老後のおかしなおかしな女学生生活 転生二年目

ミスター愛妻

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第六十二章 年始は帝国で慰問に精を出す 後編

イチゴ大福餅

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 食事が終わってから、お餅つき……去年の経験者がいますので、順調ですよ♪
 去年もそうでしたが、『帝室聖女御用邸』ではお餅は丸餅です。

 大量のお餅がつき終わり、最後に雪乃さんが、『イチゴ大福餅』なんてものを作っています。
 100個ほども作ったのです、このあたりはいつも作り過ぎる雪乃さん、限度知らずな所があります。

 イチゴは『冷凍ストロベリー アメリカ産』というもの、453gで税込1,000円というものを取り寄せたようです。
 取り寄せ時には解凍できますからね。

 ウェブにレシピがのっており、雪乃さん、完璧に作り上げたのです。

「あの……これはなんという物なのでしょうか?」
「『イチゴ大福餅』です!」

 この後、丁寧に説明している雪乃さん、

「初めて知りました……」

「食べてみて♪美味しい物よ♪」

 これも好評ですよ、特に王国の方がね♪

「餡子の甘さのおかげで、ベリーが美味しい♪」

 帝国の方はお餅が柔らかいのに驚いていました。
 雪乃さんが参照したレシピは、『固くならない』と枕詞がありましたからね。

「このお餅、持ちが悪いのが難点ですね……」
 八重様が残念そうに言うのですよ。

「千代子さんにも、食べさせてあげたかったわ」
「いつでも取り寄せられますよ♪」
「お正月が終わったら、一度、皆で作りましょう♪」

 お餅でなく白玉粉あたりなら、いつでも作れますからね♪

 1人3個ほど食べたようですが、半分以上残った『イチゴ大福餅』……

「困ったわね……イチゴの持ちが悪いし……メイドさんに差し入れといっても、数が足りないし……」

 愛様が、
「あの……本日も『姫宮図書本館』が開いています、『撫子ミルクホール』も開いております」
「今年最後なのですが、そこで出せればと……」
「なるほど……なら無料で配りましょう♪全部で58個残っていますからね」

 青鞜会の図書館、もうすぐ正式名称が、『青鞜会 聖女岩倉姫宮記念婦人図書館 帝国本館』と名前が変わるのでしたね……
 そのため、『青鞜会 聖女岩倉姫宮記念婦人図書館 帝国本館倶楽部 撫子ミルクホール』とかに名称変更……長すぎではと思いましたが、結局、『姫宮図書本館』、『撫子ミルクホール』、と一般に呼ばれるようになっています。

 王国にある方は、『王国青鞜会 聖女岩倉姫宮記念婦人図書館 王国本館』、『王国青鞜会 聖女岩倉姫宮記念婦人図書館 王国本館倶楽部 エウローペー・ミルクホール』。
 『姫宮図書分館』、『エウローペー・ミルクホール』、となっているようです。

「そういえば、図書どうなっているのかしら?」
「凄い勢いで、帝国内で出版された本が増えています、完成したばかりなのに、もう手狭になりそうです、青鞜会本部に改修して、もっと大きな図書館にすべきと思われます」
「まあ、どちらにしろ司書が足りませんので、整理分類ができない状況です」

「隣の女高師の学生さんが、よく使われておられますね」

 あの辺り、青鞜会関連の施設が集まっているうえに、帝国の女子高等師範学校関係の施設も集中しており、本当に若い女性の街です。

 まあね宮殿近くの、このあたりも女性の街ではあります。
 帝国一女を中心に、『帝室聖女御用邸』があり、宮殿の女官さんたちもウロウロされています。
 もうすぐ、『青鞜会実科高等女学校(三部制)』が、『帝室聖女御用邸』の近く、といっても隣ではありませんが、移転してきます。

 牧野姉妹が、58個の『イチゴ大福餅』をもって、『撫子ミルクホール』に運ぼうとされていますので、
「私も同行しましょうか?」
 と声をかけると、
「雪乃様はごゆっくりなされてください」
 とか云われました。

 ここから、目的の『女高師前』電停まで、約30分ほど……

 牧野姉妹は夕食まで戻らなかったのですよ。

 やっと戻られたと思ったら、

「雪乃様、あっという間に、女学生さんの口に収まりました」
「それから、あの近くに帝国女子体育専門学校が移転してくるそうです」
「帝国女子体専ですか……健康的ですね……」

「帝国政府が経営を引き取るそうですよ」
「国立になるの?」
「そうらしいですね」
「なぜ?」

「女子武術専攻を新設、卒業生を聖女女子警備隊に入隊させるようです」

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