老後のおかしなおかしな女学生生活 転生二年目

ミスター愛妻

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第三十九章 女難は尽きないのかしら

せいせいしたらステーキを♪

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 このピアノの話、後があったのですね……
 
 そもそも、なぜ宮廷の大ホールが歓待の場になっていたか?
 勿論、私のピアノ演奏で共和国使節の要求を、うやむやにしてしまう為ですが、万一、私が拒絶することも考慮されており、ピアノ奏者も待機していたようです。

 その方は帝国でも有名な新進気鋭の女流ピアニストで、雪乃さんの『ヴィヴァルディの四季』を聴いていたわけです。
 帝都音楽学校の助教として、ピアノを教えている方です。

 その後、帝都音楽学校から、雪乃さんの模範演奏のお願いがあったのです……

「いかん!警備の問題だ!聖女を帝都の中といえ、ウロウロさせるわけにはいかない!」
「共和国の連中が逆恨みして、『帝室聖女御用邸』の前を監視しているのだぞ!悪くすればテロもあり得るのだぞ!」

 どうも、『帝室聖女御用邸』の前に、共和国大使館に出入りしている、無頼漢がたむろしているようなのですね。

 『帝室聖女御用邸』の前でウロウロする不審者は、片端から憲兵さんが、目の前の憲兵分署に引っ張っているようですよ……

 私もあれ以来外出禁止、『帝室聖女御用邸』の隣の帝国第一高女への通学と、宮殿へ行けるだけとなりました。

 一応、学校との塀の通りぎりぎりのところに小さい裏門が出来、守衛さんがこの裏門に常駐しており、まあ安全は確保されているらしいのですね。
 宮殿へは、ハレムというか女官の居住地域に隣接しており、時々お母様やおばあ様はここを通ってくるわけで、もともと安全なのです。

 でも、これは超不便、なんとかしなくてはね……
 そこで殿下が日曜日に、お昼を食べにこられたときに訴えたわけです。

「殿下、この厳重な警備を何とかなりませんか?」
「だめ!雪乃さんに何かあっては取り返しがつかない!だめです!」

「共和国のスパイ組織のメンバーと居所が分かれば良いのですよね……内緒ですがね、神様にお聞きしたのですが……これです……」
 一枚の紙をそっと渡した雪乃さんです。

「啓示があったのですか……」
 黙って頷く雪乃さん。
 本当は、『解析』で調べたようなのですが、まあね、絶対内緒なのです。

「なので、本当に出所は内緒でお願いしますね……」
「わかった、雪乃さんに不埒なことをしようとしている、馬鹿者どもに鉄槌を喰らわせてやる!」
「私も腹が立って煮えくりかえっていたのだ!」

 殿下、ご飯も食べずにどこかへ行かれたのです……

 次の日曜日には、この厳重な警備も普通に戻り、共和国の大使は変わりました。
 なにが起こったのかは知りませんよ♪

 殿下がこられたので、盛大に歓待したのです♪

 殿下はお肉がお好き♪
 だから、ステーキをまず焼きます♪
 殿下の目の前でフライパンで焼いたのですよ♪

 ヒレとサーロインです♪
 お肉は鹿児島の黒牛♪さすがにお高いです♪
 正直、こんなに高いお肉なんて、見たこともないのですが、そこは神様の女子力MAX、難なく扱えるのです♪

「殿下、お口に合いますか?」
「美味い♪塩だけというのがいいな♪肉のうまみが引き立つな♪」
「わさび醤油も美味しいかと思いますよ♪」

 殿下が美味しそうにお食べになっている間に、皆さんにドンドン焼いています。
 
 最後に私ですが……なんか口がね……こっそりハンバーグなんてのを……
 湯煎すれば良いだけの奴ですが、ハンバーグにしては破格に高いのですよ。

「雪乃様、なぜステーキにされないのですか?」
「それがね……どうもステーキは食べ慣れなくて……抵抗するのですよ、このハンバーグでも私には精一杯なのですよ」
「でも美味しい♪」

 笑われましたね……良いじゃないの!私はまだ十四歳、お子様と云えばお子様なのですから?多分ね。

「ガーリックライスでもいかが?」
「あっ、雪乃様、話題を変えた♪」
 
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