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第十四章 穏やかな日々は夢幻(ゆめまぼろし)

ジョスリーヌ・サロンの申し入れ

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 プリンセス・ベーカリーもあれから金曜まで、五日間開き、平均して売り上げが1日800ランドほど……
 そして再びジョスリーヌ・サロンを開くことになりました。

 今日は2人ほど増えています。

 ジョスリーヌ様が
「今日はフルメンバーよ♪、新しいメンバーを紹介するわね♪」

「こちらの方はオリヴィエラ・ゼローラ公爵夫人、この娘はルチア、私の姪になるわ、ピネー侯爵の娘よ」

 えっ、クレマン様の娘さん?この方、30歳手前ぐらいですが、クレマン様、50歳はいっていませんよね……20歳前に?

 ジョスリーヌ・サロンのメンバーは8人、というより王家と7大貴族……

 オリエッタ王妃、ジョスリーヌ・ライネーリ辺境伯夫人、アメリータ・バッジョ侯爵夫人、サンドラ・ペドローニ侯爵夫人、ジルダ・フォンターナ銀行頭取(フォンターナ女子爵、実兄はエルミーニ公爵)、ロミーナ・テレジオ王立女学院院長(ベネット王国外務卿テレジオ侯爵の姉)、そしてオリヴィエラ・ゼローラ公爵夫人、ピネー侯爵令嬢ルチア。

 つまり、ベネット王家、ライネーリ辺境伯家、バッジョ侯爵家、ペドローニ侯爵家、エルミーニ公爵家、テレジオ侯爵家、ゼローラ公爵家、ピネー侯爵家の、婦女子親睦会がジョスリーヌ・サロンという事のようです。
 
 オリエッタ王妃が、
「エマさん、貴女の愛人にベネット王国から、バロネテス(女準男爵)を贈る事が決まったの、いろいろ事情があってね、断らないでね」
「それから、公言はしないけど、エマさんは聖女として遇することになったわ、でなければ、ここに住む説明がつかないのよね」

 聖女ね……たしかに聖女なら、ここに住む立派な理由になるわね……

 見る人がみれば、加護は見えますからね。
 たしか、聖女、幸運、エンサイクルペディア所持者、危険予知、は表示されているはずです。
 でも、まあ、加護が見える人は、この王国に何人いるのでしょうね。
 
 準男爵は世襲称号の中では最下位、貴族ではありませんので、領地の所有は関係ありません、あくまでも平民ですからね。
 一応、私の愛人が対象という事ですから、世襲称号といえどね……ただ養子をとれば、準男爵位は世襲されますが……
 フレイヤさんの養子ね……

「ディム・フレイヤにはピンツァ準男爵、ディム・クロエにはブリーニ準男爵、年金などはありませんが、1,500ランドの給料は引き続き支給することになります」

「ジュリア・ドレスラーもエマさんが手をつけたら、ディム・ジュリア・ドレスラー、こうなれば実家のトスト準男爵家との仲たがいも収まるでしょう」

「それからアーダの事だけど、エマさんの愛人になれば、奴隷から解放して、バロネテス(女準男爵)を贈る事が決まっているわよ」

 オリヴィエラ・ゼローラ公爵夫人が、
「エマさん、アーダは夫の孫娘、夫は何も云いませんが、不憫と思っていたようで、この話を聞き、非常に喜んでいます、お願いですから、この話を断らないでください」
「どのみち、アーダは解放されても修道院に入るしかありません、しかしバロネテスになれれば、我が家にも顔を出せます」

 あぁぁぁ、これはダメだ、断れない……

「今日、明日で……2人とも、必ず……」

 2人とも満面の笑みです。

 頃合いは良しと見たジョスリーヌ様が、
「皆さん、今日のブランチはフライですよ♪」

 『メンチカツ』、『コロッケ』、『チキンナゲット』のフライ盛り合わせ。
 『ミックスサラダ』、『クリームシチューのパングラタン』。

 エマさんが説明しています。
「これにはスープはついておりませんが、あちらの無料喫茶コーナーには簡単なスープも用意されています」
「セルフですが、皆様付きのメイドさんがお作りいただけるように、お願いしております」
「種類は、『オニオン コンソメスープ』、『わかめスープ』、『コーン ポタージュ』です」

 侍女さんの簡単なお食事は、今日は『ロングウインナーパン(粒マスタード)』、あと『パンの耳』もね。
「こちらは、パンの耳ですが、メイドの皆様のお土産とお考え下さい、そちらのスプレッドも、お好きなものをお持ち帰りください」

 やはりメイドさんたち、嬉しそうな顔をされました。

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