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第七章 国境越え
エッチな呪い
しおりを挟むどうしましょうか……まあ、後で注意ぐらいしておきますか……
「この料理、美味しいですね♪」
「姉上、たしかにこれは美味だ、おい、うちの料理人になれ!」
「アンドレ、エマさんは貴族なのよ、もう少し、言葉を選びなさい!」
「う……姉上が怒るから撤回する……」
「アンドレ様はマリアンヌ様がお好きなのですね」
「姉上は大好きだ!僕は姉上の騎士だ!」
アンドレ君、生意気だけど可愛いわね♪
胸なんて張っちゃってね♪
どうも、こんな生意気な奴、女になる前なら、こんな考えにならないはずだけど……やはり、女性ホルモンの影響……
「エマ様、この固いパンも、スープにつけて食べると美味しいですね♪」
「でしょう♪」
「お肉もソーセージも、沢山入れてありますからね♪」
マリアンヌさんが、
「エマさんは私より年上なのですね♪」
「そうなのですか?」
「その……婚約されておられたようですが……」
「向こうから破棄されました、私がお気に召さなかったのでしょう、おまけに国外追放です」
「つまらぬことを……私も13歳になり、女の印があったので……10歳の時、申し込みがあり婚約したのですが……相手があまりに女癖が悪くて……お父様がお怒りになり、破談となりました……」
「愛想が尽きていたはずなのに、いざとなると……女の体になったからか、夜毎想いおこして……だから、エマ様はどのように思われたのか、知りたくて……」
ああ……呪ったのは、その糞野郎ですね……
エマさん、マリアンヌさんの横に屈みこんで、耳元で……
「呪いがかかっています、心臓が弱っているとともに、大変申し上げにくいのですが、淫靡な状態です、心当たりがおありと思いますが?」
「私が解呪して差し上げましょうか?」
……
「もし、ご希望なら、この後お1人で私どもの馬車までお越しください」
「……あり……がとう……考えておきます……」
「さて、お代わり欲しい方は誰ですか?」
マリアンヌさん以外全員ですか……
「マリアンヌ様はいいのですか?」
「はい……」
マリアンヌさん、上の空になっていますね……
残りを分けるために、少しばかりスープを薄めて、ネットスーパーから、『カレーパウダー』を投入、少しばかりスパイシーにしています。
揚げ野菜は100円●ーソンの『揚げなす』、●ーソンさんの『フライドポテト』を追加……
「少し味を変えています、今度はスパイシーですよ♪」
アンドレ君、がっついていますが、頃合いを見て、お迎えがやってきました。
「坊ちゃま、お嬢様、そろそろご迷惑ですよ、お戻りください」
絵にかいたようなメイドさんと、護衛の方がやってこられました。
ふむ、うちのクロエさんの圧勝ですね♪
なんたって、王宮のメイドですからね、辺境伯家とは格が違いますよ♪
「じゃあ、ばいばい、また明日ね♪」
アンドレ君、最初と違いますね、虚勢だったのですね。
「ご馳走さまでした……」
姉弟が帰ったので、3人で……
「さて、ワインを開けましょうか♪」
ドライソーセージをつまみに赤ワイン……
「ところでさっき、なにを耳打ちされていたのですか?」
「実はね、マリアンヌさん、呪いがかかっていたのですよ、どうしようかと思ったのですが、マリアンヌさんが丁寧な方だったので、その旨申し上げて、解呪を希望するなら、この後、1人で来てくださいと云ったのよ」
「来ますかね……私たち、胡散臭いし、突然呪いと云われてもね……」
「まぁ、それならそれで構いませんよ、ご自分の事ですしね」
「来なければ、縁がないという事で、朝早くから出発しましょう、途中、脇道に入れば会わずに済むはずです」
「つまみが足りませんね♪固いパンが2枚残ってるのでこれを使いましょう♪」
この世界の固いパンと呼ばれるものは、私の知る限り、帝国陸軍の軍隊パンとか兵隊パンとか呼ばれていたものに似ています。
まず、歯で噛み砕こうとすると、歯のほうが割れる、そんな代物です。
女の身では、手で割ることも不可能なのです。
だから、スープなどに浸して食べるわけです。
「フレイヤ、出番ですよ、こいつを砕いてください」
フレイヤさん、『怪力』魔法を使えますので、簡単に砕いてくれました。
スキレットを取り出して、砕いたものを入れ、マヨネーズとツナ缶と塩昆布なんぞで和えています。
さらに、別のスキレットを取り出し、切り刻んだ100円●ーソンのベーコンを、オリーブオイルとガーリックパウダーでとことん炒め、砕いたものを投入。
塩コショウで味を調え、粉チーズをふって出来上がり♪
「なかなかいけるではありませんか♪」
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