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第二章 森を抜けました♪

スカウトされました

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 翌日、いささか2日酔いのエマさん。
 クロエさんが、
「昨晩の料理は美味しかったですね♪エマ様、元男と聞きましたが、あんなにお料理が上手なんて、ちょっと凹みました♪」

「私ね、『女の嗜み』なら、調べれば身につく、そのような神様のご加護を頂いているのよ」
「昨日は『コンソメスープ』のレシピを調べて、そのうちの1つを作ったの、本当はブロッコリーも入れる事になっていたけど、お高くて手に入らなかったのよね」
「それでカリフラワーですか、十分ですよ♪」

 村には宿屋はなく、皆さんは野営していたのですが、2人は牧師館の1室を提供されていたのです。
 ジュリアさんの、心づくしの朝食をいただき、ルホバ村を後にしたのは、朝の9時。
 昼前にはバウナハにつくようです。

「大主教様、私どもは荷車でも構いませんが?」
 バウナハの警備兵の隊長さんは、早朝、夜明け前にバウナハに1度戻り、さらに10人ほど引き連れて、囚人護送車と共にとんぼ返りで戻ってきているのです。
 その時、マルドゥク神殿警護騎士団からの要請で、荷馬車も1台、持ってこられているのです。

 囚人用の水とか食料とか、最低限のものは与えなくてはなりませんのでね……町に戻ったら、黒幕が誰か、拷問でもするようです。
 マルドゥク神殿警護騎士団の方々、メンツ丸つぶれですから、なんとしても口を割らせるつもりのようです、そのためここで死んで貰っては困る……

 本当は誰が黒幕かわかるのですけどね……お仕事の邪魔はね……
 ただ警護している隊長さんに、耳打ちをね、神様の啓示とか言って……

「いえいえ、か弱い女性を荷車などにはのせられませんよ、荷馬車の件、後で知りましてな、婦人用の馬車も持ってくるように頼んでいたらと、申し訳ありませんな」
「そんな、お気になされないでください、私たち、下女なんですから」

「話は変わりますが、エマさんは、料理上手ですな、あのスープ、大変美味しい物でした」
「クロエさんがおっしゃっておられましたが、カペーの宮廷料理なみとか、納得の味でしたよ、警護の兵士たちも大変喜んでいました」

「どうですかな、お2人とも、バンベルクのマルドゥク神殿警護騎士団の食堂に勤めませんか?」
「こう言ってはなんですが、『聖女』様の、身の安全を考えると、周りがマルドゥク神殿警護騎士団というのは、好ましいかと考えます」
「あの者たちも喜ぶでしょうし、私もエマ様の手料理を食べられますから」

 スカウト話は、バンベルクにつくまでにお返事することにしました。
 クロエさんと、よく相談しましょう。
 
 バウナハの町につきました。

 バウナハの主教館はかなりのお屋敷、本当はここにお泊りの予定でしたが、かなりお高そうな宿屋に宿泊、町には戒厳令を布告、しばらくすると、バウナハ主教様が逮捕されて、大騒動なのです。
 町に入ると、マルドゥク神殿警護騎士団がすぐに例の囚人を拷問、口を割らせて、その結果、主教館を強制捜索、証拠を見つけたわけです。

「隊長からの報告で、エマ様に神の啓示かあったとか?」
「出過ぎたことを」

「いえ、知らせを受けたので、直ぐに戒厳令を布告、主教館も封鎖、囚人に口を割らせて、主教館を強制捜索、証拠を発見しバウナハ主教逮捕、証拠隠滅、逃亡の暇を与えなかったのが良かった、といっていましたよ」
 
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