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第四十章 お手つき巫女が増えてしまうの?

お手つき巫女は八乙女(やおとめ)ですね

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「昨日の件、助かった、流出寸前のところであった」
 お父様、頭を下げています。

「ところで御堂家はどうなるのですか?」
「陸軍の機密を表ざたにはできないのでな、財閥本社を家宅捜査、それなりの粗を探し出した」

「御堂財閥一族は国家に対し重大な背信行為があり、その上収賄など多くの不祥事あり、解体も検討するも帝国臣民に与える影響を考え、御堂財閥は国有化とする」

「御堂銀行を除く後の関連企業は、傍系一族が希望するなら相応の対価を国庫に収めることを条件に下げ渡す」
「御堂一族で、関係した者は終身刑とする」
「朝の宰相召集の緊急閣議で決まった」

「その……私が保護している二人についてですが……どのように、なるのでしょうか?」
「相当の対価を支払うために、御堂前党首の二人の娘は年季奉公となる」
「御堂次期当主からの願いで、第一奉公先として、青鞜会を望んでいるらしい、この場合、永年奉公人になるということは、次期当主は了承済みである」

「今のところこのあたりとなろう……あとは『聖女青鞜局』と皇后が話を煮詰めている……」

 お父様との会見の後、今度はお母様に呼ばれました。

「ありがとう、危機一髪だったと聞いたわ」
「ところで、御堂の娘さんの件なのだけど、やはり青鞜会の永年奉公人になってもらうことになるわ」
「もし、妹の体を治すのなら、二人一緒に永久奉公人としてお手付きの『巫女』を覚悟していただくことになる、これが『聖女青鞜局』の見解よ」

「それから『聖女青鞜局』の提案なのだけど、妹の御堂舞子は十歳、でもこのままでは華族高女の付属小学校は退学となる」
「青鞜会の永年奉公人としては、無関係の尋常小学校への転入は避けたい、といって青鞜会の孤児院付属の尋常小学校への転入も同じ理由で避けたい」

「今後、このような事が多々起こると思われる、事実、生理が始まった女児の、補助職員見習いにはなれないのか、という意見が多数『聖女青鞜局』に寄せられているらしい」
「そこで、いっそのこと、『恩賜青鞜会女官実科高等女学校』の付属尋常女子小学校の設立、または『恩賜青鞜会高等女子小学校』の尋常高等小学校化を考慮しては、という提案があったのよ」

「それは……」
「でね、皇太后様と私と武子さんとで、すこし思案してね、武子様がいい提案をされたのよ」
「これ以上、学校を増やすのは、青鞜会としては渋るだろうから、いっそ、高等小学校に予科を設けてはとおっしゃるのよ」
「中学には予科があり、尋常小学校の四年からの編入があるでしょう?これを無理矢理高等小学校にあてはめても、おかしくはない……」
「生理は早くて十歳ぐらい、青鞜会としては、最低、女の体になった者を採用対象にする……通る話でしょう?」

「高等小学校予科ですか……でも、この予科に通うものは青鞜会の幹部候補生となるのですよね……」
「最終的に、私が抱くことになるのでは……それはできれば避けたいのですか……」

「武子さんも、そこのところを懸念してね……それならと、皇太后様が案を出されたわ」
「おばあ様が?」
「『巫女』は今のところ、『斎女(さいのめ)』と一般『巫女』の二階級でしょう、お手付き『巫女』の階級を真ん中に作るのよ、このお手付き『巫女』を中級幹部職員とする」

「一般『巫女』は清いままで青鞜会の幹部職員、高等小学校予科出身でもここまで……」
「あとはご本人の努力と覚悟次第、と云う訳よ♪」

「なるほど、いい案と思います♪このごろ、悋気が怖くなってきましたから、助かります♪」
「あら♪嫉妬深い女もいるようね♪大変ね♪そんなのでは、後宮の主にはなれないわよ♪」

「できますれば、お教えいただければと」
「なにか嬉しいわね、私が雪乃に教えることがあるなんて、娘に教える母親の気分よね♪」
「いいわよ、ノウハウを教えてあげるわ♪雪乃は私の娘であり、息子の嫁ですものね♪」
 
「それから、牧野愛から例のピアニスト、『田中清子』の『巫女』について、『聖女青鞜局』も同意したわ」
「ただ、青鞜会の幹部職員として、お手付きの『巫女』が望ましいと意見がついているのよ」

「こちらも、お手付きの『巫女』ですか……」
「そうなるわよ、『斎女(さいのめ)』にすると、将来は皇太子の愛人、閨に侍るわけですから、『聖女青鞜局』も出来るだけ避けたいようよ」
「皇太后様の案は、『聖女青鞜局』から見ても大歓迎の案でしょうね♪」

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