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第十二章 開店騒動
プリンセス・ベーカリーのご試食会
しおりを挟むお風呂に2時間ほど……今2時半ですよね……
やっと試食会となりました。
皆様、コーヒー紅茶を飲みながら、試食を3時間ほどしました。
「久しぶりにお腹が痛いほど食べたわ♪」
サンドラ・ペドローニ侯爵夫人が、このように云われました。
この方、40歳前とはとても思えません、スレンダーなのですよ。
「本当に、私、直ぐ太るのよ、これ、罪なパンね♪晩餐は抜きになったわ……」
貴婦人ともなると、努力されるのですね。
「感想をお聞かせいただければ……」
「値段と味を考えると、『ミニミルクパン 3個』で1ランドはお勧めね、白パンで、ほんのりミルクの味がする、毎日買いに来させるわ♪」
ご試食会での評価は、このジルダ・フォンターナさんの言葉が全てを物語っていました。
ダントツ1位は『ミニミルクパン 3個』でしたね。
でもね、残りの1ランドパンも、すごく評価が高いのですが、割れたのですね……
「エマさん、変なことを聞くけど、ジョスリーヌ・サロンで買うときは安くしてくれるのよね♪」
「お約束は守らせていただきます、ただ計算が面倒なので、1ランドパンは2個、2ランドパンは1ランドにさせてください」
「本日は初日なのでお1人当たり1ランド分、お土産に差し上げたいと思います、お好きなものを言ってください」
「2ランドパンもあるという意味ね♪全種類用意できるの?」
「用意はできますが、1ランドパン96種類、2ランドパンは32種類もあります」
「ここにいる4人に、その2ランドパンを全種類1個ずつ、呉れないかしら?」
「分かりました、ご用意させていただきます」
2ランドパン32種類セット、これを4セット用意したのですね。
勿論、初日サービスの1ランド分のパンは、この後、しっかりとお持ち帰りされました。
メイドさんたちにも、同じ分をサービスしましたね。
「そういえばパン屋さん、開店ですから、手伝いはいたほうがいいと思うわよ、ここについてきたメイドを手伝いに派遣するわ♪」
「もう知らぬ仲ではありませんが、いいのですか?」
「別に構わないわ、年季奉公ですもの喋りはしないわ」
「彼女たち、『年季奉公』なのよ、普通借金は利息があるけど、契約で自身の自由を代償に、年賦分割で元金を返済する方法があるのよ、この場合、年賦は仕事の給金で相殺、期間は最長でも20年よ」
「大体は契約主が不利なので、貴族の使用人ぐらいしかいないわね、ただ貴族は『年季奉公』を望むわ、なんといっても『拘束』魔法をかけられるからね、色々と喋られては困るでしょう?」
まあ、よほどでなければ、『年季奉公』にしないそうです、最初に対象者の債務を一括清算し、自ら債権者になり、利息をチャラにし、衣食住の面倒を見るわけですからね。
メイドさんたち、美人ですものね……
「まあ、エマさんはこのような事は好きではないみたいだけど、世の中はこういうものなのよ」
「……そう……なのでしょうね……」
「そうなのよ」
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