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第八章 おばさんと道連れ
ライネーリ辺境伯夫人ご用達店ということで……
しおりを挟む「ではジョスリーヌ様、私どもはこれで……」
「えっ、貴女達は食べないの?」
「私どもは、朝にこれを食べましたので、同じものというのはいささか……だから別の場所で……」
「別の物を食べるというの?」
「まあ、そうなります」
「ここで食べなさいな、どんなものか見てみたいわ♪」
「そんなには変わっていませんが……」
仕方ないので、食事を幌馬車から持ってくるパフォーマンス実行です。
女ばかりでお食事会、居心地が悪いのか、アンドレ君が、食べ終わると逃げてしまいました。
食べ方など、口うるさくジョスリーヌ様とマリアンヌさんがね、まあ、私でも逃げるでしょうね……
「まったく……ライネーリ辺境伯家の次期当主というのに……12歳になって……」
「ところでエマさん、貴女達が食べている食事はいくらなの?」
「5ランドと2セントです」
「お肉が入っているのですね」
「代わりにお汁が寂しいですよ、それに、このチキンは辛口です」
「今度出してね♪絶対よ♪」
「メインの料理だけなら、いくらになるの?」
「この『辛口チキンカツ弁当』というのですが、これだけなら4ランドぐらいですかね」
「いま私たちが食べているものはいくらになるの?」
「『ひじきご飯弁当』というのですが、3ランドですね」
「スープは豪華版が2ランド、廉価版が1ランドですか、信じられないぐらい安いわね♪」
「本来は売る気はありません、なんせ私どもは『パン屋』ですから、このあたりはお願いしますね」
「パン屋さんだったわね……ロンバルでお店をもったら、援助は惜しみなくするから……料理を特別にお願いできるかしら?」
「うーん、どうしましょう……クロイもフレイヤも、どう思う?」
「辺境伯家ご用達店ではなく、ライネーリ辺境伯夫人ご用達店ということで、店内に特別ルームを作って、そこでのみ提供されてはいかがですか?」
「ただし女性に限り、ジョスリーヌ様が秘密を守れると保証する方のみ」
フレイヤさんの提案です。
「フレイヤの提案に同意ですね、これなら可能です」
「エマ様、それに対して、もう一つお願いがあります」
「なに?」
クロエさんが、慌てて条件を追加してきました。
「営業日のランチだけとして頂ければ……3人だけですので……マルドゥク神殿警護騎士団バンベルク分団の食堂の時のようにいきません、高貴な方々を相手にするわけですよ」
「たしかにクロエの言う通りかもしれないわね、ジョスリーヌ様なら、このような形で提供も出来ますが、身分をたてに要求などされてはね……」
「それなら大丈夫よ、堅苦しい方は私も嫌いなのよ!」
エマさんが、
「営業日も毎日は避けましょう、月末以外に、シャマシュの日(日曜日)とニヌルタの日(土曜日)は休業としましょうね」
「すごく休むのね、ついでに開店時間を11時半にすればどうかしら?儲ける気もないのでしょう?」
「そうですね、朝は苦手ですから……」
「なら、そういうことでね、私のサロンとしてランチの会、楽しみにしているわ♪」
「そうそう、『女奴隷メイド』を2人ほど、私がポケットマネーで購入して、差し上げましょうか?奴隷だから守秘の拘束をかけられるから大丈夫よ」
「いえ、お気遣いなく……仲良く3人でパン屋をやるつもりですから……」
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