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第四章 アメリカ新婚生活

ピクニックも兼ねて

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 ホットスプリングまでは、約四キロ、小一時間です。
 今は朝の十時です。

「アリシアさん、すこし歩きませんか?」
「悪いけどディアヌさんやココさんを誘って、途中まで一緒に、そこで軽くランチを一緒に食べませんか?」
「その後は、二人でデートといたしましょう」
 アリシアさん「はい」と、ほほを染めます。

「ディアヌさん、ココさん、途中まで一緒に歩きませんか、途中で軽くサンドイッチでもいかが?」
「後から車で、サンドイッチなど持ってきてもらいますので、それで帰れるでしょう」

 アリシアさんとディアヌさんが、何やら女性運転手さんとメイドさんたちに指示しています。
 この二人手早いですね。

 さて、ピクニックへ行きましょう。
 空は快晴、アーカンソーの空気は澄み切っています。

 アリシアさんとディアヌさんは、私の両腕を抱えて、ピッタリとくっついています。
 ココさんは、はしゃいで走りまわっています。
 途中、三台の車が追い抜いて行きました。

 車は途中の、ちょっとした広場に止まっていました。
 メイドさんたちが三人ほどで、ちょっとしたカフェテリアを設定しています。
 どうやら、アリシアさんとディアヌさんの感覚と、私とでは違うようですね。

 ピクニックって、シートの上にちんと座って、サンドイッチなどをパクつくイメージなのですが……給仕つきのピクニックね……

 よく見るとメイドさんたち、大層な美人さんですね……狼さんになりそうです、だっておいしそうな赤ずきんチャンばかりですもの……
 近頃の私たちの関係は、薄々知っているでしょうね。

 給仕してくれるメイドさんに、「私のものになる?」と云ってみると……
 顔色も変えず、「お望みなら」と云い切りました。
 どう取ればいいのか、女心は解りません、永遠にね。


 アリシアさんとディアヌさんが、やんわりと、
「ミコ様、私たちではご不満ですか?サリー様にご報告いたしますよ」
 二人とも言葉は丁寧ですが、目が怒っています。
 それにサリーさんはこの手の話しになると、とても怖いのです。

 とりあえず集合写真をとります。
 私とアリシアさんとディアヌさんとココさんと、三人のメイドさんに三人の女性運転手、ガルムとバーゲストも入っていますが、よい記念になるでしょうね。

「さて、ではアリシアさん、デートに行きますか?」
 ディアヌさんとココさんは、ここでお帰り願いましょう。
 私たちは車に乗り込み、ホットスプリングです。

 街の入り口で、私は車を降りました。
 運転手さんにはクアポー・バス・アンド・スパでゆっくりと待ってもらって、私たちはウロウロとしています。
 街中、密かに厳戒態勢なのがわかります。

 私が街をあるくと、皆さん、振り返りますが、近寄る者は誰もいません。
 道を行くと、私のボディゾーンに立ち入る者は一人としていません。
 アリシアさんだけが、ピッタリとくっついています。

 これは誰がみても、百合のカップルです、何といっても、アリシアさんが私の腕を掴んで、私を見つめながら歩くのですから。
 こうなればヤケクソです、レズカップルになり切りましょう。
 
「アリシアさん、皆、私に近寄りませんが、貴女はペッタリですね」
「ミコ様、ご自分のお姿を知っておられますか?」
「美しいとは思っています、私が男なら逃げるかひれ伏すかでしょうが、何故女性まで?」

「胸がときめき、身体が自然と後ずさりするのですよ、威圧されるのです」
「最初は私もそうでした、ディアヌもきっとそうだったと思います」

「私はミコ様に征服された時から、近づけるようになりましたが……ご婦人方の気持ちはよくわかります」
「先程のメイド、彼女は今晩、身体が疼くでしょうね」
「そうなのですか?」
「そうなのです」

 アリシアさんはショッピングが大好きなようです。
 ファション関係のお店を、軒並み荒らしています。
 でも、なぜか私の物ばかり……どうして?

「ミコ様、先程ディアヌと話したのですが、ミコ様のお召し物はあまりに素朴、私たち事務担当者でなんとかしなければと……」
「皆さまも質素なお召し物ばかり、それではあまりにもったいない、輝ける美貌をお持ちの方ばかりなのに」

「そこで皆さまについているメイドに、衣服を買うように、さきほど携帯で指示しておきました」
「明日あたりはお屋敷で大ファションショーです」

「でもアナスタシアさんならいざ知らず、アテネさんとビクトリアさんは難産ですよ」
「大丈夫です、お二人には急遽メイドを増員しました、警備の者も含めて四人がかりです」

 その光景、見てみたいですね、特にアテネさんの場合を……

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