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第九章 激動の王都ロンバル第一日

会見

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 カルロッタさんの治療なんて終わり、お腹が減ったのですよね。
 お昼を食べていないのです。

「待たせたわね、カルロッタ、ご苦労様、後は私が相手をするわ」
「ごめんなさいね、バタバタして、お昼もまだでしたね」
 
「いまから、お昼を取ろうとしていたところです」
「お兄様との会見の手筈を整えていたの、午後5時30分にアポがとれたのよ」
「会見が終わったら夕食だけど、ちょっと予定がたてられないわよ」

 ジョスリーヌ様、直ぐに動いていただけたのですね……

「ありがとうございます、あまり時間もなさそうですから、簡単な軽食で済ませます、ジョスリーヌ様もいかがですか?」
「いただくわ♪」

「ジョスリーヌ様ですから構いませんが、携帯サンドイッチというものが取り寄せられるのです」
「ただ包装がこの世界では問題がありまして、開封して出すことになるのが面倒なのです」
「種類がすごくあり、選ぶのも大変なのですがね」

「開封しなければ、サンドイッチなのですが、常温保存が可能なのですけどね、製造から3日は持ちます、まあ、その倍は品質が変わらないですから、便利なのですよ」
「じゃあ、開封しなければいいじゃないの?」

 ?

「食品保存魔法と銘打っおけばいいのよ、包装はその魔法が包み紙にかかっているとかいってね、なら呪文がかかっているのだから、どんなに変な包装としても不思議ではないでしょう?」
「ジョスリーヌ様!さすがです!私、そこまで考えが及びませんでした!」

「とりあえず取り寄せてみますね」

 ランチ●●●より、肉厚メンチカツとベーコン入りエッグ、ハム&マヨネーズ、お1人様あたりこの2つ……
 飲み物は牛乳パックとしました。

「なるほど、確かに綺麗な包装ね……」

「軽く焼くと、また別の美味しさですよ」
 ハム&マヨネーズを1つ、トーストして、差し出しているエマさんです。

「これ、いくらで売るの?」
「売らない方向で考えていますが、売るとしたら1袋6ランドの計算になります」

「白パンよね……ミミを落としているようね……」
「ミミはラスクにして、同じようにしています」

「3日はもつのよね……いくつかいただけない?悪いようにはしないから」
「構いませんよ」

「あっ、そろそろ行かなくては……お兄様が待っているわ」
「あの……この服でよろしいのですか?」
 マルドゥク神殿の女神官の旅装のままのエマさんです。

「構わないわ、3人とも行きますよ」
「えっ、私たちもですか?」
「そうよ、旅商人の一行と王国宰相の会見ですものね」

 辺境伯家の馬車にのせられ、何処に行くかと思えば王宮です。
 カルロッタさんが、いつの間にか乗っておられます。

「ピネー侯爵様のお屋敷ではないのですか?」
「お兄様、いまは執務中なのよ」

「エマさんは、バンベルク大主教様の紹介状を持っていますからね、優先されるのは当然なのよ」
「それに教皇領発行商業許可証をもつ旅商人も、珍しいですからね」

 王宮にいくと、辺境伯家の馬車と言えど徹底的に検問され、私たち3人の身分証、教皇領発行商業許可証も調べられました。

 やっと通していただいたけど、その後、3回ぐらい調べられ、控えの間に通され……30分ほど待ちましたね。

「待たせましたな、私がクレマン・ピネーです」
「旅商人のエマと申します、宰相様の貴重なお時間を割いていただきまして、心より感謝申し上げます」
「バンベルク大主教様が、この紹介状を宰相様に差し出し、ベネット王国発行の商業許可証をいただけるように嘆願してみよと、お言葉をいただきまいりました」

 エマさん、恭しく紹介状を差し出します。

「うむ、ところでバンベルク大主教殿はお元気か?」
「最後にお会いしたときは、お元気そうに教皇猊下とお話をされておられました」

「そうですか、お元気なら何よりです」

 そんな言葉を交わしながらも、宰相様は紹介状をお読みです。

「なるほど……で、ジョスリーヌがなぜ一緒なのか?」

 ……

「マリアンヌの治療?完治したのか?」

 ……

「すこし聞くが、察しているのだな?」

 うなずくジョスリーヌ様です。

「ベネット王国の商業許可証はすぐに発行いたしましょう」
「カルロッタも久しいな、ジョスリーヌから近頃調子が悪そうと聞いていたが、顔色はよさそうだな」
「クレマン様、幸いなことに、元気になりました」

「そうか、悪いが席を外してくれないか?すこしこの旅商人殿たちに話があるのでな」

 カルロッタさんが席を外し、フレイヤさんとクロエさんも席を立とうとすると、

「貴方たちは残ってくれないか?聖女様の侍女なのだろう?」
「この書簡に書かれている、私は喋りはしない」

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