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第二章 休日は楽しいはず
宇賀一族は私の物よ
しおりを挟む明日の夜は美子姉様と茜姉様、そして宇賀様と稲田先生の四人で、宇賀一族と対立していた者たちに対して、話を付けに行く事になっています。
スピンクスさんもお供する事になっています。
翌日、クリームヒルトたちのマンションに、新しい宇賀一族五人も集合しました。
「クリームヒルト、皆の面倒を見ていてね、ヴァランティーヌも、お姉さんの云う事をよく聞くのよ」
「じゃあ、チョット行ってくるわ」
八人は転移して行きました。
勿論、敵対する者たちの、指導者のいる場所へ。
「ねえ、私は宇賀一族を奴隷にしたの、奴隷たちの主として警告しておくわ、チョッカイを出さないように」
「宇賀一族は、もうこの世界には関わらないと誓わせるから、どう?このあたりで手打ちとしませんか?」
「ほぉ、ならぬのですか、けつの穴の小さい狐さんですね、スピンクス、四五名、やっちゃいなさい、面倒ですから、跡形もなく消しなさい」
「ところで、指導者がいなくなったけど、私は誰と話をするの、そこの貴方、最上位なのでしょう、手打ちする、それとも戦争する?」
「そう、ありがとう、では後のことは、いままで通りにしていて下さいね、私たちは何もしないから……」
八人は八時過ぎに帰って来ました。
「これでいいでしょう、向こうが盟約を破れば、いなくなるだけですから、もう面倒事はしんどいのでね」
美子姉様が何事もないようにいいますと、茜姉様が「お腹が減ったわ」と返しました。
「妹たちもいるし……外食も難しい……仕方ない、ピザでも取りますか……」
「皆、悪いけど晩御飯、ピザにしてくれる?」
「ピザ!ピザ!」
「スピンクスも食べるの?」
「ピザは好物です」
「貴方、ご飯は食べないとか、いっていませんでしたか?」
「さて、記憶にございませんが?」
「調子がいいですね」
「これはたくさん入りそうですね……私が電話しましょう」
美子姉様が、電話をかけています。
「もしもし、宅配をお願いします……全部の種類、そうそう……Mサイズで……30種類……構いませんよ……シーザーサラダは10個、ライスバーガーも10個、えっ2種類ある……じゃあ5個ずつ、フライドポテトとオニオンリングも5個ずつ、あと缶コーヒーとジンジャードリンクを10本ずつ……ほかに何かある?」
「グラタンピザ……3個ぐらい頼みます、そうそう、えっチーズ、コクのある方です、生地、厚い方ですよ……2時間かかる?馬鹿言わないで、30分で持ってきて下さい!」
「難しい……必死で作って40分……仕方ないわね……餓死しそうなので、時間厳守でお願いしますよ、30分以内になんて、能書きを書いているのですから……パンフに嘘はダメですよ、遅れたら本社にねじ込んであげますから、ではお願いします」
無茶を押し通している美子姉様、お腹が減ると、少々ガラが悪くなるのです。
宇賀様たちが呆れ返っています。
「あの……誰が今のを食べるのですか?」
「ここにいる皆の晩御飯……ちょっとテラスで月でも見ながら食べましょう、ピザでも食べれば、何か作る元気も出るでしょうから」
二回戦をする気の、美子姉様です。
その後、膨大な量のピザはあっさりとなくなり、さらにもっと膨大な量の晩御飯を、食べるはめになったのでした。
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