老後のおかしなおかしな女学生生活 転生二年目

第三十九章 女難は尽きないのかしら

神様は不可とおっしゃっています

　翌日、朝早くから『帝室聖女御用邸』はバタバタしています。
　お弁当を作るのですが、ミンチカツとコロッケ、そして突然、雪乃さんがハンバーグを取り寄せて、おかずに追加したのです。
　このハンバーグ、幸いに湯煎で良い物ですから、問題は無いのですが……

　おかずが、ハンバーグとミンチカツ、そしてコロッケが二個……
　３００円の副菜をつけて……私は『さばのみりん焼き』をチョイス……さすがにお肉がらみの人はいませんね。
　これ、殿方のお酒のつまみにいいような……

　野菜がたりないのに気がつきました！
　仕方無いので、野菜チップを一袋、つけておきます。
　じゃがいも・かぼちゃ・にんじん・ビーツ・オクラ……
　五種類のノンフライ・ノンオイル、３００グラム相当のものが、３０グラムになっています。

　ご飯は炊けていますが、千代子様たちが、おにぎりにしているのです……

　でも、かなり沢山ご飯を炊いた物ですから……残りを焼きおにぎりにすることに……
　フライパンで簡単に作る方を検索、それを伝授しました。
　
「これ、どうしましょう？」

　千代子様たちが握ったおにぎりは一人あたり３個、１５人分を作りましたので４５個。
　焼きおにぎりを１つ、追加して一人あたり４個……

「かなり残ったけど、朝ご飯は焼きおにぎりにしましょう♪」
「残りも何かに包んで、念のために持って行きましょう♪」　

　おにぎり騒動などで、九時までお弁当にかかり切りになったのです。

「いけない！近衛が来るまで一時間しか無いわ！皆さん大丈夫？」
「十分でしょう？服は制服でいいし、お化粧も厚くしないし……」

　そうでした、服は学校に通う人は制服、そのほかの方は青鞜会の制服です。
　
　美人が着ると、この青鞜会の制服、似合うのですよ……

　正直、この制服は夏服、インターネットで、半袖の青いワンピスのナース服のデザインを拝借したものです。
　冬服は日赤の物ですけど……

　合成繊維は欲しいのですが……この世界、石油の使用は厳禁、というか認知されていないというか……石油化学工業とか『解析』すると、『解析不可』とでるのです。
　『時代考証不一致』とかではないのですよ……
　それでも、たとえばバッハなどは神話として伝承しており、存在は知られており、バッハの曲は使えるのです。
　バッハさんはどんな人かは、『解析』出来ないのですけどね……一応は知っていますが……

　しかし石油化学工業とかは、『解析不可』の上に世界に影も形もないのです……
　合成繊維どころか合成ゴムもありません。
　石炭までが、許される範囲なのですね……しかし、石炭化学というか……石炭液化は許されないでしょう……

　蒸気自動車なら……と、考えたりしたのですが、当然【利用不可】となったのです。
　とにかく、交通は蒸気機関車まで、車は【利用不可】なのです。

　明治には、乗合自動車があったのですが、この世界には乗合馬車しかありません。

　脱線しましたね。
　神様がいけないとおっしゃっている以上、絶対に手を出してはいけません！

　十時になりました。
　きっちりと近衛連隊の兵隊さんが来られ、玄関までお弁当を取りに来ていただきました。
　お陰で三十分で華族高女につきましたよ。

　取り立ててお出迎えもないようです♪良かったわ♪
　近衛の兵隊さんの護衛ぐらい、良くある話しなのでしょうね。

「雪乃様！」
　神津小百合さんが走ってきましたね。
　尋常小学六年生、ほんと、可愛いのですよ♪

　身長は確か１５３センチだったはず……まだ胸は小さいですよね……
　毎週、お触りしているのが私なのですが……この間、こんなことを言われたのですよ。

「もっと大きくしてください！」

　誰から聞いたのか、使用頻度が高いと、大きく育つ……
　誰のガセネタですか！