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第三章 ネマの物語 『栄光のほうこくまる』
決戦に生き残り
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敵艦隊の直衛駆逐艦は8隻だけ、巡洋艦はいないようです。
増援部隊と会合して、艦隊陣形を整えたネマ船長は、三式指揮連絡機に100キロ『オクタニトロキュバン』爆弾を積み増せ、300キロの遠方から航空攻撃を命じました。
頭上の通信衛星からの誘導がありますので、陸軍機の三式指揮連絡機でも難なく、海洋を飛べるのです。
「とにかく波状攻撃をしてくれ、直衛駆逐艦が全滅したら戦艦の測距儀などを破壊してくれ」
ネマ船長の命令で波状攻撃をした結果、直衛駆逐艦は全滅、四隻の戦艦の測距儀は破壊、水平装甲板以外の艦首部分は穴だらけ、煙突なども壊された船もあります。
とくにドレッドノートの速力はぐっと落ち、12ノットほどしか出ていないようです。
三式指揮連絡機部隊は爆弾をすべて消費して、この結果を出してくれたのです。
特設巡洋艦6隻は単縦陣で敵の戦艦に立ち向かいました。
距離は三万メートル、まず命中する距離です。
「右舷水雷戦用意!」
「目標、第一部隊は敵の一番艦、第二部隊は敵の二番艦、撃て!」
12発の魚雷が二隻の戦艦に命中、いわゆる轟沈したのです。
「回頭、左舷水雷戦用意!」
「目標、第一部隊は敵の三番艦、第二部隊は敵の四番艦、撃て!」
敵の四隻の戦艦は海の藻屑となったようです。
「右舷に雷跡2!」
「なに!」
「回避運動はできるか!」
「まにあいません!」
「命中します!」
「右舷に被雷!」
「左舷に注水!」
“ほうこくまる”は速力が半減、大量の浸水でやっと浮いている状態です。
「“ごこくまる”が被雷!傾いています!」
「敵の位置はわかるか!」
「わかります!」
「全艦艇に位置を知らせよ!」
「対潜誘導魚雷をありったけ叩き込め!」
「敵潜、圧壊しました!」
「やれやれ……被害状況を報告せよ!」
「浸水がとまりません!」
「排水に全力を上げろ、とにかく全速でマハラバードへ向かう!」
「対潜警戒を怠るな!」
度重なる被雷で隔壁が緩んだそうで、浸水が止まらない“ほうこくまる”です。
それでも応急注排水装置の、排水能力のおかげでマハラバード港まで、なんとか戻ってきたのです。
緊急にドックに入ったときには、応急注排水装置も壊れ、満身創痍の“ほうこくまる”でした。
“ほうこくまる”の修理は困難を極めたのですが、義勇艦隊の武勲艦として、何とか修理を終わったときは、執政官府の戦争は終わっていたのです。
『栄光のほうこくまる』、義勇艦隊の誇り。
この船はこの後、どんなに旧式艦となっても、義勇艦隊旗艦として現役にとどまりました。
そしてネマ船長はのちに義勇艦隊司令官になり、最後は側女にまでなったのです。
FIN
増援部隊と会合して、艦隊陣形を整えたネマ船長は、三式指揮連絡機に100キロ『オクタニトロキュバン』爆弾を積み増せ、300キロの遠方から航空攻撃を命じました。
頭上の通信衛星からの誘導がありますので、陸軍機の三式指揮連絡機でも難なく、海洋を飛べるのです。
「とにかく波状攻撃をしてくれ、直衛駆逐艦が全滅したら戦艦の測距儀などを破壊してくれ」
ネマ船長の命令で波状攻撃をした結果、直衛駆逐艦は全滅、四隻の戦艦の測距儀は破壊、水平装甲板以外の艦首部分は穴だらけ、煙突なども壊された船もあります。
とくにドレッドノートの速力はぐっと落ち、12ノットほどしか出ていないようです。
三式指揮連絡機部隊は爆弾をすべて消費して、この結果を出してくれたのです。
特設巡洋艦6隻は単縦陣で敵の戦艦に立ち向かいました。
距離は三万メートル、まず命中する距離です。
「右舷水雷戦用意!」
「目標、第一部隊は敵の一番艦、第二部隊は敵の二番艦、撃て!」
12発の魚雷が二隻の戦艦に命中、いわゆる轟沈したのです。
「回頭、左舷水雷戦用意!」
「目標、第一部隊は敵の三番艦、第二部隊は敵の四番艦、撃て!」
敵の四隻の戦艦は海の藻屑となったようです。
「右舷に雷跡2!」
「なに!」
「回避運動はできるか!」
「まにあいません!」
「命中します!」
「右舷に被雷!」
「左舷に注水!」
“ほうこくまる”は速力が半減、大量の浸水でやっと浮いている状態です。
「“ごこくまる”が被雷!傾いています!」
「敵の位置はわかるか!」
「わかります!」
「全艦艇に位置を知らせよ!」
「対潜誘導魚雷をありったけ叩き込め!」
「敵潜、圧壊しました!」
「やれやれ……被害状況を報告せよ!」
「浸水がとまりません!」
「排水に全力を上げろ、とにかく全速でマハラバードへ向かう!」
「対潜警戒を怠るな!」
度重なる被雷で隔壁が緩んだそうで、浸水が止まらない“ほうこくまる”です。
それでも応急注排水装置の、排水能力のおかげでマハラバード港まで、なんとか戻ってきたのです。
緊急にドックに入ったときには、応急注排水装置も壊れ、満身創痍の“ほうこくまる”でした。
“ほうこくまる”の修理は困難を極めたのですが、義勇艦隊の武勲艦として、何とか修理を終わったときは、執政官府の戦争は終わっていたのです。
『栄光のほうこくまる』、義勇艦隊の誇り。
この船はこの後、どんなに旧式艦となっても、義勇艦隊旗艦として現役にとどまりました。
そしてネマ船長はのちに義勇艦隊司令官になり、最後は側女にまでなったのです。
FIN
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