さえない男の、あるある異世界お取り寄せ生活

第十章 隠匿の大聖女様

お夜食はピザ

「ピザなんてどうかしら」
「ピザ？」

　そういえば、カペーなどの北方地域ではないのでした。

「薄いパン生地にトマトソースを塗って、チーズや野菜、ハムとかをのせて、高温で一気に焼く食べ物」
「私が取り出せるのは、本格的なものではなくて、出来上がったものを温めるだけですけどね」

　●ブンさんの『●●マルゲリータ』と『●●４種のチーズピッツァ』、税抜４９８円の表示があり、上限ギリギリですがＯＫです♪
　『●●シチリアーナ』は上限を超えています。

　●ブンさんのお勧めにある、マルゲリータには生ハム、４種のチーズピッツァにはレーズンと１００円●ーソンの冷凍かぼちゃをトッピング……
　ルッコラが１００円では手に入りませんので、まあ、いいでしょう。
　その上で『とろけるスライス』チーズを結構な量、追加トッピング♪

　新しくオーブン機能付きになった電子レンジの力で、これを焼きましょう♪
　冷凍食品は、取り寄せ時に解凍できますし……

　１枚２０センチぐらいの大きさ、３等分に切ればいいでしょう。
　私の『調理　カット』は、こんな奇数の等分でもイメージさえすれば、綺麗に切れるのですよ♪
　何気にこれ、役に立ちそうですね……

「飲み物は何にする？ビールかしら？」
「今日は赤ワインにしませんか？」

　フレイヤさんが、珍しいことをいいます。

　前にも取り寄せた●ァミマさんの、『クルール　ド　シュッドカベルネ』税抜４６４円、ハーフボトルですが、１人に１本ね♪

　このワイン、なかなか評判が良いようです。
　バンベルク大主教様に差し出したら、かなりお気に召したようでしたから……

　私、正直あまりワインはわからないのですけど……
　前世？お酒なんて酔うために飲んでいましたからね……すさんだ生活でしたね。

　でも、クロエさんとフレイヤさん、３人でワイワイガヤガヤとするのは、とても楽しい♪

「今日はそれだけね♪ここで酔っぱらうなんて、洒落にならないでしょう♪」

　赤ワインとピザで軽い夜食なんて取ってると、ドアをノックする音が……

　はいってもらうと、メイドさんが何かを持ってこられています。

「王妃様より、化粧品が下賜されました」
　クロエさんが受け取ってくれます。

「ご配慮、ありがとうございます、王妃様にはよろしくお伝えください」
「お伝えいたします、では、これで」

「お待ちください、私ども、旅の途中で、大したものは差し上げられませんが、せめてもの気持ちです、これをどうぞ」
　『クルール　ド　シュッドカベルネ』、つまり目の前の赤ワインです。

「お友達と飲んでくださいね♪」
「お気を使わせまして、ありがたくいただきます、同室の者とナイトキャップにいたします」
　この世界でも、一応寝酒はナイトキャップというのですね。

「やれやれ、王妃様、お気を使わせたようですね」
　クロエさんが、
「でも、助かりました、お化粧品などないので、どうしようかと思っていましたから」

「私、恥ずかしいのですが、お化粧なんて詳しく知らないのよ」
「私がして差し上げます、こう見えても元王宮メイドでしたから、お任せください♪」
「フレイヤさんも、私に任せてください♪」

　そんなことが、本日最後にあり、長い長い１日が終わりました。