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第五十章 お帰りですよ
乗り込んで来た女
しおりを挟むなんか色々ありましたが、とうとう王都を後にする日です。
帰りもほぼ同じで、王都を午後の3時に出発、翌日の午前11時に帝都の中央駅に到着……
ただね、車両が増結されていました。
荷物車8900形、一二等寝台車5480形と二等寝台車5110形……機関車も一両増えており、三重連だそうです。
どうやら増結車両で編成し、王都へ臨時に走らせたようです。
今回はお役人は乗車されておりません。
一二等寝台車5480形は一等寝台定員16人、に帝室のメイドさんたちが、お役人の替わりだそうで、かなりのキャリアウーマンさんです。
二等寝台定員8人分はこの方たちの、荷物置き場となっています。
二等寝台車5110形には帝国の警備部隊が寝台定員分、24人名乗車されておられます。
元からの一等車は両国警備部隊の荷物と打ち合わせ用。
王国の警備部隊は二等車。
食堂車は閉鎖、私たちの打ち合わせ用と荷物置き場。
そして郵便手荷物車は王国からのいろいろな荷物用です。
寝台は最初から設定してあり、車掌さんは乗っておられません。
何かのために、何人かの鉄道連隊の兵隊さんも乗っているようですね。
夜の七時に例の国境の駅に到着、両国の警備部隊が詰めて厳戒態勢……
ここで夜のお弁当と翌朝の朝食、菓子パンを積み込みます。
ラムネや乾パンなども積み込んでいるようです。
ここで王国の警備部隊はお役御免となり、空いた二等車が、ここで積み込む荷物の置き場になるようです。
乗り込んでいる帝国の警備部隊って、憲兵さんなのですよ。
なんか機関車にも憲兵さんが乗っているとか……
とにかく厳重な警備、窓もブラインドを下ろして欲しいとの通達なのですね。
皇太子殿下が行きのテロの話しを聞き、激怒したとかで、厳命を受けたそうなのですね。
うふふ♪殿下は私のことが大事なのね♪ルンルンルン♪
スキップしそうな雪乃さん……
「お見送りも、警備上の問題とかで式典もなしです、寂しいですね……」
「ダイアナ様、また今度がありますよ、これから毎年、少なくとも夏休みには、今回と同様な王国旅行らしいですから」
「帝室のメイドさんの引率の方がおこしです」
あれ、この方、確か皇太后陛下の女官さん……
文子様がペコペコしていますね♪頭が上がらないのですか……うふ、弱点みっけ♪
「お久しぶりです、明日の昼までご一緒させていただきます」
「事務処理は全て終わっておりますので、ご安心下さい」
「事務手続きなどで殿方はいっさい入ってこられません」
展望車の前には郵便手荷物車が連結されており、こちらに向かって車掌室がついています。
ここに警備兵が着剣して、こちらを向いて警備しているのですね……
展望室の中は見えませんよ♪カーテンしていますからね♪
そんな警戒厳重な『聖女御用列車』に乗り込んで来た女がいます。
マリア王国第五王女殿下……
「雪乃様♪妹同様、愛していただくためにご同行させていただきますね♪」
「早く帝国の皇后陛下にご挨拶をして、正式に雪乃様の『女奴隷』となり、この身を雪乃様の色に染めて頂ければと願っております♪」
マリア王女様って、どこかメアリー王女様に似ていて、凜としたところがあるのですが、『ヤンデレ』なのでは?
ダイアナ様並といえば失礼ですが、美少女ですよ♪
まず綺麗な青い瞳、真っ白なお肌、そしてゴージャスなブロンドの髪、くびれたウエストに、豊満なバスト、スラッとした足……
画に描いたような英国美人……
ショートの髪が、なおさらに凜とした雰囲気を漂わせてるのです。
ダイアナ様より、さらにゴージャスなスタイルをお持ちで……
でも、二人が並ぶと、姉妹というのは分りますね……
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