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第六章 帝国領を南下
とろみもついていますよ♪
しおりを挟むオムレツを美味しく食べて……
そのですね、美味しく夜食をですね……
フレイヤさんの『健康診断』の項目には、
奉仕愛欲対象者 エマ
と、ありました……
翌朝……
「ご主人様♪」
「エマ様♪」
べたべたと、『ひっつき虫』なんてのに、なったりしている2人……
外は雨がやんで、朝日が眩しいのですが……
「とにかくテントを片付けて、出発しましょう!」
お風呂テントを収納、朝ご飯の準備をしているエマさん。
フレイヤさんが、
「ご主人様、昨日からの雨で道がぬかるんでいると思えますので、次の水飲み場へは、夜遅くになるかも知れません」
「構わないわよ、馬車が進めないなら、収納して歩きましょう」
朝ご飯?
まずスープはね、『10種具材と生姜あんの和風スープ』♪
『お取り寄せ能力』のオプションとしての、調理の力、つまり調理家電が使えるわけで、その一つ、『電子レンジ』の便利なこと……
あとは、『枝豆ごはんおむすび』、こいつもチンです!
「ジンジャーのスープは温まりますね♪とろみもついていましたし、結構な量でした」
クロエさんには、好評でしたが、フレイヤさんは物足りない顔をしています。
「フレイヤはやはりお肉が欲しそうですね♪」
「いえ、そんな事は……」
「いいのよ♪そこで『鶏の炭火焼』です♪どうぞ♪」
解凍は調理の力で問題なしです、さらに当然チンです!
今日の朝食は全部●ブンさんです。
「なんといっても、フレイヤさんには働いてもらわねばね♪」
『鶏の炭火焼』をパクつきながら、
「いくらでも働きます♪私の身体で暖めてご覧にいれます、それに、ここも『とろみもついていますし、結構な量ですから』♪」
「夜に食べさせていただきます、精がつくでしょうね♪」
「フレイヤさん!抜け駆けは駄目よ!クロエもいつも『とろみもついていますし、結構な量ですから』!」
「はいはい、2人とも可愛がってあげますよ♪」
2人の大事なところに手をなんていれて、こんなことを言っているスケベがいます。
「もう♪雨がふるではありませんか♪この後……」
クロエさんが媚びをうってくれますが、フレイアさんが、
「駄目ですよ、私は『結構な量のとろみ』を堪え忍んでのお仕事なのですから、クロエさんも堪え忍んでください!抜け駆け禁止といったのはクロエさんです!」
「そうね……」
やっと幌馬車は動き始めます。
道は泥濘みでしたが、なんとか馬車は進みます。
「後続は来ませんね……郵便馬車ぐらい、追い抜いても良さそうなのですが……」
「対向も来ません、なにかあったのですかね?」
しばらくいくと、休憩広場の手前で、帝国軍が道を封鎖していました。
「止まれ!君たちはどこから来たのか?」
「バンベルクからですが?」
「大雨で、水飲み場は鉄砲水で流された様だが、通り越えたのか?」
あっ、あの危険予知はこれを知らせていたのですか……
「昨日の午後2時前に通りました、雨が激しく降り始めましたので、とにかくいけるところまでいこうと思い、通り過ぎて、次の休憩場所で一泊しておりました」
「よい判断だったな、今朝、早馬が惨事を知らせてきた、かなり街道も埋もれたようで、バンベルクへ向かう者を止めているのだ」
一応、身分証の提示を求められました、そこに旅商人とありましたので、
「ほう、旅商人か、商業許可証などはお持ちか?」
教皇領発行商業許可証を提示、
「すごいものを持っているな、よろしい、行って良し」
この帝国軍、次の帝国領最後の町、フランに駐留する国境警備隊の皆さんでした。
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