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第六十章 年末は王国で慰問に忙しく 後編

帰りの列車に乗り込んできたのは?

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 翌朝、メアリー王女様が訪ねて来られました、マリア様とダイアナ様もご一緒です。

「あら、見送りに来て下さったの?」 
「雪乃さん、何も言わずにこの3通の『奉公契約書』を受け取ってくれないかしら」

 えっ?

 ふと見るとメアリー様の横に、金髪で絵に描いたようなツインの縦ロール……お胸もビッグサイズ……な方と、幼い双子らしき方がおられます。
 特に金髪縦ロールの方は記憶にあります。

「アナベル・ポッターでございます、父より雪乃様にお仕えするように云われております」
 アナベル・ポッターさんは芳紀十八歳、超セクシーなお嬢様……

「アナベラさん、ここで覚悟を述べてくれないかしら」

「雪乃様、私は雪乃様の『奴隷』として、お仕えいたします、他の愛人様たちとは必ず仲良くいたします、閨を争うことは致しませんし、お心寄せられておられる帝国の皇太子殿下に対しても、心を込めてお仕えいたします」
「どうか、このアナベラを雪乃様の奴隷にしてくださいませんか?」

 幼い双子らしき方はなんと十歳、本来なら十一歳にならなければ『奉公契約書』は無効なのですが、『王国義務教育学力を有するという証明』を持っているようなのです。
 相当賢い娘さんで、『王国義務教育学力検定試験』に合格したとか……

 ポピーさんとリリーさん、姓はバベッジと云われます。 

 王国へ亡命してきた、共和国の元老会議のメンバー、7卿と呼ばれるうちの1人、バベッジ卿の娘さんたちです。
 権力争いに敗北し、家族と一緒に王国へ亡命されたのですが、2月前に一家惨殺されたのです。

 共和国の暗殺者の仕業で、犯人は先ごろ捕まりました。
 この2人はたまたま王立パブリックスクールの合宿に参加していて、難を逃れたようです。

 その後、バベッジ卿が膨大な負債を背負っていたことが判明、2人の上に負債がのしかかってきましたが、国王陛下が憐れんで負債を完済、安全の為、ハレム内で生活させていたわけです。
 やっと犯人が捕まり、王妃様の配慮で、昨日の晩さん会に招待されたわけです。

「この子たち、お父様の御恩に報いたいなんて云ってね、王国の為に、雪乃さんに奉仕すると云って聞かないのよ、これについては雪乃さんにも責任があるはずよ」
「聖女岩倉姫宮雪乃王女付巫女、青鞜会『八乙女(やおとめ)』あたりにしてくれると助かるわ」

「昨晩、お母様が皇后陛下に電話を掛けられ、この件、了承されたわ、妹たちも説得しておいたわ、だからお願い、特にアナベラさんの事は、王国内の政治的な理由なのよ」

「つかぬことをお聞きしますが、なにか取引なんてあったり?」
「帝国の『王女御』を認める……とりあえず1人は名前も挙がったようね、私は聞かせてもらえなかったけど」

「帝国の『王女御』を認めるということは、どなたかを陛下の養女にして?」
「多分そうね、結婚は『直系血族又は3親等内の傍系血族』以外、4親等という事ですから、皇太子殿下の従姉妹あたりではないかしら」 

「それと『王女御』と『女御』の合計について、帝国王国、常に同数を維持するということね」
「帝都に帰ったら、大変よ、いま王国の『王女御』+『女御』はアナベルさんを入れて4名でしょう、帝国は1人でしょう?あと3名、覚悟しておいた方がいいわよ」

「それからね、帝国の『王女御』については反対が多くてね、その懸念をお母様が伝えたら、皇后陛下が青鞜会の名称を譲歩されたのよ、4月1日付けで『青鞜会』から『恩賜』の名称を外すそうよ」
「『恩賜』とついていると、王国から見ると、帝国の下部組織に見えるのよね♪」

 翌日、王国組を残して、臨時の『上り特別聖女御用列車』は午後1時、帝都へ向け出発しました。
 王国中央駅ではお見送りの方たちが一杯おられます。

 帰りの列車に乗ったのは雪乃さんを含めて15名。
 特別車には雪乃さんのほか、アナベル・ポッター、牧野愛、牧野和。

 1等寝台車には、田中清子、内藤八重、香原良子、楢原冨士子、御堂舞子、御堂春江、春野加代、ローラ、カトリーナ、ポピー・バベッジ、リリー・バベッジの11名……
 1等座席車は全席空席、2等座席車は帝国陸軍兵士の方々13名。

 帰りの車中、アナベラさんを抱いて、十歳の双子を抱いて……
 どうもロリータを抱くと、神様がお喜びになられます。
 
 ご褒美として、個包装のものなら1ケあたり単価として、取り寄せが認められました。
 
 仲良しになったバベッジ姉妹と御堂姉妹は、幼いというのにかなりきわどい話題を話していました。
 御堂姉妹、お姉ちゃんぶりを発揮しているようですね。

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