さえない男の、あるある異世界お取り寄せ生活

ミスター愛妻

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第十二章 開店騒動

ニヌルタの日がやってきた

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「ところで、ナブーの日(水曜日)からパン屋さんを始めるのね?屋号の『プリンセス・ベーカリー』って、王妃様が名付けたと聞きましたけど?」

「管理人のジュリアさんに、宰相様が王妃様のご意向で、屋号は『プリンセス・ベーカリー』にするようにと云われたとか」
「私は『エマのパン』にしようと、考えていたのですが……」

「私は『聖女のお勧めパン』がいいと、王妃様に申し上げたのよ♪」
 オリエッタ王妃様のセンスもなかなかと思っていたのですが、ジョスリーヌ様はさらにその上、極悪センスです!

「準備は出来ているの?」
 今日は愛の神イシュタルの日、明日開店するのですが、準備といっても机は並べているし、お釣りといってもね……端数はないし……

「大丈夫です、宣伝もしていないし、そんなにお客様も来ないでしょうから、のんびりとパン屋さんですよ♪」
「とりあえず1ランドと2ランドのパンを売るつもりです、開店記念に小さいパンを、買っていただいた方に、1つ配ろうかなと話していたのです」
「どんなパンなの?」

 ミニミルクパン30g、1袋に6個はいっていますが、その中の1つです。

「これです、食べて見られますか?」
「可愛らしい白パンね♪」

「あら、美味しいわね、売るとしたらいくらになるの?」

 1袋45円でしたから、売値は2.8倍ですので126円、1個あたりは21円、つまり30セントとなる計算です。

「そうですね……1袋6個単位なのですが、1個となると、30セントですかね」
「1袋1ランド80セントなのね……」

「ねえ、3個で1ランドで売ったらどうかしら、多分、飛ぶように売れると思うわよ♪」

 この一言で『ミニミルクパン 3個』1ランドとなりました。

 ニヌルタの日がやってきました。

 初めての『ジョスリーヌ・サロン』、ジョスリーヌ様が指定したランチは4番の『辛口チキンカツ』、6人分を用意したのですね。

 メンバーはオリエッタ王妃、ジョスリーヌ・ライネーリ辺境伯夫人、アメリータ・バッジョ侯爵夫人、サンドラ・ペドローニ侯爵夫人、ジルダ・フォンターナ銀行頭取、ロミーナ・テレジオ王立女学院院長。
 
 ジルダ・フォンターナさんは未亡人で、ベネット王国の大銀行、フォンターナ銀行の女頭取さん、フォンターナ女子爵さんでもあります、なによりお兄さんはエルミーニ公爵、フォンターナ銀行の大株主です。
 フォンターナ子爵位とは、エルミーニ公爵家の従属爵位の1つです。

 ロミーナ・テレジオさんは、独身で王立女学院院長さん、でも実弟のテレジオ侯爵はベネット王国の外務卿です、つまりテレジオ侯爵家の御令嬢となります。

 一番若いのがアメリータ・バッジョ侯爵夫人32歳、一番お歳なのがロミーナ・テレジオ王立女学院院長46歳……

 皆さん、約束通り侍女を連れておられます。

 ジュリア・ドレスラーさんと、アーダ・チェーザリさんがお出迎えとご案内。
 エマさんがランチを作り、クロエさんが厨房から配膳室までのお運び、フレイヤさんはメイドさんのテーブルへのお運び。
 
 招待客のメインテーブルに皆さんがお付きになり、それぞれの招待客のメイドさんたちが、メイドさん用のテーブルにつかれます。

「では、お食事にしましょうね」
 オリエッタ王妃様のお言葉の後、『辛口チキンカツ』と『しじみ風味の卵のお味噌汁』がそれぞれのメイドさんが、配膳室から運んでくれます。

 中ぐらいのボウルに、味付けごはん。
 中ぐらいの平皿に『辛口チキンカツ4切れ、スパゲッティ少々、ポテトサラダ少々』を盛り付けています。

 『具沢山のしじみ風味の卵のお味噌汁』300ml、具は『大根、人参、里芋、ごぼう、油揚げ』が80グラム、半熟卵1個。
 大きめの丼に入っています。

「美味しいわね、女にはちょうど良い量ね♪」
 オリエッタ王妃様、お口に合ったようですね。

「このお酒もすっきりとしてちょうどよいわね♪」
「陛下たちの呑まれるお酒は、いささか強くてね、嫌いではないけど、人前で酔う訳にはいかないですからね、女は大変なのよ」
「でも、ここなら酔っても、殿方に見られることもないわよね♪」
 皆さん、大変なのでしょうね……

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