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第五十章 戦時体制

ニライカナイ要塞 其の二

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 また内部回廊14本には、一回廊に四隻の標準型ステーションが休眠状態で連結されています。
 これは回廊にくっつく形で56隻有ります。

 休眠といえどそれは民間区域の事、軍事領域は常時稼働、巨大なニライカナイ内部の宇宙空間、泊地と呼ばれています。
 その泊地を自由に行きかう事の出来る、警備の役目を担っており、ときどきは自身が動き、ゲストなどを迎えに行くこともあります。

 いざとなったら、標準型結合ステーションとしても機能します。

 先ごろ、この泊地内に停泊する宇宙船は、牽引ビームで固定される事になり、いざという時には、ニライカナイとともに宇宙を渡れるようになりました。

 回廊内には、ニライカナイ循環貨物鉄道と称されるシャトルが走っています。
 ニライカナイの宇宙船は分離することがあり、その場合、小さい回廊接続用宇宙船がその位置におかれます。

 この場合、ニライカナイ循環貨物鉄道は該当ステーションをパスして走るわけです。

 ちなみに、姉のあのケバケバしいピンクダイヤモンドの船、ビューティフル号は、ドール・鹿の園号にぶら下がるように接続することになっています。

 ミリタリー号も大改修され、スペースシティ級などが接舷出来るようになっています、こちらは直径400キロクラスの巨大輸送船も接舷可能です。

 さらにいえば、内部には惑星クラスに匹敵する、直径1800キロの球形宇宙船が建造できる、直径2000キロドックがあります。

 ガリレオ衛星ステーションでの戦いの時、内部をワープで射出したことにヒントを得て、設置されたもので、それまで内部にあった動力装置などは、全て外郭部の高さ750キロの部分に押し込められています。
 それまでの第一層造船ドック群はそのまま維持されています。

 ミリタリー号は戦闘艦ではありません、最低限の防御兵器があるだけです。
 いまもこの超大型ドックでは、直径1800キロの軍事要塞プラネット級の四番艦が完成間近です。
 このドックで建造すれば、一年ぐらいで完成できるのです。
 外部宇宙で建造すれば、五年はかかるでしょう、かなりの工期短縮なのですよ。

 ちなみに一番艦エラム号は完成して稼働中、二番艦テラ号は訓練中、三番艦は訓練予備艦となっています。

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