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第五十一章 戦娘(いくさむすめ)
敵は虫?
しおりを挟む「ミコ様は、多分相手は人類ではないとお考えです」
「デーヴァは、我々が凍結時空間の中で戦うと、判断しているはず」
「そして、我々の主力は人類にならざる得ない」
「ここは肉弾戦となるしかない」
「ならば個体戦闘力で優位にたち、なおかつ知性を持ち、我々ミリタリーと宇宙戦争が出来る科学力をもつ種族となると、『虫』しかいないとの結論です」
「虫?」
「我々が知っている『虫』のデーターです、画面をご覧ください」
立体ホログラムが、『虫』を映し出しました。
「ホモサピエンス種族の惑星世界では、ほぼ共通にいたであろう、古代の巨大昆虫アプソロブラッティナに、良く似ています」
「体長は約三倍半、180センチはあるでしょう」
「肉食で見てくれはゴキブリですが、シロアリの社会に似ています、ただ極めて凶暴です」
「好物は人類、しかも女のようです」
さすがに沈黙が流れました。
「当初この作戦に耐えられるのは、ヴァンパイア族からなる、ブラッドメアリー戦闘団だけと目されていました」
「しかし、それではあまりに戦力が足りない、かといって、そのまま皆さんを、無謀な戦いに投入するわけには行かない、我々の人的資源は有限なのですから」
「そこでイシス様とマレーネ様が協議の結果、なんとか戦えるツールを開発されました」
「またミコ様も、皆様の安全のために、凍結時空間の中でも、着用できる服を開発されました」
「なんでも大事な皆様の裸を、『虫』ごときに見せるなんて許されない事と、おっしゃっておられました」
「試作品をお見せします」
琥珀の軍務加算徽章、竹光の刀や槍、全身タイツです。
「軍務加算徽章はこのたび、このペンダント方式に変更されました」
「ミリタリーには配布されましたが、皆様方にはこれからです」
「デザインはミリタリーも婦人戦闘団もすべて同じです、ただ花の色やベースの色が違います」
「ベースは皆さんは黒ですが、ミリタリーはプラネテスも含めて白となっています」
「一応各ミリタリーの物も、見本として持ってきてありますので、興味のある方はご覧ください」
「ここにいる皆さんの分は、いま支給いたします」
見事な黒いベースの、琥珀のペンダントが支給されました。
この後、こまごまと試作品の説明がありましたが、全身タイツのデザインに、クレームがつきます。
戦時の生理的要求に、対応していないとの事です。
結果的には、下腹部の大事な部分はむき出しとなり、パンツを上からはくことになりました。
ちなみに頭はフードとなり、手足は手袋と五本指のソックスとなります。
さらにデザインはもっと官能的にと、注文がつきました。
この後、『よりしろ』効果による武器の説明があり、剣術などが得意の、戦闘団の動員が伝えられました。
しかし、クレアさんが、
「ノーザンクラウン婦人戦闘師団は、全軍で参加したい」
「我々は常に銃剣も訓練している、白兵戦なら負けはせぬ、まして『よりしろ』効果が使えるなら、ぜひとも参戦したい」
結局クレアさんの一言で、すべての婦人戦闘団が参戦することになったのです。
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