綺麗なのですね……
 細マッチョさんですけどね……

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