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第十四章 穏やかな日々は夢幻(ゆめまぼろし)
可愛い娘
しおりを挟む「ベアータ♪こちらよ、よく来ましたね、待っていたわ♪」
「ジュリア叔母様♪」
ベアータちゃん、安心したのか、涙が込みあがったようです。
「もう大丈夫よ、ここにお住まいの方は皆さん良い方よ、意地悪な方はいないわ」
「とにかく、ご挨拶に行きましょう、その後、エマ様がご飯を用意してくださっているから、一緒に食べましょうね♪」
「はい♪私、今朝もご飯抜きだったの、だからお腹が減って……」
「ここではご飯は必ず3度いただけるから、そんな心配はないのよ、それにおやつや飲み物はいつでもいただけるわ、その使い方も教えてあげる」
「ただね、エマ様は知らずにおっしゃったようだけど、貴女の為に支度金、2,000ランドも下さっているの、この意味、分かるわよね」
「私に2,000ランド……わかりました、私はご主人様である、そのエマ様という方の愛人になればいいのですね、それでもお母様よりはマシです」
「私もエマ様の夜に侍っているのよ、ここの女は全員エマ様の『愛人』なのよ」
「これは内緒ですが、エマ様の寵を得て、愛人になったものは、王様からバロネテス(女準男爵)を贈られるのよ、私ももうすぐバロネテス(女準男爵)になれると思うわ」
「その時は、ベアータがお手付きにならなかったら、私の養女にするわ、そうなればベアータはベアータ・ドレスラー、準男爵の1人娘となるわ」
「叔母様、私がエマ様の『愛人』になればよいのでしょう?私頑張るわ、だからコツを教えてね♪」
「勿論よ♪叔母と姪、2人でエマ様の閨を共にしましょうね♪」
こんな話をしながら、2人は喫茶コーナーで待つ、エマさんの前まで来ました。
「姪のベアータです、こちらがご主人様のエマ様、ほら、ご挨拶してね」
「エマ様、ベアータ・トストと申します、もうすぐ13歳になります、生理もあります、どうか『可愛がって』ください」
どうも赤毛というので、アン・シャーリーのイメージがするのよね。
「私がエマよ、色々あったとジュリアさんから聞いています、でも、この後は安心して過ごしてね、ここにいる皆は貴女の姉と思ってくれてもいいわよ」
「それからね、ここには偉い女の方も時々来るけどびっくりしないでね、お昼を用意しているけど食べるでしょう?」
「ハンバーグが良いかと思ったけど、なにか食べたいものがある?」
「ハンバーグ、大好きです♪」
「じゃあ、作って来るから、しばらくここで待っていてね、皆、喫茶コーナーの使い方を教えてあげてね♪」
100円●ーソンで、ハンバーグ、ひとくちハッシュドポテト、キャベツミックス(紫キャベツ入り)、まあライスはなじみがないでしょうからパンにしましょうか。
バターロール1袋、6個入りですからね。
あっという間にできましたね。
「皆さん、出来たから取りに来てくれない?」
皆、自分の分は取りに来てくれました。
「スープはそこの喫茶のものにしてね♪」
ジュリアさんが、ベアータちゃんと、コーン・ポタージュなんて一緒に作っています。
エマさんはオニオンスープのようですね。
「では、いただきましょう♪」
ベアータちゃん、無心に食べていますね♪
「叔母様、このパン、白いのですが……」
「そう、白パンよ」
「毎日、こんなパンが食べられるのですか♪」
クロエさんが、
「そうよ、この館ではね、色々なパンが出されるのよ♪ここはね、週に4日、パン屋を開くのよ、だからパンは潤沢にあるのよ♪」
ワイワイガヤガヤ……あっというまにベアータちゃん、馴染んだようです。
「エマ様、この後、王妃様が来られますが……」
「ベアータさんも、王妃様にご挨拶させればいいわよ、毎週1回は必ず来られるみたいだし」
食事の後、優雅にコーヒーなんてね、ジュリアさんが、ベアータちゃんに淹れ方なんてレクチャーしていました。
皆にベアータちゃんがコーヒーや紅茶を入れてくれましたが……
まあまあ、ですね……
「あの……美味しくなかったですか?」
「う、うん、最初にしたら上手よね、でも、もう少しうまくなってくれたら、嬉しいわ」
「練習します!上手に作って、エマ様に『可愛がって』貰える子になります!」
フレイヤさんが、
「ベアータはその気なのか?」
「はい♪ジュリア叔母様から、話は聞きました♪」
「そうか、なら仲間だな、ようこそ、幼い仲間よ」
「私、これでも生理がある立派な女です!」
「それはすまなかった、ようこそレディ・ベアータ」
「私、皆さまを見習って、エマ様にご奉仕する子になります、いろいろと教えてください」
皆、ベアータちゃんに好感をもったようですね。
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