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第三十九章 女難は尽きないのかしら
ピアノ独奏会
しおりを挟む小百合さんが、
「先ほど担任の先生が来て、雪乃様にピアノを弾いてくれないか、聞いてきて欲しいといわれたのですが、どうされますか?」
小百合さんに言われると、断れないですね。
「良いですよ、ピアノの場所に案内してくだされば、いつでも弾きますよ♪」
「先生に、そのようにいってきます♪」
「やれやれ、やはり弾くことになるのですね……」
「いいではありませんか、私たちも雪乃様の演奏会、楽しみですわ♪」
華族高女には、音楽ホールなんてものがあるのですよ……
それほど大きくはありませんが、100席ほどの小ホールですが、女学校には贅沢な施設ですね……
グランドピアノが設置してあり、座席も並べてあります。
イスはその都度並べるようですね。
私がピアノを弾くのは想定済みだったということは……お母さま……なにが『ストレスたまっていない?』ですか!
私がピアノの前で、ポロンポロンしていると、
「『聖女岩倉姫宮雪乃王女殿下』がご来校されました、十一時より、本校音楽ホールで、ピアノの演奏会をなされます。」
そっけない案内がかかりました。
70名ほど、集まってくださいましたが、なぜか、女学生さんは半分ぐらい……
殿方もほとんどおられませんし……
まあね、この華族高女の『春のバザー』って、殿方は生徒の親族関係まで、一般の殿方は入れません。
そもそも、華族高女の『春のバザー』って、華族の子息の花嫁を物色するために、開かれるイベント、ほとんど売約済みの私に、興味など持たれないですから……
では、女学生以外の、この女性たちは誰なの?
「雪乃王女殿下、皇后陛下より、ピアノの演奏会をお開きになるとお聞きして、今日は帝都音楽学校のピアノ・オルガン専攻の生徒で聞きに来ました、よろしくお願いします♪」
そういうことですか……お母さま、帝都音楽学校のピアニストの熱心さに、一肌脱いだ、と云う訳ですか……
帝都音楽学校の要望を受け入れて、ピアノなんて弾いたら、今後、断れなくなりますからね。
華族高女の『春のバザー』でのピアノ演奏会なら、女学生の発表会……まして愛人の予定の、小百合さんからの頼みで弾いたことになりますから、私的な話の上での演奏会……
このあたりが、理由でしょうね。
色々弾いてあげたいけど、バロックあたりの曲にしないと……
ヴィヴァルディの四季を全楽章
ヘンデルのメサイア~ハレルヤ
ヘンデルの調子のよい鍛冶屋
バッハのトッカータとフーガ ニ短調
バッハの小フーガト短調
最後に、おもちゃの交響曲の第1楽章……
この曲、エトムント・アンゲラーさんの作曲と分かったのは1992年代……長らく別の方の作品といわれていましたね。
でもこの方、1794年に亡くなられているので、時代考証不可にはならなかったのです。
神話に埋もれた作曲家として、演奏可能となっていました♪
最後にね、拍手をいただき、アンコールとなったのです。
陸軍分列行進曲でも、弾きましょうか、私、一応陸軍病院の名誉院長でもありますし……この曲なら怒られそうもないはずです。
えっ、まだアンコールなの?困ったわね……
オクラホマ ミキサー なら、構わないでしょう、女学生がフォークダンスで踊っていましたからね。
結構受けますね♪
あれ、また拍手が……これで最後にしてほしいわ♪
ノリのいい曲にしましょうね♪
ゴールデン・スリッパーズの原曲『OH, DEM GOLDEN SLIPPERS』
ブルーグラス風で楽しい曲ですからね♪
1879年にアフリカ系アメリカ人のジェームズ・A・ブランドによって書かれた曲ですからね、なんとかお許しいただけそうです♪
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