惑星エラムより愛をこめて 第五部 ヘヴン編 【ノーマル版】

第六十二章 整理整頓

女官さんの年金 其の二

　さて私は次の方々の処遇を、何とかしようと考えていました、何としてもこの方々は、幸せになってもらいたい……
　考えた末に、刀自(とじ)と女史(じょし)という位を新設しました。

　このあいだ、尼住職様よりお手紙を頂き、その中にお願いが書かれていました。
　縁ある彼女たちは、最後まで救って下さいと……
　多分、元宮川遊郭六条楼の、女郎さん達の事でしょう。

　彼女たちは私が面倒を見なければ、この先はありません、女ですからね……誰かに頼りたいのですよ……
　なにも言葉がありませんでした。

　女史の給料は清女(きよめ)さんと同じです。
　私の女官ではありますが、自由恋愛もＯＫ、女の園の外に居住可能で、仕事はナーキッドとオーナーの女の間の事務手続き、女官任官課程がある各女学校の事務員などとなります。

　清女(きよめ)さん、末女(まつじょ)さんのなかより、貢献度大の方々に対して贈られる位で、ブレスレットをつけてもらい、色がピンク・ゴールドとなります。

　石は既婚なら紫、未亡人なら青、未婚なら赤となります。
　勿論独身なら、側女になることも可能です。
　各ホームのウェイティングメイド直属となります。
　つまり、ハレム内勤の一般女性職員です。

　もともとリングやブレスレット、チョーカーは身体を活性化する力があります。
　ということは頭脳も活性化しますので、皆さん、それなりに聡明になります。
　賢すぎて困る方も出てきますが……だから一般事務など、能力的には困らないでしょう。

　刀自は貢献度大の方々に対して、退官後に贈られる位で、色がピンク・ゴールドとなります。
　女史と同じ色で、石を幸福の宝石言葉であるエメラルドとしました、年金加算として、金貨２枚、年収３００万を上乗せします。

　命婦（みょうぶ）さんを希望する方も幾人かおられました。
　ナーキッドの職員さんや、一般の方の妻を望む方がおられるのです。

　いいですよ、幸せになるというのに、私がとやかくいうことはありません。
　相手が身元確かならね、それに綺麗な方は、私の毒牙にかかっているはずですから……

　『退官積み立て引き当て金』から、我妹子(わぎもこ)証文の代金を引いた額を支払いました。
　足りない方が中にはおられますが、その分は相手の方が支払ってくれます。

　一応相手の方の身元調査は厳重にしました。
　私の女官を妻に望む以上、男だろうが女だろうが、覚悟がいるということを示してもらいましょう。

　で、馬鹿な者が幾人かいます。
　その者の相手を望む女官さんの退官は拒否、その馬鹿者は、拒否理由を公告させていただきました。
　勿論、女官さんの名前は伏せますが、馬鹿者は手痛い目に会うのは必須となります。

　一応、予算は金貨で支払います、これは内緒ですが、どんどん製造できますので……
　ただ、経済に悪影響が及ぼさないように、厳重に管理をしています。