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第四十九章 続・王国ティーパーティー三昧
王妃主催のアフタヌーンティー
しおりを挟むランチは本当に軽い物でした。
サンドイッチとトマトスープ……
王国のお昼はかなり軽い物とは聞いていましたが、王家でもこのあたりのようです。
まあ、王家であればこそ、質素なのでしょうね。
でも、ティーパーティーばかりしているのですから、軽い物にしなくてはね……
いろいろなお客様を招待し、お話を聞くのもお仕事の一つですからね、王家も大変そうですね。
「なんか、ご飯が食べたいわ♪」
「雪乃様、ここは王国宮殿ですよ、帝国料理など、急に云っても無理というものですよ♪」
文子様がたしなめていますが……
「まさか、ここで取り寄せしないでしょうね!」
「えっ、いけないの?おにぎりぐらい……」
「駄目です!人の目があります!」
取りあえずですね、ワンピースドレスを着替えて……朝とおなじ服装では駄目だそうなのですね。
さすが、王妃様主催のアフタヌーンティーに出席するための服、カジュアルとなっていますが、上品きわまりない服が用意されていました。
カーディガンとかもですよ♪とても高そうで、帝国の威信をかけているようです。
私、ダイアナ様、文子様、洋子様の四人が出席するのです。
メアリー王女様もご出席、殿方はいっさいシャットアウトの上に、女性の王族は全員ご出席とか……
王国の女官さん達が、お化粧道具を抱えてやってこられました。
髪型を整えてくれ、念入りにお化粧してもらい……
どうも、このような事は苦手なのですが、我慢です。
王国の有力貴族のご婦人方、ご息女たちのそろい踏みです。
もちろん、公爵令嬢クラリッサ・ブレアムさんもおられます。
準備万端、そして午後三時……案内されて席に着きます。
今回は、テーブルごとに座るようになっているとか?
六人掛けとの事です。
私、ダイアナ様、王妃様、メアリー様、クラリッサ・ブレアムさん、アンジュー辺境伯夫人……
もう、間違い無しのお見合いですよ!
このテーブルセッティング、異例だそうですね……
本来ならば、このような少人数制などあり得ないとか……
見事な銀のティーセット、ぴかぴかに磨き抜かれています。
皆さん、席にお着きで、私とダイアナ様が席に着くと軽く会釈してくれます。
最後に王妃様がやってこられて、着席されると自然にアフタヌーンティーが始まるのです。
「雪乃聖女様ですか?王国王妃アレクサンドラです、ダイアナを大事にしてくださっているとか、ありがとうございます」
えらく下手に出て下さる王妃様……
……この方、お母様クラスのおばさま……とても叶わないわ……お母様とは毛色が違うけど……
「王妃様、雪乃とお呼びください」
「ダイアナ様とは仲良くさせていただいています、私は大好きです♪」
「あら、雪乃様ったら、皆さんの前でおっしゃるなんて♪」
ダイアナ様が嬉しそうに頬を赤く染めています。
「あらまあ、堂々とお惚気なのね♪あの皇后様が我が娘にして可愛がる訳ね♪」
「でも、いまなら分るわ♪帝室には女の子がいなかったのよね、だからね、娘が出来て嬉しかったのでしょうね♪」
「『王国青鞜局』から雪乃さんの現状を聞いたのだけど、これから大変よ」
「このまま行くと有史以来の女性資産家になるそうね♪すこし同情するわ」
「お母様、クラリッサさんをご紹介したいのですが?」
アレクサンドラ王妃はメアリー様の実母でしたね……
「そうでしたね、ここでは取り繕うこともありません」
「雪乃さん、クラリッサさんを『女御』にしてくれてありがとう、ダイアナ同様、大事にしてあげてね」
「お母様のアンジュー辺境伯夫人にも、来ていただいているのよ」
「始めてお目にかかります、帝国の岩倉姫宮雪乃です」
「クラリッサさん、貴女の一生を政治的な事に巻き込んで申し訳ありません」
「しかし必ず私は貴女を大事にいたします」
「お母様のアンジュー辺境伯夫人様、かくなる上は娘さんの一生をお預かりする以上、幸せにして見せます」
クラリッサさんが、
「ふつつかですが、雪乃様に精一杯お仕えいたします、宜しくお願いします」
「ダイアナ様、どうか仲良くしてください」
ダイアナ様が、
「皆さん、良い人ばかりです、安心してくださいね、ただ雪乃様は少々お転婆さんなのですよ♪」
ウインクしながら、こんなことをいうのですよ。
アンジュー辺境伯夫人も、
「娘をどうか宜しくお願いします、出来ましたら、娘はまだ幼く、年に一回ぐらいは、私どもに顔を見せに戻らせていただけけばと……」
「里帰りになんの制限もありません、安心してください!」
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