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第二章 森を抜けました♪
主教様は大主教様でした
しおりを挟む面倒なことですね……でも、危険予知が何も言わないし……素直に従いますか。
「クロエさん、主教様にご挨拶いたしましょう」
「よろしい、あの馬車までいけ」
馬車は2台、その前の馬車を指し示すのです。
馬車まで行き、扉を叩きます。
「主教様、お呼びと伺いました」
「ご苦労様、2人ともお入りなさい」
「クロエさんとエマさんかな?」
「はい」
「私はリンダッハ主教、このたびバンベルク大主教となるものです」
「それはおめでとうございます、神の祝福のあらんことを」
「ありがとう」
そういうと、一緒にのっていた従者らしき方に、
「君、すまないが、このお嬢さん方の身の上をお聞きしたいので、席を外していただけないか?」
「大主教様のお心のままに」
といって、後ろの馬車に移られました。
「さて、クロエさんは元カペー王国王妃付き女官、エマさんは元カペー王国マルタン侯爵家養女、元カペー王国王太子婚約者で間違いありませんか?」
やはりステータスを見られたのですね。
「ステータスには間違いは表示されません」
「そうでしたね、何故とは聞きません、カペーの王太子の評判は、このゴトーネース帝国にも聞こえております」
「しかし、若い女性の身で『還らずの森』踏破されるとは、驚きました」
「神様のお導きでなんとか抜けられました」
「そうでしょうな、エマ様は『聖女』様ですから」
!
「これでも、私は大主教ですから、神聖魔法と加護の項目は見えるのです」
「そうですか、それで私になにか御用でしょうか」
「エマ様はどこにいかれるのですかな」
「王国を追放されて、なんとか『還らずの森』を抜けたところですので、取りあえず近くのルホバ村まで行き、今後の事を考えようかと……」
「今のところは、お店でも出して、2人でのんびりと過ごそうかと話していたところです」
「お働きになられるのですか?」
「人は働く物と心がけております」
「なるほど……ところで私は今からバンベルクに行くのですが、ご一緒にいかがですか?」
バンベルク?
検索すると、ゴトーネース帝国東部の大都市ですね……この大主教様のお膝元ですか……どうしたものか……
「エマ様、とにかくの大主教様のお誘いです……私たち、今のところ行く当てはないのですから……」
「そうですね、クロエさんが云われるとおりですね、大主教様、ご迷惑でなければお願い出来ますか?」
「ありがとう、お嬢さん方、お2人は元カペー王国の女官さんと、侯爵家養女、追放された亡命希望者、このあたりで話しを通しておきましょう」
「一応不法入国ですから、そのままゴトーネース帝国をウロウロしていると捕まりますからね」
なるほど……神様の加護ですね……
「今日はルホバ村で休憩し、そのまま次のバウナハの主教館に泊まります、そこで婦人用の馬車を頼みますから、今日はこの年寄りと同席していただきましょう」
ルホバ村には、牧師さんがおられ、その挨拶を受けるということのようですね。
でもね……久しぶりに警告があったのです。
「大主教様、神様の加護の1つ、危険予知が警告を出しているのですが?」
「どんな物か分りますか?」
現地情報について、いまのっている馬車、及びその一行について、
≪危険な状態となっている、ルホバ村は敵対勢力に占領されており、バンベルク大主教殺害を計画している、その余波で検索者にも危険が及ぶ可能性がある≫
「大主教様を亡き者にするため、敵対勢力がルホバ村を占領しています」
バンベルク大主教様、すぐにお付きの従者様を呼び、神のお言葉があった、として、そのまま伝えたのですね。
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