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第三章 ネマの物語 『栄光のほうこくまる』
増援部隊
しおりを挟むそのころ、ついに執政官府に、アールヴヘイムン条約加盟国は宣戦布告の暴挙にでます。
「なに!ついに開戦!」
「困ったことになったぞ……」
この時、“ほうこくまる”は赤道付近を越え、目的地の旧カンボ―ジャ王国のマハラバード港に近づいていたのです。
その位置はマーヒシマティー王国領にも近いということなのです。
情報を整理すると、マーヒシマティー王国の主力艦隊のほとんどは、アッサカ王国沖合いの泊地に終結のためで払っているようです。
執政官府の機雷封鎖のおかげで、主力艦など第一線艦艇を、何とか脱出させたマーヒシマティー王国海軍は、
残っていた旧式ではあるが、第二線艦艇を出航させようとしていたのですが、さらに機雷封鎖が強化されたのです。
第二波の機雷封鎖前になんとか機雷を除去、強硬出航できたのはドレッドノートとベレロフォン級三隻、および少数の護衛艦艇、これが“ほうこくまる”に向かっているようです。
この旧式戦艦ですが、それでも速力は21ノットはでます。
マハラバード港に逃げ込む前に追いつかれてしまいます。
「船長、義勇艦隊からの電文です」
「読め!」
「増援部隊を送る、ほうこくまる船長は増援部隊を指揮、敵の旧式戦艦を殲滅せよ」
「なに!増援部隊はどこにいるのか!」
「先ほどマハラバード港を出航したもようです」
「それでは間に合わないではないか!」
「航空支援を要請せよ!」
「航空支援は不可、との回答です」
ここでネマ船長、とにかく増援部隊と合流せねばと、船足を緩めたのです。
そこで後方から奇襲をする作戦にでます。
「敵は本船が全速力でマハラバード港に逃げ込むと考えているはず……増援部隊に会合地点の座標をおくれ」
増援部隊とは特設艦船と婦人陸上戦闘団の船舶工兵部隊の有力戦闘艦艇をかき集めたもの。
“ほうこくまる”と同型の“あいこくまる”と“ごこくまる”
すこし小型の“あかぎまる”、“あさかまる”、“あわたまる”
空母形式揚陸艦“あきつまる”と“くまのまる”
それぞれ三式指揮連絡機を8機搭載しています。
100キロまでの爆弾を二発搭載できるようです。
ただ急遽執政官府からこの100キロ爆弾が提供されたそうです。
どうやらヴィーナスさんが急遽作り出した、『オクタニトロキュバン』爆弾。
50ミリ鋼板なら貫通できるそうです。
ただロケット方式の誘導弾なので、重量は150キロとなっており、一発しか積めません。
「敵に空母はいない……三式指揮連絡機のこの爆弾で、護衛の駆逐艦を遠距離から撃破……」
「あとは魚雷戦に持ち込めば……」
「こちらの魚雷は最大射程は5万メートル、四万メートルなら百発百中……」
「ベレロフォン級に搭載されている30.5センチ砲の最大射程は15,000メートル……」
「あれ、これ勝てるではないか!」
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