38 / 124
第六章 帝国領を南下
初めての売り上げ
しおりを挟む結局、身分証は雇い主であるエマさんが、預かる事になりました。
フレイヤさんの『回転車輪』魔法で、馬車はのんびりと時速5キロほどで進んでいます。
「バンベルクからベネット王国国境までは、5日と聞いていますが、フレイヤさんは土地勘はあるの?」
「奴隷商に買われたときに、この道を通りました」
「平坦な道で、治安もそんなに悪くはありません」
「次の町までは2日ほどです、途中の水飲み場で野宿になります、そこが最後の町です」
この世界、整備された街道には、古代の『駅家』みたいな物があるようです。
ルホバ村を通る道などは、勿論整備されていませんよ。
いま通っている道は、ベネット王国王都とバンベルクをつなぐ重要な街道、宗派は違いますが、ベネット王国とバンベルク大主教領はそれなりの交易をしている間柄なのです。
所々に水飲み場が整備され、その間に休憩広場があります。
まあ馬車がおける駐車場?ですかね。
「私たち、朝ご飯食べていないでしょう?急ぐわけでもないし、あそこの広場に馬車を止めて、朝ご飯をしましょうよ♪」
時間は朝の9時、4時にバンベルクを放り出された訳で、お腹も減ったのでしょうね。
「でも、あまりおおっぴらに取り寄せられるのは、いかがかとおもいますが?」
フレイヤさんが云いました。
「そうよね、堂々と使うなら、薪を使う屋外用のグリルも必要よね……」
「バンベルク大主教と教皇猊下から、『手切れ金』として10,000ランド頂いたから、薪のグリルでも取り寄せようかしらね……」
『フ●●ルドストーブ』49,500円!●イソーさんのスキレット、内径15センチの物を3個。
100円●ーソンのレシピ動画を参考にして、ボロネーゼ風のパスタ。
調理の力のグリル鍋と電子レンジを使い、ハンバーグを適当に潰して、揚げなす、ブロッコリーを入れます。
あとはこれを3つのスキレットの上に分けて、パスタを投入♪
このレシピ、検索した以上、できあがりは最高ですよ♪
パンは2個50円のバターロールとチーズパン、そしてポテサラパン。
サラダは6品目の彩りサラダ。
飲み物は、インスタントコーヒー。
テーブルは●イソーさんのアルミライトテーブル、税抜1,000円ですけどね。
チェアはアームチェア、こちらも税抜1,000円、3つね。
のんびりと朝食をとり、11時頃に出発、結局、ブランチにしたようです。
3時に目的の水飲み場に到着したのです。
水飲み場は、塀に囲まれた広場になっており、中央に井戸があります。
入口には係員が2人、ここで身分証の提示と、1人あたり、使用料として1ランドとられましたね。
「見たところ、旅の商人の様だが、ここで商売するなら、1晩10ランドだが?」
「お客がいるかしら?」
「5時ぐらいから、馬車が増えてくるぞ」
「ならお願いするわ?」
「悪いが商業許可証を見せてくれ、決まりなのでな」
「これでいいかしら」
「凄いな、教皇領発行の商業許可証か、手広くしているのだな」
「まあね」
「何を売るのか?」
「私たちパン屋なの、パンを売るわ?」
「昨日、バンベルクで焼いたのよ♪」
「貴方も買ってくれない?」
「買ってもいいが……」
「商品を見てみる?」
「出来ればな」
「持ってくるわ」
50円菓子パン16種類、惣菜パン11種類、バターロールは100円●ーソンで調達するので菓子パン15種類、惣菜パン11種類。
あと、100円●ーソンから、バターマフィン、リングドーナツ、ホットケーキ、パンケーキ、カレーパン、バターロール3個、レーズンバターロール3個の7種類。
「見たこともないパンだし……これは白パンではないか?」
「1つ2ランドだけど、貴方には1ランドにしてあげるわ」
この係員、もう1人もよんで、お1人5個も買ってくれました。
「もっと買いたいが、給料が少なくてな」
「10ランドの売り上げね♪」
187
お気に入りに追加
362
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる