上 下
51 / 167
第四十四章 王国旅行へのお誘い

外出はお控え下さい

しおりを挟む

「雪乃様……お買い物の話なのですが……『聖女青鞜局』が……その……『外出はお控え下さい』との返事なのですが……」
「えっ!じゃあ、旅行の用意はどうするの?」
「『聖女青鞜局』が用意するとのことです」
「個人的なお土産があるのに……」

「雪乃様、なら、私が雪乃様の分まで買ってきましょう」
 ダイアナ様が、さもありなんと、提案して下さりましたが……

「ダイアナ様、『王女御殿下』も『聖女王女殿下』と同様、『外出はお控え下さい』との事です」
「私も?どうして?」

「王国政府が、ダイアナ第六王女殿下の里帰りを発表したようなのです」
「聖女岩倉姫宮雪乃王女殿下がご同行と、併せて発表されており、詳細に雪乃様の来歴などが公表されています」

「そのため、帝都にある王国の新聞支局には、急遽、記者が増員されており、鵜の目鷹の目でお二人にインタビューをしようと、見張っているようなのです」

「もちろん、中にはゴシップ記者など、イエローペーパーの関係者も混じっているうえ、虚無主義者や共和国の破壊工作員などのテロもありうると、特高あたりから警告が来ているようなのです」
「そんな……」

「ダイアナ様、お土産はあきらめましょう」
「そうですね……」

 文子様達がお買い物に出ようとすると……記者さんたちに取り囲まれて、前の憲兵分署から慌てて憲兵さんが出てくることに……
 皇太子殿下が激怒なされて、全員拘束するという騒動になったのです。

 で、文子様以下、王国から招待された女は全員、『外出はお控え下さい』となったのです。

 帝国政府は、王国政府のこのフライング発表に、厳重な抗議を申し入れたとか聞きました。

 さて、帝国政府と王国政府の交渉の結果、出発は二週間後、移動を除いた四泊五日は王国の計画通りですが、宿泊場所は初日と二日目は王国の迎賓館、三日目と四日日は帝国大使館内の貴賓館……

 初日の夜は国王陛下主催の歓迎晩さん会、二日目は王妃主催のアフタヌーンティー……この時は、私とダイアナ様だけが出席するようです。
 本当はメアリー王女主催でしたが、王妃主催に変わってしまって……

 国王陛下を呼ぶバーベキューパーティーは三日目の帝国大使館の貴賓館、そしてダイアナ様のお友達を招待するアフタヌーンティーは四日日……
 その間に、山ほど視察などがありますし、ダイアナ様と並んでの記者会見も一回予定されています。
 
 王国旅行中は、どこでも『外出はお控え下さい』……らしくて、ほっとする間もありません。
 どこかで、ピアノリサイタルなんかも入れるとか……

 旅行日程を説明され、溜息が出ました。

 とにかくですね、国家間の贈答品は帝国政府が用意するようで、国王陛下を呼ぶバーベキューパーティー、及びダイアナ様のお友達を招待するアフタヌーンティーの個人的な贈答品は私とダイアナ様が用意することになりました。
 
 そうそう、『王国カフェ』が私の王国訪問を記念して、『聖女殿下奨学金』なるものを創設するとか……毎年、五名程度の女学生に、学費と生活費を全額支援するというものです……

 奨学生寮、『ホワイトスノー女子寮』を用意……その最初の奨学生と初日にオールデイブレックファスト……

 王都の駅に午前11時につき、そのままステーションホテルの貴賓室で休憩、11時30分から『王国カフェ』が主催の昼食会、ランチではなく、オールデイブレックファストと聞いています。

 王国の朝食は美味しいと聞いていますのでね……
 でもね、オールデイブレックファストって『一日中食べられる朝食』っていう意味で、一日中あるモーニング・サービスよね……そもそもサンドイッチの事では……

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...