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第五章 カーンティの物語 いらない娘の帰省
たびたびご機嫌伺に
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期限内にフント租界にもどり、ラージマータとカマラさんにご挨拶なんて……
「ご両親のお墓には参れましたか?」
「おかげさまで心置きなく別れを言ってきました」
「そちらは?」
「姪のカンガナです、売られそうでしたので、私が買いました」
「そう……ところで、マハラバードへ戻るの?」
「はい」
「姪御さんをつれて?」
「そのことについて、お願いがあるのですが……」
「わかりました」
「まだなにも……」
「姪御さんのことは私に任せなさい」
カマラさんはそういうと、
「カンガナさんといったわね、お願いがあるのだけど、聞いてくれるかしら?」
カンガナさん、カーンティさんを見ています、そしてカーンティさんが頷くと、
「私でできる事なら……」
「賢い子ね、お願いというのは、ここにいる母のメイドとして働いてくれない?ララさんという方がおられるけど、もう一人、雇いたかったのよ」
「お願いします!私は料理も裁縫も半人前ですが、一生懸命に働きます!」
結局、ララさんの叔母も、カーンティの姪も、カマラさんのご厄介になったわけですが、カーンティはこの後、たびたびラージマータにご機嫌伺にやってくるようになりました。
内心はラージマータを母のように、カマラさんを姉のように慕っているのです。
そして姪のカンガナさんは妹のように……
「カンガナ!ラージマータ様にご迷惑をかけてないでしょうね!ララ様のお言いつけを守っているでしょうね!」
それはガミガミと注意するようになりました。
「大丈夫です!」
「そお、それならお菓子を買ってきたの♪仕事が終わったら食べましょうね♪」
クッキーのようですね。
「あら、私にはないの?」
「ラージマータ様とララ様には、こちらをお持ちしました」
豪華な高級菓子、バームクーヘンのようです。
「そんなに気を使わなくてもいいのよ、ではね、そちらのクッキーとこのバウムクーヘンで、お茶にしましょうね」
ラージマータがそのようにいいますと、ララさんの叔母さんが、
「私がお茶でも入れましょう」
といって台所へ……
「カンガナ!お手伝いをしなさい!」
「そうね、わかったわ!」
でも、そのあと、仲良くお茶などした五人……いや、六人になったのです。
カマラさんがフルーツ・ケーキをもってやってきたからです。
結構和気あいあいと、お茶をしていた六人でした。
そうそう、 カンガナもなんとか采女になり、そののちに格子にまでなりました。
FIN
「ご両親のお墓には参れましたか?」
「おかげさまで心置きなく別れを言ってきました」
「そちらは?」
「姪のカンガナです、売られそうでしたので、私が買いました」
「そう……ところで、マハラバードへ戻るの?」
「はい」
「姪御さんをつれて?」
「そのことについて、お願いがあるのですが……」
「わかりました」
「まだなにも……」
「姪御さんのことは私に任せなさい」
カマラさんはそういうと、
「カンガナさんといったわね、お願いがあるのだけど、聞いてくれるかしら?」
カンガナさん、カーンティさんを見ています、そしてカーンティさんが頷くと、
「私でできる事なら……」
「賢い子ね、お願いというのは、ここにいる母のメイドとして働いてくれない?ララさんという方がおられるけど、もう一人、雇いたかったのよ」
「お願いします!私は料理も裁縫も半人前ですが、一生懸命に働きます!」
結局、ララさんの叔母も、カーンティの姪も、カマラさんのご厄介になったわけですが、カーンティはこの後、たびたびラージマータにご機嫌伺にやってくるようになりました。
内心はラージマータを母のように、カマラさんを姉のように慕っているのです。
そして姪のカンガナさんは妹のように……
「カンガナ!ラージマータ様にご迷惑をかけてないでしょうね!ララ様のお言いつけを守っているでしょうね!」
それはガミガミと注意するようになりました。
「大丈夫です!」
「そお、それならお菓子を買ってきたの♪仕事が終わったら食べましょうね♪」
クッキーのようですね。
「あら、私にはないの?」
「ラージマータ様とララ様には、こちらをお持ちしました」
豪華な高級菓子、バームクーヘンのようです。
「そんなに気を使わなくてもいいのよ、ではね、そちらのクッキーとこのバウムクーヘンで、お茶にしましょうね」
ラージマータがそのようにいいますと、ララさんの叔母さんが、
「私がお茶でも入れましょう」
といって台所へ……
「カンガナ!お手伝いをしなさい!」
「そうね、わかったわ!」
でも、そのあと、仲良くお茶などした五人……いや、六人になったのです。
カマラさんがフルーツ・ケーキをもってやってきたからです。
結構和気あいあいと、お茶をしていた六人でした。
そうそう、 カンガナもなんとか采女になり、そののちに格子にまでなりました。
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