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第十章 エラム航路

航路管理者、深雪さん

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「その妹というのは、その船に乗るのですか?」
「今回は慣れるためにも乗ってもらいますが、次回からはその必要はありません」
「管制官たる妹のリモートになります、管制官はここでお茶でも飲みながら、指示することになります」

 小雪さんが、「妹はその……マスターと……」
「先程もいいましたが、愛人ですのでマスターに可愛がってもらうことになります」

「では私のお願いを聞いて下さい」
「何でしょうか?」
「瓜二つはやめてください!」

 すこし驚いたマレーネさんと薫さんでしたが、「わかりました」と答えていました。

 その様な事があった二日後、小雪の妹がレイキャネース・ハウスにやってきました。
 推定年齢を二十三歳にしているそうです。

「小雪姉さん、はじめまして、深雪と申します」
「皆さまにも初めてお目にかかります、どうかよろしくお願いします」
 そして私の前に来て、エラムの挨拶をしました。

「マスター、深雪はマスターの所有物、可愛がって下さい、今夜お願いします」
「サリー様、良いでしょう?」
「深雪、なれなれしいですよ!」
 小雪さんがたしなめています。

「でも……」
「デモもストライキもないの、仕事をしてから、可愛がってもらいなさい」

「わかりました、航路を見つけた後、とことん可愛がってもらいます、お姉さま、失礼いたします」

 なんか、ブチときました。
「深雪さん、こちらへ来なさい」

 深雪さんが来ましたので、軽くしばいて差し上げました。

「もう少し謙虚な言葉を学びなさい、貴女はまだ生まれたばかり、皆さんは私と共に十年、苦労を分かち合ったのです」

「……」

「不満なのはわかります」
「でもね、私と生死をともにした、皆さんを見下したような言葉は、我慢できないのです」

「これからは、貴女も私とともに時を共にするのです」
「貴女が年若い者に、見下された言葉を投げられたら怒るでしょう」
「きっと私は貴女の為に、その相手をぶつでしょう」

「よいですね、言葉は生きています、しかも一度発せられた言葉はしぶといのです」
「くれぐれも言葉を大事にね、私は昔、ある人に云われたことがあります」
「物をしゃべるなと……その人は今はいませんが遺言だったと理解しています」

「良い言葉が見つからなければ、取りあえずは沈黙しましょう、そして言葉を考えるのです」

「すいませんでした」

「さあ、深雪さんは、これからしんどい仕事に行くことになります」
「その前にお誕生日を祝いましょう、ホテルで会食などいたしましょう」

 すこし場がなごみました。
 この後、恥ずかしいほどの酒宴になりました。
 へべれけの状態で、へべれけの姉妹を抱いたのは、いうまでもありません。

 深雪さんとは濃厚な関係となりました、ベッドで三人、裸で寝ていましたが……
 その後、静かになりますと……乱入する者たちが……
 朝になると部屋中にプリンポロンが……アリスなんか大の字で寝ていました。

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