42 / 124
第六章 帝国領を南下
オムレツ談議
しおりを挟む幌馬車に戻った3人。
お風呂で身体はポカポカ、フリースのワンピースを着込んでいます。
カセットガスストーブをつけて、馬車の中とは思えないほど快適ですね♪
といっても、幌馬車、密閉がいいわけではありません、まあ、おかげで中毒なんて気にしなくてはよいのですが、不幸中の幸いというやつですかね。
夕食は、オムレツをチョイス!
沖縄あたりでよく使われている、クッキングハッシュ、使い切りタイプが95円であるのを見つけたようなのです。
「オムレツなんて、子供のころに母親が作ってくれ、食べて以来なのよ♪」
「クッキングハッシュが安くあってね、取り寄せ出来るようなのよ♪挽肉って100円以下ではないのよね」
玉ネギ、人参を細かく切り、クッキングハッシュと一緒にスキレットで炒め、塩胡椒で味付け。
かなり大量に作っています。
別のスキレットにバターを投入、割りほぐした卵で薄焼きを作り、取り置いていた具?を3分の1いれて、くるりと……器用ですね。
エマさん、スキレットを3個しか取り寄せて居なかったので、もう一つ追加で取り寄せて居たのです。
エマさんの作ったオムレツ、帝国陸軍の軍隊調理法が元のようです。
当然といえば当然なのですが、ケチャップなんてかけてあります。
「これがエマ様のお母様の味ですか?」
「そうなるのかしらね、クロエのお母様の味はなんなの?」
「……お母様がお料理ね……食べたことがないです……食事は全部、使用人が作っていましたから……」
どんだけお嬢さまだったのですか!
良く聞くと、クロエさんのご実家は、かなり裕福な準男爵家で、代々別の王国の経済官僚……
で、お父様が権力闘争に負けた方についていたとか……
「まあ、お母様は没落する前になくなったのですが……お父様と一緒にカペーに亡命したのですが、お父様が暗殺されて……」
生活の為に、女官になったらしいのですね。
「フレイヤはどうなの?」
「私は孤児でしたので……育てられたところの食事になるでしょうか……このような豪華な料理は出ませんでしたね……」
えっ、たかがオムレツですよ?
「そうよね、エマ様とのお食事は豪華なものです、白パンなんかいつも食べられますし♪」
白パンが高価というのは理解していましたが、なんどもいいますが、たかがオムレツですよ?
「ほんと、そう思います、卵料理って滅多にありつけませんから」
どうも卵って、別にないわけではないのですよ。
卵と大きめの黒パンが同じぐらいのお値段、それぐらいならパンを買うというのが、庶民なら当然の選択というわけです。
「その上、卵ってすぐ腐りますからね……」
というわけで、卵料理なんてものは、これまた祝祭のご馳走というのが一般的らしいのですね。
でも富裕階級の食卓では、出るようですね。
「私の世界では、卵なんてもの凄くお安いですよ、お肉は安いのから高いのまで色々ですけどね」
「この世界でもお肉は色々ですよね♪お肉はどこの世界でも一緒なのですね♪」
「ところで、この卵料理、卵少ないような……」
「それね、薄焼き卵でまいているだけなの♪家は貧しくてね、卵をそんなに使えなかったのよ」
2人の為にテーブルロールなんて出していましたが、エマさんはおにぎりなんて食べています。
「パンをいつも取り寄せていただいていますが、エマ様はライスがお好きなのですね♪」
「やはり、生まれ育った処の主食ですからね、時々無性に食べたくなるのです」
「2人はパンが主食なのでしょう?」
「その……私はジャガイモばかりで……パンはご馳走で……女兵士になってから、やっとパンが食べられるように……」
「白パンは、公爵家の姫の結婚式の警備に動員されたとき、初めて口にできました」
どうやら、スコーネ公国というのは、かなり北の方にある辺境の国で、貧しいらしいのですね。
デーン王国に滅亡させられた時、領主家、スコーネ公爵家の一族は全員亡くなったようです。
「2人とも、卵は好きなの?」
「好きです!」
まったく……ハモるのですから……
「なら、別のオムレツを作りましょう♪、私も卵料理、大好きなのよ♪」
とか、いいながら、まずはプレーン・オムレツ。
さらにスパニッシュオムレツ……もう一つ、デンバーオムレツ……
一つずつ作り取り分けていました。
177
お気に入りに追加
361
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる