51 / 92
第五十五章 劣勢
天照大神(あまてらす)孤軍奮闘
しおりを挟むヴァルホルステーションの住民に破壊されたのは、戦闘コンピューター以外にも広範囲に及び、予備ネットワークまでも含まれていたのです。
幸いに動力炉とその管理コンピューター、非常軍事用ネットワークは健在で、動力炉管理コンピューターが、危機管理防衛戦闘システムを起動、カラミティ航空宇宙軍をかいくぐってくる虫相手に、防衛戦闘を繰り広げていました。
その為に、防衛戦闘に動力炉管理コンピューターは全て情報資源を投入、内部は現在稼働している、危機管理防衛戦闘システム関連だけ管理していたのです。
その内部で、天照大神(あまてらす)は寄せ来る黒い霧の粒子を叩き落としながら、孤軍奮闘しています。
天照大神(あまてらす)が、何とかムスペル一体分をさらに撃破したようで、残りのムスペルは四体、いままで内部で少し動いて、破壊工作をしていた住民も、全て動かなくなります。
おかげで住民による、内部破壊進行が止まり、ヴァルホルステーションの人工知能群が、内部ネットワークを復旧するのに成功しました。
内部に設置している、各階専用の新型の非常用小型核融合炉制御コンピューターには、各階をカバーできる最低限の監視ネットワークがあり、汎用ロボットを保守管理用に動かせるのです。
これが何とか起動したのです。
ヴァルホルステーションはレイルロードの中では最大級の大型ステーション。
ヨミ号のように、各階管理コンピューターが内部管理をしており、一つでも稼働していれば、全階の管理も可能な能力を持っています。
全ての各階管理コンピューターが機能停止した時、新型の非常用小型核融合炉に附属している、制御コンピューターが、非常起動するようになっているのです。
その間にもウンディーネは、ノーミーデス、サラマンダー、シルフィードの内部に侵入した黒い霧の粒子を、かき出し乳房を握り囁きました。
ついにサラマンダーの恐怖条件付け解除に成功し、サラマンダーの手伝いで、ノーミーデスとシルフィードの恐怖条件付けも解除されました。
天照大神(あまてらす)はムスペル一体分をさらに撃破したようで、明らかに黒い霧は勢いを失くしています。
ヴィーナス・ネットワーク・ワールド最強と称えられた天照大神(あまてらす)も、さすがに疲労の色が漂っています。
天照大神(あまてらす)は、さらにムスペル一体分を撃破、ここでさすがに天照大神(あまてらす)も動けなくなります。
ウンディーネ、ノーミーデス、サラマンダー、シルフィードの四人は、必死に戦闘を引き継ぎました。
黒い霧が半分になったところで、ウンディーネも動けなくなりました。
ノーミーデス、サラマンダー、シルフィードの三人は、なおも戦闘を続けます。
外では虫の艦隊をかなり撃破していますが、まだ防衛戦闘が続いており、動力炉管理コンピューターは内部に余力を割きません。
サラマンダーも動けなくなり、ノーミーデスも動けなくなりましたが、黒い霧の粒子はほとんどなくなりました。
シルフィードが最後の黒い霧の粒子を叩き落としましたが、自身も疲労でほとんど動けない状態です。
しかし内部で再び、少数の住民が破壊行動を開始します。
シルフィードは気力を振り絞って、三鈷杵に念じました。
動いている生体内部に巣食っていた、黒い霧の粒子が動かなくなっていきます。
そしてヴァルホルステーション内部で、動く生体はいなくなりました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる