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第六十七章 聖女様、いよいよご婚約
幼い帝国の女御さん
しおりを挟む翌朝、
「今日のおやつの時間は、皆のビスケットケーキね♪千代子様たちも、今から実科高女に行ってね、朝ごはんはパンと牛乳で済ませましょう」
実科高等女学校の方も、今日は朝から学校へ……朝ごはんは、パンの切れ端のフレンチトースト……
あと某最大手スーパーの牛乳、125mlもありますが、200mlのほうです。
……こんな時の為に、簡単なご飯を取り寄せられるようにした方が……
……100円以下のリストをもっと充実しませんとね……
皆さん、いそいそと帰ってこられ、1時半には全員そろったのです。
そこへお母様が可愛らしい女の子を引き連れて、やってこられたのです。
「3時のおやつには早いと思ったのですけど、全員そろっているのね♪」
「紹介するわ、こちらは日野顕子さん、そしてこちらは葛城双葉さん、2人とも九歳よ」
「帝国の未来の『女御』なのよ、日野侯爵も葛城伯爵も承知よ♪もうすぐ二人の夫人も来られるわよ♪」
「あの……顕子さんも双葉さんも九歳と云われましたが……いささか、閨は早いのでは……最低でも十歳でなければ……無理する理由はないかと思われますが……なにかあるのなら別かもしれませんが……」
ここで、葛城双葉さんが、
「雪乃王女殿下、父は帝国貴族、貴族たるもの、帝室の命に従うのは当然です、そして私は帝国貴族の娘、伴侶はお父様の勧める方なのは、当然ではないでしょうか?」
……あぁ……九歳の娘さんが大人のような物言い……帝国貴族の娘って、恋とか愛とか、関係ないの?まことに教育とは恐ろしい……
「私は『女の印』はまだですが、それでもお望みでしたら、この身をいつでも閨にお呼びいただいても構いません!」
……なにか、眩暈がしてきました……
さらに、日野顕子さんが……
「私も『女の印』はまだですが、学校で閨のことは詳しく学んでおります、双葉お姉様のおっしゃったとおり、私も帝国貴族の娘、お父様の勧める方を伴侶にするのは当然です」
……いけない、頭痛もしてきた……
「まあ、確かにまだ早いわ、だから週末、土曜の午後から一泊、日曜の昼までの行儀見習いという事でね、十歳になればここから『華族高女附属小』に通学してもらうわ」
「雪乃、ここで逃げたら2人の人生は台無しよ、もう周りは、2人の伴侶は雪乃と認めているのよ、出戻りがどんな扱いになるかは承知よね」
「帝国の『女御』という以上、世間が納得する人選でなければならないと云う訳よ」
「ご両家の躾は申し分なし、そして間違いなしに美人になるでしょう、2人のお母さま、とても綺麗ですからね」
「まあ、確かに強引なのは認めるけど、王国から、帝国が女御を出せないのなら、王国が出してもよい、と申し入れてきてね、さすがにそれは困るとなったのよ」
「分かりましたが、土曜日というのは、殿下が来られる確率が高いですが……」
「云われればそうね……木曜の午後から夕食後といたしましょう、両家が迎えの馬車を用意するように言っておくわ♪」
「それからね、アレクサンドル王妃とも相談してね、聖女に女を貢ぐことが、世界の崩壊を止めることになると、意見が一致したのよ」
「神様の話は王国の上層部には開示してあるわ」
「知っている?近頃、帝国も王国も寒冷地化の進行が緩やかなのよ♪男女の出生率も昔のように女性が5割5分に戻りつつあるのよ♪」
普通は49対51で男が多いのでしょうが、元からこの世界、女性が5割5分だったのですか……
共和国は反対に砂漠化が進行しており、さらに女性が6割2分に近くなりつつあるようです……
「『聖女青鞜局』と『王国青鞜局』が、詳細に検討した結果、妙に両国の気候変動は、両国の愛人の数に連動している……もうこれは、神様が望まれていると考えるしかないわね」
「雪乃の愛人はどんどん増える、それを遮るのは神様のお怒りを買う……」
「神様も雪乃が、持てあますことになったら、止むかもしれないけど……」
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