さえない男の、あるある異世界お取り寄せ生活

ミスター愛妻

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第六章 帝国領を南下

初めての売り上げ

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 結局、身分証は雇い主であるエマさんが、預かる事になりました。
 フレイヤさんの『回転車輪』魔法で、馬車はのんびりと時速5キロほどで進んでいます。
 
「バンベルクからベネット王国国境までは、5日と聞いていますが、フレイヤさんは土地勘はあるの?」
「奴隷商に買われたときに、この道を通りました」
「平坦な道で、治安もそんなに悪くはありません」

「次の町までは2日ほどです、途中の水飲み場で野宿になります、そこが最後の町です」

 この世界、整備された街道には、古代の『駅家』みたいな物があるようです。
 ルホバ村を通る道などは、勿論整備されていませんよ。

 いま通っている道は、ベネット王国王都とバンベルクをつなぐ重要な街道、宗派は違いますが、ベネット王国とバンベルク大主教領はそれなりの交易をしている間柄なのです。
 所々に水飲み場が整備され、その間に休憩広場があります。
 まあ馬車がおける駐車場?ですかね。

「私たち、朝ご飯食べていないでしょう?急ぐわけでもないし、あそこの広場に馬車を止めて、朝ご飯をしましょうよ♪」
 時間は朝の9時、4時にバンベルクを放り出された訳で、お腹も減ったのでしょうね。

「でも、あまりおおっぴらに取り寄せられるのは、いかがかとおもいますが?」
 フレイヤさんが云いました。

「そうよね、堂々と使うなら、薪を使う屋外用のグリルも必要よね……」
「バンベルク大主教と教皇猊下から、『手切れ金』として10,000ランド頂いたから、薪のグリルでも取り寄せようかしらね……」

 『フ●●ルドストーブ』49,500円!●イソーさんのスキレット、内径15センチの物を3個。

 100円●ーソンのレシピ動画を参考にして、ボロネーゼ風のパスタ。
 調理の力のグリル鍋と電子レンジを使い、ハンバーグを適当に潰して、揚げなす、ブロッコリーを入れます。
 あとはこれを3つのスキレットの上に分けて、パスタを投入♪

 このレシピ、検索した以上、できあがりは最高ですよ♪

 パンは2個50円のバターロールとチーズパン、そしてポテサラパン。
 サラダは6品目の彩りサラダ。
 飲み物は、インスタントコーヒー。

 テーブルは●イソーさんのアルミライトテーブル、税抜1,000円ですけどね。
 チェアはアームチェア、こちらも税抜1,000円、3つね。

 のんびりと朝食をとり、11時頃に出発、結局、ブランチにしたようです。
 3時に目的の水飲み場に到着したのです。

 水飲み場は、塀に囲まれた広場になっており、中央に井戸があります。
 入口には係員が2人、ここで身分証の提示と、1人あたり、使用料として1ランドとられましたね。
  
「見たところ、旅の商人の様だが、ここで商売するなら、1晩10ランドだが?」
「お客がいるかしら?」

「5時ぐらいから、馬車が増えてくるぞ」
「ならお願いするわ?」
「悪いが商業許可証を見せてくれ、決まりなのでな」
「これでいいかしら」

「凄いな、教皇領発行の商業許可証か、手広くしているのだな」
「まあね」
「何を売るのか?」
「私たちパン屋なの、パンを売るわ?」

「昨日、バンベルクで焼いたのよ♪」
「貴方も買ってくれない?」

「買ってもいいが……」
「商品を見てみる?」
「出来ればな」

「持ってくるわ」

 50円菓子パン16種類、惣菜パン11種類、バターロールは100円●ーソンで調達するので菓子パン15種類、惣菜パン11種類。

 あと、100円●ーソンから、バターマフィン、リングドーナツ、ホットケーキ、パンケーキ、カレーパン、バターロール3個、レーズンバターロール3個の7種類。

「見たこともないパンだし……これは白パンではないか?」
「1つ2ランドだけど、貴方には1ランドにしてあげるわ」

 この係員、もう1人もよんで、お1人5個も買ってくれました。

「もっと買いたいが、給料が少なくてな」

「10ランドの売り上げね♪」
 
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