老後のおかしなおかしな女学生生活 転生二年目

ミスター愛妻

文字の大きさ
上 下
92 / 167
第五十二章 青鞜の商品

宿題は検閲されるのよ!

しおりを挟む

 夏休みも終わり、今日は二学期初めて登校しますと……クラスメートの幾人かが、『婚約』したようで、『婚約の儀』について、盛り上がっています。

 つまり、『許嫁のナニにご挨拶』の話を堂々としているのです……
 思わず聞き耳なんて立てている雪乃さんです。
 
「●◇様、お尻は差し上げたのですか?」
「はい♪『ご挨拶』の後、望まれましたので♪」

 所変わればですが、なにかおかしいこの会話……

「うらやましいですわ♪お相手って××財閥のご一族の方でしょう?」
「ええ、まあ……」

 なんて言いながら、エンゲージリングをさりげなく、見せているのですよ……
 それなりのダイヤモンドがキラキラと……高そうですね。

「挙式は来年になるの、それで皆様と机を並べるのは、今年限りとなるのは、少し寂しいわ」
「じゃあ、高等小学校卒業資格でご結婚なのですね」
「そうなるわ♪私、そんなに綺麗でもないし、『卒業面』になりそうで、内心ビクビクしていたのよ♪正直、ホットしたわ♪」

 この方、それなりに美しいのにね、『卒業面』って、そんなに気になるのかしら?
 雪乃さん、そんなことを思っていると、

「雪乃様はいいですわね♪皇太子殿下と『お付き合い中』とか、世間ではもっぱらの噂ですわ」
 突然、話をふられたのです。

「お聞きした話では、皇太子殿下が頻繁に『帝室聖女御用邸』に寄られるとか、『通い婚』と云われてますよ」
「でも、お相手が雪乃様ですから、そりゃあ皇太子殿下もご熱心に寄られると思いますよ」

「ご婚約は確定していると、●●新聞に書かれていましたが、本当なのですか?」
「貴女、雪乃様がお困りになるようなことを聞いてはいけないわ」
「そうよ、互いに思っていても、時期があるのよ、皇太子殿下と聖女殿下のご婚約なのよ」
「雲の上の方々は大変ですね、『結婚しよう』、『はい』とはいかないようですね」

 そこで、始業のベルがなりました、新学期の初めの始業式です。
 生徒が着席すると、職員が着席、礼をして、ここで国歌斉唱……

「皆さん、今日から二学期、夏休みに婚約などされた方も幾人かおられますが、『浮かれた気持ち』は捨てて下さい!」
 校長先生の長々とした『講話』を拝聴し、校歌を唱和して始業式は終わり、引き続き教室に戻り、そのままホームルームです。

「皆さまにお知らせがありますが、本クラスの春野加代さんが、夏休み中にご家庭の事情で退学なされました」
「では、宿題を提出していただきます」

 宿題ってのは、第一高女が監修して作らせた、『夏季休暇学習日記』と銘打ったノートのようなものです。
 一日一ページ、復習問題が書かれており、下にその日の天候と三行ほどの簡単な日記の欄があります。

 ただね……簡単な日記といってもね……
 『王国、国王陛下と会見』とか、『帝国皇太子殿下と会食』とか……非常にまずい気がしますので、真希子様にお伺いすると……
 日記欄は全て黒塗り、その横に『記載不可、聖女青鞜局』という、ハンコが押されてしまいました。
 このハンコも急遽作ったようですよ。

 ちなみにダイアナ様は『記載不可、王国青鞜局』いう、ハンコが押されてしまいました。
 シンディー様と、真希子様が協議して決めたようです。

 『帝室聖女御用邸』の女で、学校に通うものは、全員この検閲を受けさせられました。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

一宿一飯の恩義

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 妹のアイミが、一人暮らしの兄の家に泊まりに来た。コンサートで近くを訪れたため、ホテル代わりに利用しようということだった。 兄は条件を付けて、アイミを泊めることにした。 その夜、条件であることを理由に、兄はアイミを抱く。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...