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第二章 マーガレットの物語 プリンセスのスカウト

マーブルヒルの日々 其の一

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 次の日、マーブル・ヒル・ハウス内の生活、しきたりを色々とメイブに教わったアシュレイ。
 結構ハードワークな日々を、過ごすことになります。

 メイブと一緒の時は、本当に雑用が多いのです。
 皿洗いなどは簡単なほうで、ブラックウィドゥ・スチーム・モービル社の手伝いに、動員されることも。
 計算などもそれなりに出来るアシュレイは、勤務時間の集計などもさせられたのです。

「電卓、貸してあげようか?」
「電卓って何ですか?」
「簡単な計算機よ」
 アシュレイは初めて、電卓などというものを知りました。

 マーブル・ヒル・ハウス内では、このようなものが沢山見受けられます。
 メイブはレディス・カレッジの優秀生、何かの折、ご褒美でいただいたとのことでした。

 このとき、ブラックウィドゥ・スチーム・モービル社から、仕事の手間賃など貰い、マッケンジーさんに差し出そうとすると、貰っておきなさいといわれたのです。
 
 とにかく今までの生活では、考えられないことばかり、中でも驚いたことは、入浴と食事でした。

 マーブル・ヒル・ハウスの食事は朝昼晩で、庶民の料理が中心、結構な量がでます。
 食材がよいのか、とても美味しいのです。
 その上、備蓄食料というものがあり、毎月、賞味期限寸前のものを、均等に分けてくれるのです。

 見たこともないものが多く、乾パンやソーセージ缶が入った、戦闘糧食という戦闘団の食料などもありました。
 その中でも、某社のシュガーコーティングの粒チョコレートは大変な人気で、皆これが配られると、喜んだりします。

 これらの備蓄食料は、賞味期限ぎりぎりではありますが、保存期間の一割は大丈夫との説明なので、両親に持ち帰るものもいるのです。

 さらに備蓄食料ではないのですが、『ロシアティーの日』があり、このときロシアの焼き菓子が、大量にだされます。
 なんでもロシア皇帝からの贈り物とかで、毎月貨車ぐらいの木箱で、最高級のロシア菓子が送られてくるのです。

 アリアンロッド宛ですが、これを各コロニーに均等に分けているのです。
 当初は12フィートぐらいの木箱でしたが、好評なのを聞いたロシア皇帝が、31フィートの木箱としてくれたのです。

 さらにはお風呂です。
 信じられないことに、入浴は大風呂です。
 なんでもアリアンロッド様が、大きなお風呂がお好きで、マーブル・ヒル・ハウスもこれに習うことになっているのです。

 当初、恥ずかしくて、モジモジしていたアシュレイですが、今では慣れたようで、平然と裸になってはいっています。

 この浴室内は建前は無礼講ですが、やはりそれなりに上位者には軽く挨拶などはします。
 別にしなかったとしても、とやかくいう女はいません。
 不思議なことに、マーブル・ヒル・ハウスの女は告げ口とか、陰湿な行為はしないのです。

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