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第四十一章 『おりひめ』は『ひこぼし』のもの?なのですね♪
プリンの贈り物
しおりを挟む四種類のプリンがそれぞれの前に並んでいます。
「こちらはプリンアラモードというもので、カスタードプリンをフルーツなどで飾りつけしたものです♪」
日本で初めてプリンアラモードを提供した、ホテルニューグランドのものを参考にしたようですね。
「アイスクリームとフルーツ、それに生クリーム……綺麗ね♪」
「そうね♪じゃあ早速頂くわ♪」
お母様、どうもこの家でお食べになるときは、すこし雰囲気が柔らかいですね♪
「美味しいわ、これはカスタードプリンではないのね♪柔らかいわ♪」
「おばあ様はブリュレの方がお好きなのですか?」
「どちらも好きよ♪」
「こちらのものはボネというプリンで、ココア風味です、上に乗っているのはビスケットになります」
「アマレットというアーモンドの香りのリキュールと、エスプレッソコーヒーが入っています」
「私はこちらの方が、より口に合うわ♪誤解しないでね♪『より』口に合うという意味よ♪」
「甘い中にほろ苦さがあって、最高よ♪」
武子様ですね、いつも無口なのですがね……良かった♪
「後の二つなのですが、少し大きく作ってしまって……どちらかにした方がいいかもしれません、なにせこの二つはパンが材料ですから……」
「両方食べたいわ♪でも確かに量が多いわ♪私なんて、4等分を一つずつが精一杯よ、持って帰れないかしら♪」
お母様のご希望ですね♪
「では四等分にして一つずつ、ホールは一つずつお持ち帰りでは?」
「いいの♪」
「もちろんです」
皆さんもお母様が、こういう以上ね……
必要量は全部で17カット、四で割ると4とあまり1ですから、ホールは五個……
サマープディングとバナナズ・フォスター・ブレッドプディングを四等分にして、二つに仕切られたプレートに飾り付けて提供した雪乃さん。
このあたりの盛り付けは、本当に上手な雪乃さんです。
「本当に美味しそうね、なんというか、美的感覚が半端ないわね♪」
褒めながら、いそいそとお食べになっているのはおばあ様。
「これは美味しいけど、お腹が膨らむわよ……」
武子様ですね。
「ねえ、どのくらい余っているの?」
「皆様のお土産の分を含めて25個ずつです」
「そう……皇后様、このホール、少々小さくて良いのなら、多分6カットは出来るでしょう、20個なら120個、もう一つありますので240個……いかがでしょう、宮殿の女官たちに配っては?」
「たしかに、女官達も喜ぶとは思うけど、足りないわよ……」
「そうですね……籤というのも気の毒ですし……」
「お母様、今からでは手作りプリンは無理ですが、既製品ならすぐに食べられる物が取り寄せられます、一つ一つ包装されており、紙スプーンも附属しておりますので、いかがでしょうか?」
「本当に用意出来るの?」
「女官さんは何名おられますか?」
お母様、すぐに直属の『女官局』電話をかけられました。
「ねえ、今宮殿の女官は何名居るの?いえね、雪乃が手作りのお菓子を作っているのだけど、240名分なら、少し小さいので良ければ確保出来るのよ、でも足りないでしょう?」
「なんとか算段しようと、皇太后様と武子さん、そして雪乃で思案しているのよ」
宮殿で働く女官さんは現在定員割れで、367名とのことでした。
「この際、薄くなりますが、十等分にされてはいかがですか?それだけでは寂しいでしょうが、400個は確保出来ましょう?」
たしかに10カットなら、可能ですが……テイクアウト容器を探さなくては……あっ良いのがありますね……
横置きにして、ホイップ生クリームとなにかベリーとか、バナナとか添えれば……いけそうですね♪
「10カットにして、フルーツとクリームを添えれば、見栄えも良さそうです♪」
10カットって難しいのですが、そこは女子力MAXの雪乃さん、難なく、10カット、400個のプディングに切り分け、容器に入れ、簡単ですが飾り付け……
「お母様たちは、こちらでお茶でも……」
言いかけた雪乃さんを遮って、
「私たちも手伝うわよ♪女ですもの、箱詰め位は出来ますよ」
で、二種類のカ●テラプリンというものを、200個ずつ取り寄せ、これ常温でOKの代物で取り寄せられたのです。
「箱に隙間が空いていますね……」
ネットスーパーを探した雪乃さん、某菓子メーカーのプリンアラモードを見つけ、これも400個、取り寄せたのです。
残りの切り分けは千代子様たち四人に任せ、お母様たちが、それを容器に入れ、私が飾り付け……
出来たものと二種類のカ●テラプリンとプリンアラモードを、残りの皆で別のケーキボックスに入れる……
ドンドンと出来、お母様が呼びつけた女官さんたちが、宮殿へ運んでいます。
このお運び役は、女官さん達の管理職あたりのようですね。
皆で頑張ったのですが、終わったのが6時前……
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