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第四章 アメリカ新婚生活
ストレスが天変地異を引き起こす
しおりを挟むホットスプリング郊外の屋敷、私は無理をいって売ってもらいました。
そこへ、久しぶりに三巨頭がやってきました。
一人はネイサン・ロッシチルド
もう一人はジョン・デヴィッドソン
最後の一人はシャルル枢機卿
このごろ、やっとネイサン以外の名前を覚えました。
知ってはいましたが、直ぐには思い出さないというか……
必要がないと覚えないたちで……、ごめんなさいね。
この、女の屋敷に入れる殿方は、この三人だけ、後は何人もはいれません。
「ミコ様、お気に召したようですね」
「温泉がありますし、日本式なのがよくて」
「お好きですね」
「やはり日本生まれですからね」
「このごろ、事務担当者とお楽しみとか?」
恥ずかしいですね、穴があったら入りたい心境です。
しかし、ここは居直りが肝心です。
「楽しくやっております、何か?」
「いえ、貴族趣味ですな」
ネイサンさんが、遠まわしに嫌みを飛ばしてくれます。
「ジョンさんには申し訳なく思っていますが、拠無い事情がありまして……、しかし娘さんは、私が責任を持って守ります」
「そのことですが、当方が茜様に問い合わせたところ、お倒れになったとか?」
「世界中で、天変地異が起こった事をご存知ですか?」
ジョンさんの情報網もなかなかです。
「承知しております、私のストレスのためにご迷惑をおかけしたようで……」
ネイサンさんが、
「ミコ様も人でしたのですね、しかし、これは大変な事です、一歩間違えば、世界の終わりになりかねません」
「たしかに迷惑といえば迷惑ですが、いまさらどうなる物でもありますまい、それにミコ様には、このテラにお住まいになってもらいたいと思っています」
「とにかく我々としては、ミコ様がリラックスして、ストレスダウンを起こさぬように尽くすつもりです、資金もたっぷり頂いておりますので」
シャルルさんも、
「とにかくお心のままにお過ごしください、世界を終わりにしないためにも……」
私はどうやら危険人物の様です、まぁ実際そうなのですが……
でも、帰れと連呼されないのには、なにか理由でもあるのでしょうか、私のご機嫌とりだけとも思えませんが……
三人の事務担当者が、お茶を運んできました。
三人をみて驚いたでしょうね、とにかく綺麗になっていますから……
とくにジョンさんは嬉しそうです、うつろな目をしていたアリシアさんでしたが、今は活き活きとして、健康そうなのですから。
でも、危ない物が、側にピッタリとついています、それぞれの愛犬です。
あまり可愛げのないワン君たちですが、この三匹はそれぞれが選んだ主人が大好きのようです。
「三人とも、よくやってくれています、恥ずかしい事に対しても、良く尽くしてくれています」
「私、考えたのですが、三人には順番で休暇を与えようと……」
「思い切って三週間働けば一週間、これを輪番でとって頂きます、私に仕えることはハードですから」
「とりあえずはエッダさん、シャルルさんといっしょにご両親のもとへ帰りなさい、クー・シー、護衛を頼みます、でもエッダ、浮気は駄目よ」
そんな話をしていますと、ジョンさんが、
「ミコ様、たまには皆さまと、ホットスプリングへ繰り出されませんか?」
「この屋敷のメイドと護衛を一人ずつ、皆さまにつけて車も一台ずつ用意します」
「不用意なご発言さえお控えくだされば、後の対策はこちらでいたしましょう」
「幸いこの町はディヴィッドソンに縁のある街、それも可能です、いかがですか?」
私はすぐに乗りました、ホットスプリングの街をぶらぶらするのです、いいですね、どんな目論見があるかは知りませんが……
「で、なにがお望み?」
「実はアリシアをメイド代わりにつれていって頂きたい、ミコ様なら護衛も不要、親として娘のデートのために一肌脱ぎたいので……」
ディアヌさんとエッダさんが、凄く羨ましそうな顔をします、しかしサリーさんが「しかたありませんね」と云いましたので、何もいいません。
皆を車に押し込み見送ったのち、アリシアさんとデートですが、邪魔な犬がついてきます、忠犬バーゲスト君です。
さて、このままではディアヌさんが可哀想ですね……
そうです、すこしピクニックと洒落込みましょう。
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